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地上に星座をつくる の商品レビュー

4.2

21件のお客様レビュー

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2021/07/13

人生そのものがトライアスロンみたいな人だ。K2に挑戦する話も、ヒグマと一夜を明かした話も、共同浴場にきたおじいさんを取材する話も、同じように熱く、面白く、最後の一文まで濃い。

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2021/07/06

石川直樹さんは、世界を旅する写真家です。 あるときはヒマラヤの8000m登山から、あるときは宮古島の海から、あるときはバングラデシュの混沌とした町から、あるときはカナダの大自然からと、世界を駆け回りながら写真を撮る旅を続けている石川さんが、写真ではなく、文章で世界各地の旅を表現...

石川直樹さんは、世界を旅する写真家です。 あるときはヒマラヤの8000m登山から、あるときは宮古島の海から、あるときはバングラデシュの混沌とした町から、あるときはカナダの大自然からと、世界を駆け回りながら写真を撮る旅を続けている石川さんが、写真ではなく、文章で世界各地の旅を表現した作品が本書です。 写真家の文章は、写真家の特性である「物事を見る力」が備わっていることもあって、同じ風景でも、鮮明な解像度で心象をより深く感じることができるような表現をすることがたくさんあります。よく見ることで、よく考えるようになり、それを伝わりやすく表現できるんですね。 石川直樹さんは、最も優れた文章表現をする写真家の一人です。 旅っていいなあ、いろんな場所に行ってみたいなあ、世界を見る経験を重ね続けていきたいなあ、と思えるような本です。 旅に出たくてウズウズしている人にとっては、更にウズウズが増すかもしれません(笑)

Posted byブクログ

2023/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本はどこから読んでも構わない、と作者が言うとおり、ランダムに読み始めた。講演会でKー2への再挑戦することを聞いていたので、まずそこから読んだ。そして叶わなかったことを知って残念だった。そのことを率直に「ぼくは悔しい」というタイトルで書かれていたので驚いた。よほど無念だったことが伝わってくる。この時石川さんには登頂する体力も、技術もあったのに、断念せざるを得なかったのは雪崩や悪天候など、外的要因だった。それが「悔しい」に繋がるのだろう。この年のKー2登頂者はゼロだった。 次に知床のいくつかを読む。たった一人で知床連山を縦走する充実感。ヒグマとも遭遇する。ピリピリした緊張が、でもワクワクしている姿が浮かんでくる。斜里町の子どもたちとのセッションも楽しい。あとは順番通り読んでいった。毎回、たった5ページなのに、私は地球の辺境へ、または日本の温泉へ、知床へ、南の島へ、そして私が今後、決していくことがない場所へと旅し、すっかり堪能した気分になった。究極の個人の体験が、それを表現する筆力が、その国を、土地を、いちばん確実に伝えてくれる。石川さんは、星野道夫さん、野田知佑さんとともに、私の人生を豊かにしてくれた。 彼が再びKー2へ挑むことができる日がくることを、切に祈ってやまない。

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2021/04/17

『気になったので思わずいてもたってもいられなくなって現地へ向かう』と言った内容のフレーズか何回か出てきて、その行動力の凄さに驚く。 女性の私だと治安や体力の事を考えるとなかなか行きづらい様な場所に旅行するのは、羨ましい気もするけれど、正直過酷すぎて私自身は足を運ばなくても良いかな...

『気になったので思わずいてもたってもいられなくなって現地へ向かう』と言った内容のフレーズか何回か出てきて、その行動力の凄さに驚く。 女性の私だと治安や体力の事を考えるとなかなか行きづらい様な場所に旅行するのは、羨ましい気もするけれど、正直過酷すぎて私自身は足を運ばなくても良いかなとも思ってしまう。 でも自分では行けない様な場所の旅の記録は、自分もそこに行った様な追体験が出来るので面白い。 コロナでなかなか旅に行けない分、遠い地に想いを馳せる事ができ楽しかった。

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2021/02/15

【いちぶん】 環境に適応する力や順応していく能力は、北から南まで広範な地域へ移住・散在することになった人類の、最も優れた身体技法であるとぼくは考える。抵抗し、拒絶し、防御するのではなく、受け入れ、溶け込み、包み込んでいく。そうした流れるようなしなやかな姿勢こそ、あらゆる状況下を切...

【いちぶん】 環境に適応する力や順応していく能力は、北から南まで広範な地域へ移住・散在することになった人類の、最も優れた身体技法であるとぼくは考える。抵抗し、拒絶し、防御するのではなく、受け入れ、溶け込み、包み込んでいく。そうした流れるようなしなやかな姿勢こそ、あらゆる状況下を切り抜ける最大の武器になり得ると信じている。 (p.14)

Posted byブクログ

2021/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

旅行をしにくい世の中で読むと、たいそう羨ましい時代だと思う一方で、身体の中に渦巻いている旅行欲を少し満たしてくれるような本だった(この本自体は「旅行本」と呼ぶよりもだいぶ過酷なシーンが多いが)。著者の好奇心や感性を強く感じられる文章力もあり、早く読み進めたいと思いつつも、あえて少しずつ読んでみた。ネパール、ノルウェー、宮古島に行ってみたい。

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2021/01/26

写真家の石川氏が雑誌新潮に連載していたエッセイ。2020の出版だが、連載されていた期間は2012年から2019年まで、コロナ以前。 エベレストなどの山岳だけでなく、アジア、北米から北海道、沖縄、東北などなど。写真集ではわからない背景もうかがえる。今は宮古島に住民票を移しているとか...

写真家の石川氏が雑誌新潮に連載していたエッセイ。2020の出版だが、連載されていた期間は2012年から2019年まで、コロナ以前。 エベレストなどの山岳だけでなく、アジア、北米から北海道、沖縄、東北などなど。写真集ではわからない背景もうかがえる。今は宮古島に住民票を移しているとか。

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2021/01/21

しれとこはうすと、宝湯にいってみよう。こういう人のものを読むと、ちょっとここから気持ちが離れるのでありがたい。

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2021/01/08

気楽に旅に行けない世界になってしまったけどそれでも私は去年は新しいことに挑戦した。今年もなかなか旅に出られないのなら、とりあえず自分の県の山をなるべくたくさん登ってみたい。日常のなかに楽しみをみつけ挑戦や新しいことをたくさんやりたい。 図書館で借りた本だけど手元に置いて置きたいと...

気楽に旅に行けない世界になってしまったけどそれでも私は去年は新しいことに挑戦した。今年もなかなか旅に出られないのなら、とりあえず自分の県の山をなるべくたくさん登ってみたい。日常のなかに楽しみをみつけ挑戦や新しいことをたくさんやりたい。 図書館で借りた本だけど手元に置いて置きたいと思った。 新潮社なので新潮文庫になったらとてもうれしい。

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2021/01/05

「旅に行きました、行きたかった観光地に行ってきました〜」という気持ちが朗らかになる旅行記ではなく、生死を賭けて旅をしていることが多い筆者の生きる目的を垣間見ることができる一冊。 今回初めて著書を読んだが、写真家という表現者だからか、文章もとても端的に表されていて読みやすかった。旅...

「旅に行きました、行きたかった観光地に行ってきました〜」という気持ちが朗らかになる旅行記ではなく、生死を賭けて旅をしていることが多い筆者の生きる目的を垣間見ることができる一冊。 今回初めて著書を読んだが、写真家という表現者だからか、文章もとても端的に表されていて読みやすかった。旅の内容とリンクして、私の気持ちの揺れ幅も大きかったように思う。 写真が白黒なのは少し残念。

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