1,800円以上の注文で送料無料

狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選 の商品レビュー

3.4

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/08/25

ラヴクラフト初体験。 クトゥルフ神話の生みの親。ホラーが苦手ではあるが、これだけ有名な作品群なのだから一度は手に取ってみないとと思い挑戦。 本作は表題作「狂気の山脈にて」と「時間からの影」という中編2篇を含む8篇から成る。 真っ先の印象としては、ラヴクラフトが創出する恐怖を恐怖...

ラヴクラフト初体験。 クトゥルフ神話の生みの親。ホラーが苦手ではあるが、これだけ有名な作品群なのだから一度は手に取ってみないとと思い挑戦。 本作は表題作「狂気の山脈にて」と「時間からの影」という中編2篇を含む8篇から成る。 真っ先の印象としては、ラヴクラフトが創出する恐怖を恐怖として堪能するためには、かなりの想像力が必要だなということ。 卓越した想像力の結果を余すところなく文章に落とし込むので、それを再構築するのにだいぶ骨が折れる。 おそらくホラーにはホラーを読むスキーマが必要なのだろうが、怖いの嫌いな私はそんなものもなく、ただひたすら彼の記述からイメージを構築する。 ただ、私が再構築したイメージは、そんなに怖くないのだ。 恐怖の基となる、恐怖の対象となるものが霊とかゾンビとか狂った人間とかではなく、宇宙的なもの、遙か昔に宇宙からやってきたものという設定なのでそういう意味ではSFとして読むことができる。 その視点からすると、割と面白い。とりわけ、中編2篇については導入から中盤にかけてはホラーというよりもSFテイストが強く、そこまでは興味深く読める。 ただそこから恐怖の場面に転換するときに、私の想像力がおっつかなくなる。 想像がおっつかないのに、たたみ込むように、あるときは内省的に、またあるときは状況を徹底的に細かく文章にして浴びせてくるので、うわあとなる。 物語そのものの恐怖よりも、「あれ、おれバカなのかなもしかして」と思う恐怖の方が上回ってしまったかもしれない。 これはもう、仕方ない。私の能力不足である。向いてなかった。 熱狂的なファンがいるし、クトゥルフ神話はある意味盤石のジャンルとして成立しているわけなので、好きな人にとってみればこのテイストがたまらなく面白いに違いない。 それもこれも試してみないとわからないので、ホラー系が好きかもな方は一度挑戦してみて欲しい。

Posted byブクログ

2024/01/02

クトゥルフ神話と呼ばれるラブクラフト作の短編集。 ジャンルとしてはSFと怪奇ものが混ざった、というべきか。ネクロノミコンや大いなる古きものらというモチーフが複数の話で出てきて、世界観として緩やかに統一されている。舞台は現代。登場人物たちは偶然か必然か、この世の常識では創造出来ない...

クトゥルフ神話と呼ばれるラブクラフト作の短編集。 ジャンルとしてはSFと怪奇ものが混ざった、というべきか。ネクロノミコンや大いなる古きものらというモチーフが複数の話で出てきて、世界観として緩やかに統一されている。舞台は現代。登場人物たちは偶然か必然か、この世の常識では創造出来ない何かに遭遇したり体験したりした結果、精神に何らかの異常を来してしまう。 研究科や探検など研究者の立場での主観で話が進むため、文章がやや学術的で表現が非常に複雑であったのが、あえての世界観ということは理解できるが非常に読みにくかった。

Posted byブクログ

2023/11/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ダゴン」のラスト 私の初読は、文庫の全集(あの黒い有名な表紙)だったので、ダゴンのラストは「窓に」「あの手」があるものだとばかり思っていた。 しかし、久しぶりに令和の時代に発行されたこちらの訳をなんとなしに、再読の記憶をたどりながら、本当に何となく、読んでいたら、ラストに、「窓へ!」と来たもんだから、「(これ投身エンドか!?)」と、気付いてしまったときの鳥肌と言ったら、計り知れない恐怖、二度と味わえない面食らい、こっちが放り投げられたような気分。 調べてみたら海外でも読み取り方はそれぞれのようで、ラヴクラフトにやられたと嬉しくなる。ダゴン沼である。 ちなみに「ダゴン」は海外で短いゲームとして販売もされていて、YouTubeで九畝くぜさんという長らくクトゥルフTRPGをされている方が解説混じりに実況動画を投稿されている。 ゲーム版「ダゴン」のラストが気になる方へオススメです。

Posted byブクログ

2023/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ラヴクラフト作品は初めて読んだ。 人類誕生よりもはるか昔にかなり高度な文明を築いた存在がいた、という話だったのは初めて知った。名前は知っていたものの前情報無しで読んだので、一体どんな展開になるんだ?とワクワクしながら読めた。 現代の作品と比べると語り手の独白がかなり多いので読みづらさもあるけど、語り手の思考とシンクロして少しずつ恐怖を感じていく体験ができてよかった。 SF大好きなのでラヴクラフト作品はまた読みたい!けどおそらくどの話も同じ神話という設定らしいから展開は似てると思われるので、一気に読むと胸焼けしそうなので他の本を読みつつ合間で読みたい。

Posted byブクログ

2023/09/24

20世紀アメリカ。ラヴクラフトの暗黒神話。クトゥルー(邪神・発音できないのが目的なので便宜上) 神話、短編8作。 「狂気の山脈にて」 冒険ありの怪奇小説。 南極大陸の探検隊が、驚くべき発見をする。 独特な進化をした大型生物の化石群。 広大な都市跡。 人類史よりも古く、壁画に謎の...

