2000年代海外SF傑作選 の商品レビュー
2023-12-16 「地火」「暗黒整数」以外は初読、のはず。それら含めて確かに傑作選。こららがもう20年近く前とは。 ライアニエミやっぱ好き。量子怪盗の続きが読みたい。
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編者の橋本さんは知らないけれど それなりに海外SFを楽しめた。それなりに? そうだね。あまり響かなかったかな、今回は。シリーズに期待しよう。
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素敵な作家を開拓できる ・懐かしき主人の声 ・第二人称現在形 ・コールダーウォー ・ジーマブルー がお気に入り
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海外作家さんの本を一冊丸々読むのは大変だから、短編集で作家さんの情報を収集できて有難い。 結果どれも楽しかった。
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ちゃんと読むと面白い。私が個人的に好きなのはハンヌ・ライアニエミの『懐かしき主人の声』。猫と主人の哀愁漂う関係性が好きだ。
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粒揃いというか驚きが少ない ストロフ「コールダー・ウォー」が印象深い 似た雰囲気の短編の記憶が微かに残っているけど「ミサイル・ギャップ」だったか?
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鴨的に「80年代SF傑作選」は今でも記憶に残る作品目白押しで、個人的な宝物の一つとして上下巻の初版本を大事に保管しています。 21世紀の年代別アンソロジーはどうかなー、と期待して手に取ってみましたが・・・うーん、正直なところ、「これは!」という作品はなかったですね・・・。いや、どれもSFとして面白いアイディアを提示しているし、「つまらない」というほどではないんですけど、こればっかりは主観的な問題で、鴨的には「綺麗であっさりしすぎている」か「ちょっとやり過ぎでくどい」かどちらかという、両極端な読後感です。「綺麗であっさり」というのは、このアンソロジーに限らずゼロ年代以降のSFでよく感じる印象で、これが時代の雰囲気なのかなー。往年の古き良きSFの噎せ返らんばかりの熱気が嫌いではない鴨としては、どうしても自分のSF者としての歴史を振り返ってしまいますね・・・(^_^; そして、「綺麗であっさり」とは全然違う作風ですが本アンソロジー中で一番インパクトがあったのが、チャールズ・ストロス「コールダー・ウォー」。これ以上ないほどの「出落ちSF」(笑)冷戦下の緊迫した情報戦のやりとりが冷徹な筆致で描き出されていくかと思いきや、「レン高原」という固有名詞を目にして「!!??」と思い、「ショゴス」でトドメですよヽ( ´ー`)ノまさか、あの神話体系の新作をこんなところで拝めるとは。しかも、戦線が激化した結果、「門」の向こうにある惑星に前線基地を建設する、って雪風かよ(-。-)ぼそっ まぁ突っ込みどころ満載で、一周してきて面白かったですわ。 そんなこんなで、読後の印象は「まぁこんなもんかな〜」って感じですが、時代の特徴を掴むツールとしては読んで損はないと思います。 2010年代のアンソロジーも、引き続きチャレンジ予定!
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おもしろかった。総じて読みやすい作品が多かったように思う。イントロダクションの短文も、簡潔に作品にみちびいてくれてよい。 一番好きだったのはグレッグ・イーガン「暗黒整数」。 本編の「ルミナス」を読んでいないし、たとえ読んでいてもやっぱりわからないんだろうと思うけど、それなのにが...
おもしろかった。総じて読みやすい作品が多かったように思う。イントロダクションの短文も、簡潔に作品にみちびいてくれてよい。 一番好きだったのはグレッグ・イーガン「暗黒整数」。 本編の「ルミナス」を読んでいないし、たとえ読んでいてもやっぱりわからないんだろうと思うけど、それなのにがっつりつかまれる面白さだったのがすごい。タイトルもかっこいいし。「ルミナス」読んでからもう一度読みたい。 それから冒頭のエレン・クレイジャス「ミセス・ゼノンのパラドックス」がめっちゃ好き。ショートショートぐらいの長さ(短さ)で、ジョーク話なんだけど、宇宙ゆがんでそうで笑う。 コリイ・ドクトロウ「シスアドが世界を支配するとき」もよかった。これはイーガンとは対照的で、なぜそうなったか、何が起きているのかは一切説明なく、いきなりカタストロフィに放りこまれたシスアドたちの奮闘を描く物語。こういうのもいい。 リウ・ツーシン「地火」 『三体』と同じくあくまでもリアリティに依拠しながら、壮大な世界を描いていく。業火を感じるようなすさまじい描写。 アレステア・レナルズ「ジーマ・ブルー」も、美しかった。原初の場所をたどる欲求は、すべてのものにそなわっているのかもしれない。「加齢飽和した記憶力」というフレーズにイテテとなりました(^_^;; あ、それと、あとがきが続き物になってることに少し心ふるえた(笑) 2000年代のSFを総括してから、「はたして、次の十年、SFはどうなったのか?」(『2010年代海外SF傑作選』に続く)と記されているだけなのですが、あ、読まなくちゃ、と思ったので成功していると思いますw
