暗殺の幕末維新史 の商品レビュー
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<目次> 序章 繰り返されてきた暗殺 第1章 「夷狄」を排除する 第2章 「人斬り」往来 第3章 「言路洞開」を求めて 第4章 天皇権威の争奪戦 第5章 維新に乗り遅れた者たち 第6章 ”正しい”暗殺、”正しくない”暗殺 終章 それでも続く暗殺 <内容> 幕末から明治初めにかけての暗殺についてのみ紹介した本。暗殺=いわゆるテロ、だが、伊藤博文や井上馨など、明治の元勲たちもみんな幕末は「テロリスト」。大久保や西郷も然り。自分の考えだけを推し、人の意見は認めない。哀しい時代だったのだ。
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概ね20年間程度になるのだと思うが、幕末から明治維新の“暗殺”という事柄に関する事典のような様相も呈する一冊で、同時にそうした営為の社会での受け止められ方の変遷というようなことも論じられている。これまでに「無かったかもしれない?」という角度から、幕末や維新を論じるということになる...
概ね20年間程度になるのだと思うが、幕末から明治維新の“暗殺”という事柄に関する事典のような様相も呈する一冊で、同時にそうした営為の社会での受け止められ方の変遷というようなことも論じられている。これまでに「無かったかもしれない?」という角度から、幕末や維新を論じるということになるのかもしれない一冊だ。 それにしても、この「幕末・維新」という時期に関しては、驚く程に多くの(未遂も含めた)暗殺事件が発生している。が、それらに関しては少しずつ“性質”を変えながら続いていたという面も在る。そういうことが論じられているのが本書だ。 更に本書は、事件関係者の「扱い」が「後年に如何なった?」に言及が在る。幕末期の色々な事件に関わった人達で、明治時代の或る時期に至って、“功労の在った人物”という取り扱いになって、位階を贈られる、靖国神社に合祀される、場合によって御本人を祭神とする神社が所縁の地に起こるというような例が生じている。或いは立派な墓碑で御本人の事が伝えられているというような例も見受けられる。そういうことが加えられている部分が本書には多い。それも興味深く読んだ。 こういうような「事典的」な要素も在るような形で論じられている一冊は、手元に置いて時折参照して記憶を喚起するために役立たせるという使い方も出来るであろう。 様々な事件に満ちていて、少し「判り悪い?」という感の「幕末・維新」という時期を知る上で、本書は「好き道案内」になり得ると思う。
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面白いし、大変勉強になったのでニ度三度読み返しそう。幕末の敵味方の思想の変遷は不勉強でまだまだ理解が難しいところがありますが、個人的には幕府側に同情的な見方になってしまいます。薩摩・長州はあまり好きになれないなぁ。
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