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古来稀なる大目付 の商品レビュー

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2021/04/28

主人公が、74歳の松波三郎兵衛正春。 なんと、吉宗の鷹狩の供をして、五代様から仕えているとの話から、突然に、「大目付になれ!」と。 一瞬 吉宗の戯れの話かと、思われたのだが、出世も望まず、他の者と違って忖度をしない三郎兵衛を 認定し、今、目安箱に投書の件を 調査するように・・・...

主人公が、74歳の松波三郎兵衛正春。 なんと、吉宗の鷹狩の供をして、五代様から仕えているとの話から、突然に、「大目付になれ!」と。 一瞬 吉宗の戯れの話かと、思われたのだが、出世も望まず、他の者と違って忖度をしない三郎兵衛を 認定し、今、目安箱に投書の件を 調査するように・・・・ と、話が進んで行く。 5話から構成されているのだが、75歳にもなる老人が、主人公で、その上、孫が、又、口達者であり、腕も強い。 時代小説でも、佐伯泰英の酔いどれ小藤次より年上であろう老人の活躍が、20以上も若い武士のような立ち回りをする。 頭も鋭く、年の功であるのだろうか、人扱いが上手いのだと、思っていたのだが、孫の勘九郎の方が、世間慣れしている。 最後は贋金作りで、終わるかと、思ったら、稲生正武の三郎兵衛襲撃の狂言に、・・・尾張を潰すための捨て駒になっていたのかもしれないと、思うと、お家存続とは、策略が一杯されているのだと。 しかし、その時襲撃にあった三郎兵衛は、意識を失いかけた時に、孫の勘九郎の声を聞ける幸福感を感じている。 祖父と孫の関係が、良い。 そして、この小説で、面白いと、思ったのが、最初から、吉宗と三郎兵衛の会話の中で、お互い、腹の中で、考えている事が、描いてあることである。 相手が、何を考えているのかを知りつつ、違和感なく、話が進んで行くところが、面白かった。 まむしの末裔1と、なっているから、これからも続くシリーズなのだろう。 三郎兵衛の活躍を期待している。

Posted byブクログ