角の生えた帽子 の商品レビュー
ホラーというよりは、純文学的な空気感を感じた。ホラー的な展開ではあるが、市井の人々の暮らしと悲しみを描きつつエンタメとして昇華させている。 著者の文体によるものなのだろうか、静謐な印象を受けた。
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面白かった。ひとつひとつの短編が、読んだあとしばらく余韻に浸りたくなるようなお話だった。設定はありきたりでも演出が良かったと思う。 特に「みどりの吐息」「湿原の女神」が好きでした
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一本の話かと思ったら短編集だった。しかし難しいよね、短編って。良質な短編にはなかなか出会えないからこういった感想にもなる。 12篇の物語のうち、ほう!というのは2、3かなー。夏休みのケイカク、犬嫌い、あなたの望み通りのものを、あたりかな。 全体的にキライではないんだけども、文...
一本の話かと思ったら短編集だった。しかし難しいよね、短編って。良質な短編にはなかなか出会えないからこういった感想にもなる。 12篇の物語のうち、ほう!というのは2、3かなー。夏休みのケイカク、犬嫌い、あなたの望み通りのものを、あたりかな。 全体的にキライではないんだけども、文字通り小品感があって消化不良よね。あら、もう終わりなのね、と。 ちょっと不気味なってところで行くと、世にも奇妙な某の原作みたいな感じだ。サクッと読めるので軽く活字慣れしていきたい時には良いのかな。
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強大なモンスターも派手な怪奇現象も出てこないけど、ただひたすらに気味が悪い感じの「静かな怪異」が日常に滑り込んでくるような話が中心。 でも基本的にただ胸糞悪いだけの話はないので読後感は意外とすっきり。 『世にも奇妙な物語』のコメディ話なしバージョン(感動系は多少あるよ!)みたいな...
強大なモンスターも派手な怪奇現象も出てこないけど、ただひたすらに気味が悪い感じの「静かな怪異」が日常に滑り込んでくるような話が中心。 でも基本的にただ胸糞悪いだけの話はないので読後感は意外とすっきり。 『世にも奇妙な物語』のコメディ話なしバージョン(感動系は多少あるよ!)みたいな感触だった。 同じ状況下なら自分でも普通に抱いてしまいそうなネガティブ感情が話のとっかかりになってるパターンが多くてぞわぞわする……
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短編集とは知らず読んでいましたが,どの作品もスラスラ読めたので楽しめると思います。 自分的には,後編の5作が良かったです。 最後の『湿原の女神』が好きかなぁ。
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これまでに読んだ宇佐美さんの著作の中ではやっぱり『愚者の毒』がいちばん読み応えがあったように思うのですが、短編もお得意の様子。怖さとしてはホラー苦手の私でも全然平気な程度。映像化すればそれなりに怖いでしょうけれど、想像力を働かせて読まなければ夢に見ることもありません(笑)。 嫌...
これまでに読んだ宇佐美さんの著作の中ではやっぱり『愚者の毒』がいちばん読み応えがあったように思うのですが、短編もお得意の様子。怖さとしてはホラー苦手の私でも全然平気な程度。映像化すればそれなりに怖いでしょうけれど、想像力を働かせて読まなければ夢に見ることもありません(笑)。 嫌ミス的なオチもあれば、少し切ないオチも。怨念がその地に棲み着いたかのような話がいくつかあって、ヤン・シュヴァンクマイエルの『オテサーネク』を思い出したりもしました。ちょっと物足りない気もしつつ、サクサク読めてまぁいっか、てな感想です。
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とにかく読みやすくてサクサク進んだ。 飛び抜けて面白い話はなかったけど、イマイチな話もなく平均して面白い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
単行本で読んでいて内容的にはほぼ再読。 新たに収録された三つの短編が、これまたひんやりとした冷たい輝きを放っていて嬉しい。 人の心をざわつかせ、時にゾクリと時にせつなく不意にじんわりと、謎めいた怖さの中に様々な顔を持つ怪談の愉悦にしばし浸った。異彩を放つ「みどりの吐息」、読後の余韻がたまらなく好きな「左利きの鬼」がやはり心に残るなぁ。 ラストを飾る「湿原の女神」の絶望を絶望のままで終わらせないこの上なく爽やかな読後感には改めて驚かされるばかり。
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