フジモトマサル傑作集 の商品レビュー
ギュッと詰め込まれた本当に傑作集。 今回、エッセイを初めて読んだ。同年代だからか、昔のことを忍ばせた内容、感性がなんだか伝わってくる。 改めて、もう出会えない寂しさに打ちひしがれる。
Posted by
20年近く前に買った「いきもののすべて」がフジモトマサルとの出会い。飛行機で読んだその時の思い出は今でも、想い出せる。 動物が擬人化し、どこか斜に構えているキャラ達がまさにフジモト節。自分は「スコットくん」と「ウール100%」が好み。また、文のみで読ませるまる「海外の絵本」でト...
20年近く前に買った「いきもののすべて」がフジモトマサルとの出会い。飛行機で読んだその時の思い出は今でも、想い出せる。 動物が擬人化し、どこか斜に構えているキャラ達がまさにフジモト節。自分は「スコットくん」と「ウール100%」が好み。また、文のみで読ませるまる「海外の絵本」でトナカイの餌の内訳の英語訳を訳したら、ポテトチップ24袋、ポップコーン26袋etc。トナカイの健康が心配になる。の一文には声を出して笑った。その他、良作が多数のベスト盤のような本作は、まさに集大成。これは、一家に一冊は置いておきたい。 そして、わかってはいたが最後の作者紹介の欄。 フジモトマサル(1968-2015)というのが、 本当に悲しい。あまりにも早すぎる旅立ちは、 とても悔やまれる。
Posted by
遊び心いっぱい、傑作集の名に恥じないフジモトマサル先生の様々な表情を見られる決定版。時に本を横向きにして読む部分があったり、後ろ側から始まるお話があったりと非常に楽しい。 四コマ漫画に短編漫画に連作漫画はもちろん、ご本人のエッセイに挿絵を手がけた小説やなぞなぞまで収録と、とにかく...
遊び心いっぱい、傑作集の名に恥じないフジモトマサル先生の様々な表情を見られる決定版。時に本を横向きにして読む部分があったり、後ろ側から始まるお話があったりと非常に楽しい。 四コマ漫画に短編漫画に連作漫画はもちろん、ご本人のエッセイに挿絵を手がけた小説やなぞなぞまで収録と、とにかく多彩。 太めの線で丸みがあり漫画調にデフォルメされた動物達は驚く程に表情豊かで有機的。例えば、〈ウール100%〉に登場する後ろ脚で二足歩行するひつじの会社員風女性とかどう見てもひつじのキャラなのに’こんな人いる!’と思えるくらいさりげない振る舞いや纏う雰囲気がリアルだし、はたまた、彼女に〈ドリー〉と名付けちゃうような、狙ったものかどうかわからない随所に覗くブラックなセンスも大好き。 なぞなぞすらもシニカル。 全体的に好きな作品ばかりなんだけど〈スコットくん〉はぜひ書籍版を読みたい。不器用な癖に皮肉屋気取ってちょっと間が抜けているペンギンの青年〈スコットくん〉の日々をもう少し覗き見させてほしい。p51のラスト・オチのコマの表情が彼の毎日を端的に表していると思う。 藤野可織先生によるウルトラC級ホラー?小説〈スパゲティ禍〉はマジで訳わからんけど人に話したくなる内容。「でも、もう颯太ではなくてスパゲティでした。もう冷めはじめていました。」(p131)この一文だけで興味を持って頂ける方とは趣味が合いそう。なんとなく想像はつく悪夢的なラストシーンまで、麺が伸びないうちに一気読みしてむせ上がってほしい。 裏表紙にも隠し漫画が!何というサービス&ホスピタリティ。 一冊3000円くらいの書籍ながら大いに満足。 本腰入れてフジモトマサル先生の書籍を集め始めようか。 1刷 2023.5.28
Posted by
うーん! ちょっと自分には合わなかったかなぁ。。 この作品の良さが分かる皆さんの感性素晴らしいなと純粋に思いました。 不思議な気持ちになる感覚。 ちょっと怖かったです。 漫画のとこだけ読んで、文章のところは読み飛ばしてしまいました。 なかなかのボリュームでした。
Posted by
ゆっくりと静かに話しかけてくれる絵、そして言葉だなと。 線がはっきりと太く、黒いことによる安心感があるのか。まっすぐな彼らの目か。 少し虚をつく話を、マカロニのような手書き文字で書き、句読点で結ぶからか。 「まあまあ。どうぞ座ってください」と全ページが囁き、紅茶を勧めてくれる。 ...
