みんなの民俗学 の商品レビュー
この本は民俗学では身近な事例を上げて民俗学とはどういうものかと教えてくれる。ちょっと興味を持ったから読んでみた程度の私にはぴったりの本だった。 〇〇学というのはもっと堅苦しく、難しいイメージがあった。 民俗学も深入りすればその他の学問同様に、それを学ぶ人以外には理解できない部分も...
この本は民俗学では身近な事例を上げて民俗学とはどういうものかと教えてくれる。ちょっと興味を持ったから読んでみた程度の私にはぴったりの本だった。 〇〇学というのはもっと堅苦しく、難しいイメージがあった。 民俗学も深入りすればその他の学問同様に、それを学ぶ人以外には理解できない部分もあるのかもしれない。 でも今はこのくらいでちょうどいい。 まさか家でのおまじない的なことまで民俗学の対象になるとは思わなかった。その家独自のものだと思っていたおまじないが、他の多くの家でも少し形を変えて行われている。さらに元を辿れば何故それをするのか理由がある。 もっと学生たちの家での習慣の話なども聞いてみたかった。 紹介されていた事例以外にももっと共通のおまじないやルールが出てきそうである。
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民俗学、と聞くと難しいが要は、内輪のちょっとした伝統とか慣習。 例えば親の叱り方。 我が家では「怖い人」に、家まで来て言う事を聞かない子供を連れて行ってと電話することがあった。 勿論「怖い人」は架空の人物だ。 こういう、架空の人物を使った叱り方をする家庭は案外多いらしい。 筆者はこれも民俗学と言える、と書いていて面白かった。 他にも、消防士やトラックドライバーさんたちの慣習などいろんな視点から、様々なちょっとした伝統をとりあげて、民俗学について面白く書かれていた。 なるほど、身近なちょっとした内輪の伝統=民俗学か。 私の一族が集まったときも、輪になって歌うなど、決まってやる事があるがあれも民俗学に当てはまるなあ。
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ヴァナキュラーといってる。色々と聞き書きが関西なのでおおそうだったのかがいろいろあって楽しい。阪和線の話は漸く腑に落ちましたことでありますよ。きっとほかにもこういうのが沢山あってそれをわかってないのが東えびすということなのだろう。
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民俗学とは何かをやさしく解説した本。古い習慣や伝説だけでなく、新しいものや都会的なものでも、色々な「俗=ヴァナキュラー」が研究対象になる。家庭や学校、職場での身近なヴァナキュラー、喫茶店のモーニングやB級グルメ、パワースポットまで、事例が豊富で分かりやすい。あと遠野物語の「願はく...
民俗学とは何かをやさしく解説した本。古い習慣や伝説だけでなく、新しいものや都会的なものでも、色々な「俗=ヴァナキュラー」が研究対象になる。家庭や学校、職場での身近なヴァナキュラー、喫茶店のモーニングやB級グルメ、パワースポットまで、事例が豊富で分かりやすい。あと遠野物語の「願はくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ」という冒頭が紹介されていて、読みたくなった。
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「ヴァナキュラー」をキーワードにして、民俗学の現在を紹介したたいへんにおもしろい本である。 わたしたちがふだん何気なくしているいかにも身近なところにも、ヴァナキュラーな事象は見出すことができるのである。
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『エチュード春一番 第一曲子犬のプレリュード』(萩原規子)がキッカケで読む事になった『みんなの民俗学』(島村恭則)。 というのも、主人公が日本民俗学研究会に所属してる設定を読んで、 私も大学で学んでいたし、初心に戻ろうと思ったためです。 私は在学時、民俗学を「過去の口頭伝承...
『エチュード春一番 第一曲子犬のプレリュード』(萩原規子)がキッカケで読む事になった『みんなの民俗学』(島村恭則)。 というのも、主人公が日本民俗学研究会に所属してる設定を読んで、 私も大学で学んでいたし、初心に戻ろうと思ったためです。 私は在学時、民俗学を「過去の口頭伝承を探る学問」として捉えていたけど… 本書を読んで〈俗〉の定義をまるでわかってなかった事を知りました。ハズカシ。 以下抜粋です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ❶民俗学は、18世紀のフランスを中心とする啓蒙主義や、19世紀初頭にヨーロッパ支配をめざしたナポレオンの覇権主義に対抗するかたちで、ドイツのヘルダー、グリム兄弟によって土台がつくられた。そしてその後、世界各地に拡散し、それぞれの地域において独自に発展した学問である。 ❷〈俗〉とは、 ①支配的権力になじまないもの ②啓蒙主義的な合理性では必ずしも割り切れないもの ③「普遍」「主流」「中心」とされる立場にはなじまないもの ④(支配的権力、啓蒙主義的合理性、普遍主義、主流・中心意識を成立基盤として構築される)公式的な制度からは距離があるもの のいずれか、もしくはその組み合わせのことである。 さて、この〈俗〉を、現代のアメリカ民俗学では、ヴァナキュラー(vernacular)と呼んでいる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 〈普通〉を押し付けてくる輩はどこでもいらっしゃいますが、 「私にはこれが〈普通〉なのだ」という事はいくらでもあるもの。 それを証明するための学問のように思えてきたな。 まぁ、そんなシビアな内容だけではなく、 「えっ、〇〇ってこう思ってたけど、こんな一面もあってこんなルーツなんだ」という事を知れる面を、 本書は興味深く知れるものでもあるので、 肩の力を抜いて読める一冊でありました。 それまでは「昔話の神秘的な感じを知れて面白い」っていう事ぐらいしか捉えてなかったなぁー。 面白かった。 今回はいろんな物事の過去から今に至るまでにどんな事があったのかを知るものだったので、 次は【今】そして【これから】に関する事を読もうかな。
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私も民俗学は民間伝承のイメージがあったけど、実はすごく身近なもの。 そういえば、うちの高校にもジンクスがあったな。
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序章の概説でしっかり眺め渡した上で、第1部以降、知識を現代にアップデートしていく。 確かに「俗」=ヴァナキュラーと置き換えて理解することで、ぐっと裾野が広がる。 田舎の昔話だけが対象ではなくなるのだ。 西日本の事例が多いのも嬉しい。 岸政彦・編「東京の生活史」も隣接しているのでは...
