火定 の商品レビュー
2020/6/20 すごいものを読んでしまった気分。 新型コロナの流行を機に読もうと思ったあるあるパターンです。 寧楽(なら)、つまり奈良時代の天然痘パンデミックもの。 奈良時代の天然痘ともなると現代の新型コロナよりかなりエグい描写の地獄絵図が繰り広げられる...
2020/6/20 すごいものを読んでしまった気分。 新型コロナの流行を機に読もうと思ったあるあるパターンです。 寧楽(なら)、つまり奈良時代の天然痘パンデミックもの。 奈良時代の天然痘ともなると現代の新型コロナよりかなりエグい描写の地獄絵図が繰り広げられるわけですが、乱世の人心は現代にも通じるものがあるんだろうね。 本の紹介に「光と闇」とありますが、光みたいなものも確かに感じた。 医療従事者の志が尊かった。 澤田瞳子さん知らなかったので他のも読まなければ。
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字が大きいので早く読み終わるかなと思いきや、人名や役職や物の名前などが昔風なので読みづらい。 最初は文句ばっかりの兄ちゃん。疫病を通して色んな経験をしながら、「医者とは何か」「人の死の意味とは」みたいなことを考えるようになっていく。 予想外の展開やどんでん返しみたいな盛り上が...
字が大きいので早く読み終わるかなと思いきや、人名や役職や物の名前などが昔風なので読みづらい。 最初は文句ばっかりの兄ちゃん。疫病を通して色んな経験をしながら、「医者とは何か」「人の死の意味とは」みたいなことを考えるようになっていく。 予想外の展開やどんでん返しみたいな盛り上がりはない。だけど話は現実味があり上手くまとまってるし、冤罪で捕まって捻くれて拗らせてるお爺ちゃんの復讐(?)も上手く行きそうだからスッキリと読み終えられた。 でも読み返すことはないかも…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
目まぐるしくストーリーが動くので一気に読んだ。コロナ禍経験済なので医療崩壊や詐欺やヘイトや社会の歪みが顕在化する様は最早懐かしかった。 登場する奈良人達の感性が妙にナウいのと、天然痘でバタバタ死んだ人達を「この世の業火に我が身を捧げる、尊い火定」と綺麗に纏めようとするノリがちょっときつかった。天然痘が数十年前にも都で蔓延したと言ってるのにそれを登場人物の殆どは知らないし対応も生かされてない様子を描いておきながら「無惨な死を遂げた人々の記憶は、後の世に語り継がれ、やがて別の人々の命を救う」ってしんみりしちゃって…主人公はこう思っただけだよ!ってことね、と流せば良いんだけども。 この作品における坊主やペルシャ人のように、分かり易く口当たりの良い悲劇に焚べる薪みたいに人の死が描かれると作者への信用が失われて白ける。 まぁ、面白かったんだけどさ…
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天平の時代の天然痘パンデミックの話 これが出版されたのはコロナパンデミックの前 起こる事態が想像できすぎて辛い。 よく生き残って今の命に繋げてくれたなと思う、先祖様。
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すごくグロテスク。現実にはもっともっと残酷なことはたくさんある。でもフィクションであるからには、ここまで残酷なエピソードを並べるのなら、それでも読んでよかったと思える説得力が欲しかった。僧侶をあそこまでひどい目にあわせる必要あった?!その割に、濡れ衣薬師の報われ方が雑に手厚くて、...
すごくグロテスク。現実にはもっともっと残酷なことはたくさんある。でもフィクションであるからには、ここまで残酷なエピソードを並べるのなら、それでも読んでよかったと思える説得力が欲しかった。僧侶をあそこまでひどい目にあわせる必要あった?!その割に、濡れ衣薬師の報われ方が雑に手厚くて、無性に気にくわない。
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天平の平城京で巻き起こった 天然痘パンデミックの話。 本望でなく医療に従事している名代と 志を政治に翻弄され 医者としての役目を放棄した諸尾。 ふたりを軸に都の混乱が どうやって広まっていったのか描かれる。 どのキャラも二面性があって 諸尾を詐欺に引き込む有須は悪党だけど 同...
天平の平城京で巻き起こった 天然痘パンデミックの話。 本望でなく医療に従事している名代と 志を政治に翻弄され 医者としての役目を放棄した諸尾。 ふたりを軸に都の混乱が どうやって広まっていったのか描かれる。 どのキャラも二面性があって 諸尾を詐欺に引き込む有須は悪党だけど 同房だった虫麻呂を見捨てないし 懸命に治療を続ける施療院の関係者でも いざ自分が罹患するかもと思ったら 恐怖で逃げ出す。 さまざまな人間の業があらわになって しんどい展開ではあったけど そんな中で生きていくことの力強さも 感じられた物語でした。
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知り合いから勧められて読み始めたが一気読みしました。奈良時代の天然痘のパンデミック… 今の時代にあまりにもリンクし過ぎて戦慄を感じざるおえない… 医師の使命感…市井の人々…色々な思いやそれぞれの行動が交錯して一級の時代小説に仕上がっている。かなり読み応えがありました。
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一気に読み終わりました。 いやぁ、もう、言葉を失ってしまうほど激動の物語。 人のなんと脆く強く温かいのでしょうか。 コロナ渦の今だから、なお響いたのかもしれません。 人の弱さ強さも生死も、全てが紙一重。 この積み重ね、犠牲や痛みの上に今の我々があると痛感し感謝の念。 医療従事する...
一気に読み終わりました。 いやぁ、もう、言葉を失ってしまうほど激動の物語。 人のなんと脆く強く温かいのでしょうか。 コロナ渦の今だから、なお響いたのかもしれません。 人の弱さ強さも生死も、全てが紙一重。 この積み重ね、犠牲や痛みの上に今の我々があると痛感し感謝の念。 医療従事する全ての方へ感謝。
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奈良時代の天然痘のパンデミックのお話でコロナ禍の今と通じる部分があった。見えない恐怖に対してパニックになり、何かにすがろうとしたり、何かを悪者にして攻撃したりする大衆心理が、グロテスクな表現で描かれている。医者の矜持も素晴らしいと思った。
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コロナで闘う現代、もっともっと前の流行病のあった時代のお話。 目に見えない敵を相手に人は優しくも愚かで弱い。
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