20世紀アメリカ。ラヴクラフトの暗黒神話。クトゥルー(邪神・発音できないのが目的なので便宜上) 神話、短編8作。 「狂気の山脈にて」 冒険ありの怪奇小説。 南極大陸の探検隊が、驚くべき発見をする。 独特な進化をした大型生物の化石群。 広大な都市跡。 人類史よりも古く、壁画に謎の文明の歴史を残す。 栄華を誇っていたその文明の崩壊は、下等生物の反乱か。 しかし、隊員隊は、未知の生物の復活により危険が迫る。 脱出できた隊員達は、この危険な場所を秘密にする。 なかなか大作で、込み入って、同じような表現がぐるぐる出てくるので、上手く説明できません、が! 2017年ドラえもん「南極カチコチ大冒険」が、オマージュっぽいという噂があるようです。 また、あの 「遊星からの物体X」は、こちらが元ネタらしいですね。 人類が現れるよりも遥か以前、宇宙から飛来して地球を支配していた存在。彼らは、地球の面舞台から姿を消したが、今も復活を伺っている。(訳者解説略) これが全編共通のテーマになっています。 「ランドルフ・カーターの陳述」 「ピックマンのモデル」 「エーリッヒ・ツアンの音楽」 「猟犬」 「ダゴン」 「祝祭」 「時間からの影」 テーマが同じで、恐ろしい経験をした人が、思い出すのも辛いけど、語らなければならないって感じでパターン化してるので、好きな方には、たまらない一冊ですね。私は、作品の区別がつかなくなってしまう。 狂気の山脈は、面白いと思います。

Posted byブクログ

2023/09/07

SFかホラー。クトゥルー神話。太古の地球を支配した宇宙からの生命体が甦る、かも知れない。訳文が読みづらい。2023.9.6

Posted byブクログ

2023/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

南條竹則編訳のクトゥルフ神話作品集第2作。 編訳者解説でのクトゥルフ神話の説明──「人類が現れるよりもはるか以前に宇宙から飛来して、この地球を支配していた存在がいる。かれらは事情(わけ)あって地球の表舞台から姿を消したが、今も海底や、人跡到らぬ山林や、次元の隙間に身を隠して復活の機会をうかがっており、太古以来かれらを崇める秘密の教団がある──」というものも、とても分かりやすく、各話コメントも理解の助けになる。 『狂気の山脈にて』や『時間からの影』における旧支配者たちの設定はおぞましいながら壮大で面白い。

Posted byブクログ

2023/08/23

昨今の様々なコンテンツでパロディ・オマージュされていることを考えると、クトゥルフ神話はサブカルの教養書と呼んでも差し支えないと思う。 知っておくと、思いがけないところで出会した時に面白くて、漫画やゲームの楽しさが増える。もちろんTRPGも。 また、堅苦しくて変わった文体ではあるけ...

昨今の様々なコンテンツでパロディ・オマージュされていることを考えると、クトゥルフ神話はサブカルの教養書と呼んでも差し支えないと思う。 知っておくと、思いがけないところで出会した時に面白くて、漫画やゲームの楽しさが増える。もちろんTRPGも。 また、堅苦しくて変わった文体ではあるけれども、それが魅力だとも思う。狂気と正気の狭間のような文章が、主人公たちが熱意をもって書き殴ったものを直に読んでいるような臨場感を与えてくれる。 テケリ・リ!

Posted byブクログ

2023/08/20

西洋ホラーの伝説的な作品、クトゥルフ神話の物語。 作者のラブクラフトは当時はあまり評価されなかったようだが、亡くなった後に再評価された作家。 それが今現在まで名作として残り続けているので、生きている間に評価されていればと思わないではない。 内容は前半の5作は数ページ~数10ペー...

西洋ホラーの伝説的な作品、クトゥルフ神話の物語。 作者のラブクラフトは当時はあまり評価されなかったようだが、亡くなった後に再評価された作家。 それが今現在まで名作として残り続けているので、生きている間に評価されていればと思わないではない。 内容は前半の5作は数ページ~数10ページの短編になっており、クトゥルフ神話とは関係ない物語もしくは繋がりの薄い作品になっている。 どちらかと言えば悪魔や悪霊の話だ。 しかし後半の狂気の山脈と時間からの影はそれまでの作品とは全く異なる冒険譚となっている。 この2作品は難解ではあるものの、どんな展開になるのだろうと次が楽しみになる作品だった。 壮大なスケールの話であり、作者は明晰な頭脳を持っていたのだろうと想像させられる。 本シリーズがホラーかどうかは微妙な所ではあるが、西洋のホラーと日本のホラーの違いが良くわかる。 そういう意味でも面白い本だった。

Posted byブクログ

2023/07/21

この本を読んではっきりしたことがある。 私が好きなのは、クトゥルフ神話関連の二次創作物なのだ。 小説はどうも肌に合わなかった。 情景描写ばかりがつらなり、認知症の老人の長い長いたわごとを聞かされているような錯覚に陥る。 物語にはあっているが、文字がぎっちりと詰まったびっしりの誌...

この本を読んではっきりしたことがある。 私が好きなのは、クトゥルフ神話関連の二次創作物なのだ。 小説はどうも肌に合わなかった。 情景描写ばかりがつらなり、認知症の老人の長い長いたわごとを聞かされているような錯覚に陥る。 物語にはあっているが、文字がぎっちりと詰まったびっしりの誌面も目に辛かった。 他のコンテンツになった物語の原作は、またどこかで読んでおきたいと思う。

Posted byブクログ