序章の概説でしっかり眺め渡した上で、第1部以降、知識を現代にアップデートしていく。 確かに「俗」=ヴァナキュラーと置き換えて理解することで、ぐっと裾野が広がる。 田舎の昔話だけが対象ではなくなるのだ。 西日本の事例が多いのも嬉しい。 岸政彦・編「東京の生活史」も隣接しているのではないか。 @ 《目次》 序章 ヴァナキュラーとは〈俗〉である 1 私と民俗学 お祈り癖/ごみ収集車の調査/死が怖い/民俗学と出会う/沖縄に行く/韓国で暮らす/日本での研究 2 民俗学とはどのような学問か? 民俗学はドイツで生まれた/対覇権主義の学問/日本の民俗学 3 ヴァナキュラー ヴァナキュラーとは?/フォークロアからヴァナキュラーへ/民俗学は現代学 第1部 身近なヴァナキュラー 第1章 知られざる「家庭の中のヴァナキュラー」 お母さんが創り出した化け物/気仙沼の海神様/わが家だけのルール 靴のおまじない 第2章 キャンパスのヴァナキュラー 関学七不思議/キャンパス用語/運動部の曲がり角の挨拶 「こんにちはです」/目覚ましは「ごみの歌」 第3章 働く人たちのヴァナキュラー 1 消防士のヴァナキュラー アメリカの消防署/消防うどん/消防めし 2 トラックドライバーのヴァナキュラー トラックドライバーの挨拶/CB無線での会話 3 鉄道民俗学 駅の池庭/段四郎大明神/特急「はと」と青葉荘/切符売りおばさん 4 水道マンのヴァナキュラー 5 裁判官にもあるヴァナキュラー 裁判官の口頭伝承/「伝承」と民俗学 6 OLの抵抗行為 【コラム①】ヴァナキュラーな時間 第2部 ローカルとグローバル 第4章 喫茶店モーニング習慣の謎 1 日本各地のモーニング 愛知県豊橋市/名古屋市/愛知県一宮市/大阪府東大阪市/大阪市生野区 大阪市西区/兵庫県尼崎市/神戸市長田区/広島市中区/愛媛県松山市 2 アジアの「モーニング」 香港は飲茶/ベトナムはフォーやソイ/プノンペンはかゆ バンコクはいつも外食/シンガポールのセルフカフェ 3 モーニングをめぐる考察 なぜ行われるのか?/日本での分布/モーニングの歴史 アジアの中のモーニング/「ヴァナキュラーな公共圏」 としてのモーニング 第5章 B級グルメはどこから来たか? 引揚者の円盤餃子/じゃじゃ麵/別府冷麵/遠野のジンギスカン 芦別のガタタン/室蘭のやきとり/みそ焼きうどん/モーレツ紅茶 【コラム②】なぜ大晦日の夜に「おせち料理」を食べるのか? 第6章 水の上で暮らす人びと 香港の水上レストラン/家船の暮らし/行商船と運搬船/家船の陸上がり 艀乗りからバスの運転手へ/かき船/かき船の陸上がり/ロンドンの運河と水上生活者 第7章 宗教的ヴァナキュラー 1 パワーストーンとパワースポット パワーストーンを信じるか?/個人的パワースポット 2 フォークロレスクとオステンション ぼんぼり祭り/肘神様/アマビエ・ブーム 3 グローバル・ヴァナキュラーとしてのイナリ信仰 【コラム③】現代の「座敷わらし」 【コラム④】初詣で並ぶ必要はあるのか? おわりに 次に何を読んだらよいか/民俗学を大学・大学院で学ぶには/地域で民俗学を学びたい場合 注
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民俗学の俗に焦点を当て、ヴァナキュラーという。とても分かりやすい入門書。 関学キャンパスやモーニング、B級グルメなどあらゆるところにヴァナキュラーがある。身近な例で興味深く面白かった。 支配権力になじまないもの、啓蒙主義的な合理性でないもの、普遍主流でないもの、公式的な制度から距...
民俗学の俗に焦点を当て、ヴァナキュラーという。とても分かりやすい入門書。 関学キャンパスやモーニング、B級グルメなどあらゆるところにヴァナキュラーがある。身近な例で興味深く面白かった。 支配権力になじまないもの、啓蒙主義的な合理性でないもの、普遍主流でないもの、公式的な制度から距離があるもの、そういったものの研究は楽しそうだ。
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民俗の定義のところ、面白く読ませていただきました。 民俗とは何か、民俗学が何を明らかにしようとする研究領域なのか、民俗学に関する書籍を読めば読むほどつかみどころがなくなる、という感じは読後もやはり払拭できませんでしたが。
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