ゆっくりと静かに話しかけてくれる絵、そして言葉だなと。 線がはっきりと太く、黒いことによる安心感があるのか。まっすぐな彼らの目か。 少し虚をつく話を、マカロニのような手書き文字で書き、句読点で結ぶからか。 「まあまあ。どうぞ座ってください」と全ページが囁き、紅茶を勧めてくれる。 ぼくは落ち着く。昼の雑踏に置き忘れてきた呼吸の仕方を思い出せるぐらいには。 森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』の装画のときから、救われています。
Posted by
マンガ、エッセイとも不思議な味系 夢と現実を行き来するような話が目立つ ほんわりとした動物主人公の絵とのギャップがいい 亡くなられたのが残念
Posted by
初めて読んだ彼の作品は、『a piece of cake(吉田浩美著)』に寄せられていた「寄贈本」。独特の柔らかいブラックユーモアが名状しがたい読後感を生む。傑作集なら尚更。動物が擬人化した姿の登場人物たちや人型のままの脇役たち。彼らの話す表情や間合いが静かな笑いを誘う。ときに哲...
初めて読んだ彼の作品は、『a piece of cake(吉田浩美著)』に寄せられていた「寄贈本」。独特の柔らかいブラックユーモアが名状しがたい読後感を生む。傑作集なら尚更。動物が擬人化した姿の登場人物たちや人型のままの脇役たち。彼らの話す表情や間合いが静かな笑いを誘う。ときに哲学的。どれも面白さがじんわり染み込んで広がるが、私はとくに「ウール100%」「ウール100%ドリーの日記」が好き。
Posted by
フジモトマサルさんのイラストは読者を不思議な世界に連れて行ってくれる。この傑作集はフジモトさんのお人柄が伝わってくるエッセイ付き。今もこの世に居てくれたらなぁ、もっともっと本を出してほしかったなあと思わずにいられない。
Posted by
若くして亡くなった、天才脱力漫画家・フジモトマサルの傑作集です。フジモトさんの世界の魅力といえば、動物たちと人間が普通に同居する、どこかとぼけた世界。 静かに悩む人間たち。遠慮なく言葉を話し、生きる動物たち。その交錯で生まれる奇跡の物語です。
Posted by
絵柄的にファンタジーと思いきや、かわいらしい動物たちが芯をくったことをポロッと言ってスッと現実に引き戻され、時には後味の悪さも感じたり。 現代的な童話みたいなフジモトさんの作品が大好きです。 Web連載だった『かわうそ天然気分』が、より抜きながらも本で読めたのがとても嬉しいです。...
絵柄的にファンタジーと思いきや、かわいらしい動物たちが芯をくったことをポロッと言ってスッと現実に引き戻され、時には後味の悪さも感じたり。 現代的な童話みたいなフジモトさんの作品が大好きです。 Web連載だった『かわうそ天然気分』が、より抜きながらも本で読めたのがとても嬉しいです。 エッセイもグイッとひきこまれます。 フジモトさんが内田百閒の随筆を好んでいると書かれていましたが、その軽妙な文体や視点を踏襲されているように感じました。 ご本人のホームページも更新はされないもののまだ残っているので、たまにふらっと覗きにいってます。 もうこれから先、新作が出ないのが本当に寂しいです。
Posted by
- 1
- 2