他者を感じる社会学 の商品レビュー
『普通』であることとは何か? 自分が思う『普通』ではない人と出会った時に貴方はどうするか。周囲を見てそれと同じ反応をしたり未知なものへの一般的な対応で誤魔化すか。 『普通でないも』のは普段普通だと信じている者たちに恐怖心を抱かせる。その恐怖心の捌け口として排除し、なすりつけ目を...
『普通』であることとは何か? 自分が思う『普通』ではない人と出会った時に貴方はどうするか。周囲を見てそれと同じ反応をしたり未知なものへの一般的な対応で誤魔化すか。 『普通でないも』のは普段普通だと信じている者たちに恐怖心を抱かせる。その恐怖心の捌け口として排除し、なすりつけ目を背ける。 いずれの道も差別しか生まない。 『普通が何であるか』を常日頃から意識しないでいると『普通でないもの』に対して正しい対処は出来ない。 一つの国民であるということはどういうことか、多様性とどう向き合って考えていくのがとても気になった。
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差別問題を考える基本的な視点と近年の重要トピックである問題についてざっと知ることができる。「カテゴリー化」について負の側面だけでなくゴッフマンなどを引きながらカテゴリー化は人間が円滑な社会生活を送る上で必要な行為であるといった社会学らしいものの見方を提示しているのが良い。先行研究...
差別問題を考える基本的な視点と近年の重要トピックである問題についてざっと知ることができる。「カテゴリー化」について負の側面だけでなくゴッフマンなどを引きながらカテゴリー化は人間が円滑な社会生活を送る上で必要な行為であるといった社会学らしいものの見方を提示しているのが良い。先行研究、事例、メディア分析、そして著者自身の体験談などさまざまな角度から語られ、ちくまプリマーでそれだけ幅広に触れるとそれぞれは薄くならざるを得ないが、バランスの良い本だと思う。個別トピックはジェンダー・多様な性、障害、人種・民族、外見など。
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差別問題を社会学的知見で考えられる本。 私たちが持っている性的マイノリティや障がい者の偏見や決めつけを疑い、その人たちを一人の人間として尊重していくことの重要性がわかる。
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「差別は、それが行われた瞬間、どのように私たちが無効化できるのかが重要なのです」(p244) 部落差別をはじめとするあらゆる差別の問題について、真摯にまっすぐ向き合っているようすがとてもよく伝わってくる1冊。 ただ、江戸時代の身分制度のくだりのみ、現在では誤った認識とされる内...
「差別は、それが行われた瞬間、どのように私たちが無効化できるのかが重要なのです」(p244) 部落差別をはじめとするあらゆる差別の問題について、真摯にまっすぐ向き合っているようすがとてもよく伝わってくる1冊。 ただ、江戸時代の身分制度のくだりのみ、現在では誤った認識とされる内容で紹介されていたので、その分だけ星を1つ減らしている。
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差別や偏見はいけないという道徳論ではなく、日常生活にある差別や偏見を社会現象として社会学から捉えている。最後に「差別を考える」でクレヨンしんちゃんの映画の「やわらかいこころ」がポイントとは笑った。
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「差別はいけない」し「自分は差別はしない」で終わってしまいがちだけど、そこから目を逸らさずに掘り下げていくことが大切だと思う。人は、自分とは異なるものや、未知のものに対しては誰でも身構えてしまうもの。 それは仕方ないことだと認めて、差別しないためにはどうしたらいいのか、被差別者...
「差別はいけない」し「自分は差別はしない」で終わってしまいがちだけど、そこから目を逸らさずに掘り下げていくことが大切だと思う。人は、自分とは異なるものや、未知のものに対しては誰でも身構えてしまうもの。 それは仕方ないことだと認めて、差別しないためにはどうしたらいいのか、被差別者側に立って考える必要性を感じました。
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普段の生活の中でふと持ってしまう差別の感情をこれでもかとばかりに事例を挙げ、差別意識を無くすための考え方を説いている。 最近「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」なる言葉も良く聞かれるようになってきた。「昔は許されただろうけど」と、差別発言で叩かれた著名人もいた。 本書...
普段の生活の中でふと持ってしまう差別の感情をこれでもかとばかりに事例を挙げ、差別意識を無くすための考え方を説いている。 最近「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」なる言葉も良く聞かれるようになってきた。「昔は許されただろうけど」と、差別発言で叩かれた著名人もいた。 本書では露骨な差別発言だけでなく、「他者を思いやっているつもりで、実は根底には差別の意識がある」例を「危うさが潜む」という言い方で数多く挙げている。読んでいて、自分にも思い当たる節が多い。 この「危うさ」も、神経質になりすぎると「昔は良かった」ということになりかねない。そのバランスが難しい。人の価値観は時代と共に変わり、かつ人によって感じ方も千差万別だ。 性別、外見、能力など、自分と全く同じ人などいない。つまり、「区別」は本能的に感じるものであり、そこから転じる差別という考え方は決して無くならない。それでも人はその感情とどう向き合うべきか、を分かりやすい言葉で考えさせてくれる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
生き方を考える学問。 社会の様々な場所で生きづらさを抱える人がいる。それを学問として考える。筆者は映画を題材に、身近にこのような問題があることを知っているかと問いかける。なぜ差別は生まれたのか。一度も差別をしたことないか。立ち止まって、考えてみよう。「あたりまえ」を疑ってみよう。
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差別は本当に日常に潜んでいる。自分が“当事者”なので、日常に差別があると感じることがある。“差別は特殊な人しかしないもの”“普通という枠組みは果たして存在するのか”など考えながら読んだ。ただ、具体的な筆者の旅行時の体験談や、映画を例に挙げた話がかなり多く、本質になかなか迫っていか...
差別は本当に日常に潜んでいる。自分が“当事者”なので、日常に差別があると感じることがある。“差別は特殊な人しかしないもの”“普通という枠組みは果たして存在するのか”など考えながら読んだ。ただ、具体的な筆者の旅行時の体験談や、映画を例に挙げた話がかなり多く、本質になかなか迫っていかず、冗長だと感じた。わかりにくい文も多く、読むのに時間がかかった割に、得られるものは多くなかった印象。
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人が人を差別する背景や理由を考える一冊。 普段、他人や異なる考え方にフラットに接したいと思いながら偏見にまみれて過ごしている我が身にとっては、なかなか「それでいいのか」と突っ込みたくなる。突っ込みたくなる時点で、ある種の偏見に囚われているわけだけど。 でも歴史的に積み上げてきた文...
人が人を差別する背景や理由を考える一冊。 普段、他人や異なる考え方にフラットに接したいと思いながら偏見にまみれて過ごしている我が身にとっては、なかなか「それでいいのか」と突っ込みたくなる。突っ込みたくなる時点で、ある種の偏見に囚われているわけだけど。 でも歴史的に積み上げてきた文化もすべて見直さないとフラットにはならないよなぁ。それはそれでどうなんだろう?
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