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アンソロジーなので、必ず当たりはずれ(好みの問題で)があると思っているけど、自分的★5が3作もあったので、アタリ。 リウ・ツーシンは本当にいつでも必ず面白くて驚く。『シスアド~』の超展開もドキドキだし、『暗黒整数』の何が起こってるかよくわからないのにハラハラするところも良かった。実はグレッグ・イーガンは初読みだったけど、さすが。 === エレン・クレイジャズ『ミセス・ゼノンのパラドックス』★★☆☆☆ - ショート。ブラウニーを分けっこしようと半分の半分の半分の…と切ってるうちに分子レベルの分割の話になるというジョークSF ハンヌ・ライアニエミ『懐かしき主人の声』★★☆☆☆ - 犬猫主観。主人が自分のクローンを大量に作っていて、クローンのひとつにハメられた主人を助けようとする。 - 犬猫は抜きにして、自分対クローンのほうにもっとフォーカスして欲しかったかも知れない。 ダリル・グレゴリイ『第二人称現在形』★★★☆☆ - ドラッグ過剰摂取により、別人の意識を持ち本来の自分を別人だと考えてるようになったドリー。意識とは何か科学や宗教も交えながら展開する。 - カウンセリングの末、なんら改善が見られないまま終わる辺りは、下手なハッピーエンドよりは良かった。 リウ・ツーシン『地火』★★★★★ - 炭鉱の劣悪な環境で働き父を失った主人公が、石炭を発掘するのではなく、石炭に火をつけてガス化する手法を提案し、なかば強引に実験を行う。それが災いし、地中火災がおき、その炭鉱は街ごと消失することになる。そんな炭鉱の環境を100年後の子供たちがホログラムによる社会科見学をするシーンに飛ぶあたり、さすがリウ・ツーシン。 - SF感は薄くリアリティーがあり、物語の展開も斬新。面白い。 コリイ・ドクトロウ 『シスアドが世界を支配するとき』★★★★★ - 世界同時多発テロにより、世界中のあらゆる政府が崩壊した時、シスアドたちはサイバー空間が唯一の生き残りであり、サーバースペース共和国と称し、団結を目指す。 チャールズ・ストロス『コールダー・ウォー』★★★★☆ - ロジャー・ジョーゲンセン:CIA - ゴールド・ジュライ・ブージャム:ソ連の極秘兵器 - ソ連のコシチェイ計画:異星生物(生物兵器)を活性化させる計画 - ショゴス(奉仕者):分子を構成要素とするロボットシステム。様々な形になる兵器。村を潰すほどの威力。 - 南極大陸にあるボストーク湖での秘密実験。 - バスラの神殿:異星同士を繋ぐ門。イラクの秘密警察ムハバラートが操作方法を解明 - 冷戦下、アメリカとソ連の秘密戦争にイラクが加わってきた時代。異世界と繋がる門が発見されており、異世界の古代文明である大量破壊兵器や生物兵器を各国が隠し持つ、史実にある冷戦以上の冷戦(コールダー・ウォー)という設定。 - かなり読みづらく、設定の理解ができた頃にはクライマックスで地球がほぼ滅亡してしまうのだけど、長編になっても面白そうな設定だった。 N・K・ジェミシン『可能性はゼロじゃない』★★☆☆☆ - ある時から突然ニューヨークでは、確率的にあり得ないようなことが街中で起こるようになってしまった、という設定は面白かったけど、物語に展開が少なすぎた。 グレッグ・イーガン『暗黒整数』★★★★★ - ブルーノ・コスタンゾ:ぼく。此方側(ニアサイド)の数学者。 - アリスン:此方側。チューリッヒにいる数学者。 - ユワン教授:此方側。上海にいる老齢の数学者。 - サム:彼方側(ファーサイド)で、サムとブルーノは連絡手段を持っている。 - ティム・キャンベル:ニュージーランドの学者。 - 《不備》:理論の矛盾。この存在に気づいているのはニアサイドの3人だけ。 - 此方側と彼方側というパラレルワールドのような関係だが、それぞれは異なる数学理論で世界は成り立っていて、その境界にある矛盾《不備》を利用することで双方に干渉できてしまうことにブルーノ達は気づいた。彼方側は此方側を遥かに凌ぐ力があり、いとも簡単に此方側を潰すことはできるが、彼方側のサムとコミュニーケーションを取り、何者かが境界を飛び越えた。 - 全体的に脳内で映像化不可能だけど、それでも話は見えるところがすごい。 アレステア・レナルズ『ジーマ・ブルー』★★☆☆☆ - 天才芸術家とそれを追い続けたジャーナリストがついにインタビューに取り付ける。
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国産SFアンソロジーの「ベストSF」や「日本SFの臨界点」に比べると、正直イマイチ。翻訳SFってそんなに落ち込んでたっけ? そんな中、テクノロジーの光と影を真正面から描いて、迷いのない「地火」が出色の出来。これが中華SFの勢いというやつか。あとはクトゥルーバカSFの「コールダー・...
国産SFアンソロジーの「ベストSF」や「日本SFの臨界点」に比べると、正直イマイチ。翻訳SFってそんなに落ち込んでたっけ? そんな中、テクノロジーの光と影を真正面から描いて、迷いのない「地火」が出色の出来。これが中華SFの勢いというやつか。あとはクトゥルーバカSFの「コールダー・ウォー」が楽しい。
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