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インド神話物語 ラーマーヤナ(下) の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

失ったものへの執着と被害者意識に囚われていたシュールパナカーが、ラーマに王国を追放されても穏やかな心でいられるシーターとの問答によって内面の美しさを取り戻す話は何度も読み直したくなる。 映画RRRではラーマとシータは結ばれる?からこの神話もそうだろうとなんとなくハッピーエンドを想定していたら、まさかの展開に驚いた。 シーター→規則と国と王族の評価のために無実なのに何度も貞節を疑われ、最後は大地を選んで大地に身を委ねる(大地に呑み込まれる) ラーマ→大地からシーターを取り戻そうとするができず、意欲を失って、シーターの名前を呼びながら川に身を沈め、入水自殺する(水に呑み込まれる) 二人の息子ラヴァとクシャは次の王座を共有し、シーターとラーマを呑み込んだ大地と水は種に芽を出させて花が咲き、実がなる。 それを息子の二人が味わって終わりって!? 2人の息子、片方は聖仙が息子を見失って焦って草から作り出した偽物とも言える子供だから、ここに物語を見出したくなる。

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2022/10/22

下巻ではいよいよラーマが囚われのシーターを救いにランカー島に向かい、物語はクライマックスを迎えます。その盛り上がる展開の合間合間で、愛情を含めた人間の感情よりも義務や規則を重んじるラーマの言動にゾッとしました。あまりに理性的で冷静です。国の統治のために無実のシーターを追放するとこ...

下巻ではいよいよラーマが囚われのシーターを救いにランカー島に向かい、物語はクライマックスを迎えます。その盛り上がる展開の合間合間で、愛情を含めた人間の感情よりも義務や規則を重んじるラーマの言動にゾッとしました。あまりに理性的で冷静です。国の統治のために無実のシーターを追放するところなんか、まるでマキャベリだなと思いました。 そんなラーマを理解して愛情を持ち続けるシーターも悟りすぎという感じですが、全ての規則を捨てて森で生きるところがラーマと対照的です。結局は、ポジティブで人間的な感情を表に出すラクシュマナに1番好感を持ってしまいました。 著者も注釈で述べているように、本書はどちらかというと規則に縛られすぎることの弊害に目がいく構成になっている印象です。

Posted byブクログ

2021/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻で連れ去られ何年も監禁されていたシータをラーマが取り戻して王国に戻るハッピーエンドだと思ってたら全然違った。王国に戻り即位した後シータはラーマとの子を身篭ったものの、無実にも関わらず連れ去られた際の不貞を民に疑われ噂をたてられたため王族の権威を守るため森に追放される。ラーマは王としては正しいことをしたのかもしれないけど何年も思い続けて苦労して取り戻したシータを王国に戻ってきてすぐに追放するなんて流石に切ない…でも離れてもお互いは愛し合っておりラーマは再婚をせずシータの黄金像を妻として側におき、シータもラーマを思い続けて最後は身の潔白を証明するために大地に飲み込まれる。そして上巻に戻る…ってループ。シータ、身に起きたことは全て受け入れてその中で出来ることをするってすごい自立していて賢くて強かった。物語としては滅茶苦茶面白かったしこの訳は読みやすかったと思う。

Posted byブクログ

2021/06/25

自分の好き嫌いではなく、王としてのダルマに生きるラーマ。 全ての物事に対し自然な自己受容をするシータ。 美しい人間の物語です。

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2021/06/05

ラーマーヤナの5巻から7巻まで。 ここにまた新たな物語が完成して次代のラーマーヤナへと循環していく、、、という最後の仕掛けがとてもインド的。

Posted byブクログ

2021/04/01

「ラーマーヤナ」とは「ラーマの足跡」という意味のサンスクリット語である。聖仙ヴァールミーキの作とされ,原典は全七巻よりなる。その成立年代はおよそ紀元後二世紀頃と考えられている。ラーマ王子が皇太子位を目前に王国を追放され,弟ラクシュマナと妻シーターとともに森を放浪するが,シーターを...

「ラーマーヤナ」とは「ラーマの足跡」という意味のサンスクリット語である。聖仙ヴァールミーキの作とされ,原典は全七巻よりなる。その成立年代はおよそ紀元後二世紀頃と考えられている。ラーマ王子が皇太子位を目前に王国を追放され,弟ラクシュマナと妻シーターとともに森を放浪するが,シーターを羅利王ラーヴァナに攫われ,苦離の捜索の末,猿のハヌマーンらの助けを得て妻を取り戻す,というのが大まかな筋書きである。(監訳者あとがき より引用) 「ラーマーヤナ」(Rāmāyana)は,古代インドの大長編叙事詩。ヒンドゥー教の聖典の一つであり,「マハーバーラタ」と並ぶインド2大叙事詩の一つである。 第5巻 期待(木の中の猿/ヴァーナラたちの物語/ラーマの苦悩/胃袋の怪物カバンダ/シャバリーの木の実/ハヌマーン登場/妻を失った夫たち/太陽から得た教訓/ヴァーリの死/キシュキンダーの新たな王/ラクシュマナの激しい怒り/捜索隊/南部の捜索/ハヌマーンの物語/海を渡る/シーター発見/庭園の破壊/ランカー炎上) 第6巻 救出(勝利の帰還/海に架ける橋/リスの貢献/ラーマの頭とシーターの体/ヴィビーシャナ登場/ランカーの密偵/黄金の人魚/ハヌマーンの尾/ラーヴァナとの対決/使者アンガダ/攻撃/シーターの料理/ラクシュマナの負傷/ハヌマーン,救出に向かう/ハヌマーンとバラタの出会い/スロチャナー/クンバカルナ/タラニセン/マヒーラヴァナ/ラーヴァナの妻/青い蓮/ラーヴァナ斃れる/ラーヴァナから知識を得る/ヴィビーシャナの戴冠/火の試練/1000個の頭を持つ悪魔) 第7巻 自由(空飛ぶ戦車/ラーマの償い/バラタを試す/ウールミラーの目覚め/ラクシュマナの笑い/ラーマの戴冠/ハヌマーンの心/ラーマの名/ついに結ばれた2人/ラーヴァナの絵/ラーマの決断/再び森へ/ラクシュマナ,ラーマの決断を伝える/シーターは泣き,シュールパナカーはほくそ笑む/泥棒は詩人となる/シャンブーカ/双子/母なるシーター/ガンダルヴァ/ハヌマーンの「ラーマーヤナ」/ショトルグナは「ラーマーヤナ」を耳にする/アヨーディヤーの芸人たち/ラーマの馬/シーターは母のもとに帰る/ラーマの孤独) エピローグ 地上から再びアヨーディヤーへ

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