サード・キッチン の商品レビュー
知らない世界の話ばかりで最初から最後まで刺激を受けながら楽しめた。「私たちが見ている世界はちょっとずつ違って、知り合うことで相手の眼鏡を通した世界も少し見える。」このセリフに集約されている。偶然手に取った本だけど読んで良かった。偶然に感謝します。
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読んで良かった。久しぶりに沢山考えて、感じて、エネルギーを使いました。 ブレディみかこ著「僕はイエローで~」、朝井リョウ著「正欲」と合わせて読んでほしい。 英語が拙くて孤独感じるナオミ。 みんなの会話スピードについていけない孤独、思いをうまく言葉に出来ない悔しさ、周囲に軽んじられる苛立ち。 そんな気持ちを抱えながら多人種、多文化のなかで学校生活を過ごすうち、「自分も無意識に差別をしているのでは?」「他者をステレオタイプに当てはめてるのでは?」と、疑念をもつ。 自国・他国の歴史についての無知を知り、自分を卑下して恥じるナオミ。 マイノリティが集まる「サードキッチン」で安心と友を得て、浮き沈みしながら自分を取り戻していく。そして今まで意識していなかった物事の側面や視点を知ることで迷いや新たな悩みもでてくる。 ナオミと一緒に「マイノリティ」「差別」についてずっと考えていると、段々頭の中がグルグルしてきました。 『無知や無自覚は罪』 『無知や無自覚によって、結果的に人を差別する』 刺さりました…。 無知の根幹に教育制度があったとしても、知ろうとすること・学び直そうとすることをしなかったのは自分。 考えること。考え続けることが大事。 読んで良かった。今からでもいろんな事を知っていかなくてはと感じました。 最後に久子さんに宛てた手紙に、ナオミの成長を感じてしんみり。 『私たちが見ている世界はちょっとずつ違って、知り合うことで相手の眼鏡を通した世界も少しは見える』
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今まで避けてきた内容。戦争とかステレオタイプとか。苦しかったけど読めてよかった。自分の無知さ加減を痛感
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都立高校を卒業しアメリカ留学した尚美は拙い英語のせいで孤独な日々。どん底に現れた美味しくてあたたかい食事と人種も性別もバラバラの学生たちが、彼女を変えていき……感動の青春成長譚!(e-honより)
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おもしろかった!人種や言語はもちろん生育環境や考えがちがうひとたちと関わる際に生まれる偏見や葛藤や摩擦がいきいきと描き出されていた。 モデルがいるのかな?と思わされるような留学生活のリアルな描写や、「わたしも入りたい!」と共感してしまうサード・キッチンの魅力的な描写がよかった。
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謎の老婦人「久子さん」の援助を受けて米国の大学へ留学した尚美。だが語学力不足で友人もできず、孤独をかみしめる日々を送っていた。そんなある日、さまざまなマイノリティが集まり運営する学生食堂「サード・キッチン」と出会う…。 言葉の壁や、日本人留学生同士でも考え方の違いに悩む尚美の姿...
謎の老婦人「久子さん」の援助を受けて米国の大学へ留学した尚美。だが語学力不足で友人もできず、孤独をかみしめる日々を送っていた。そんなある日、さまざまなマイノリティが集まり運営する学生食堂「サード・キッチン」と出会う…。 言葉の壁や、日本人留学生同士でも考え方の違いに悩む尚美の姿がリアルで身につまされる。多様なルーツや性的指向、経済的背景をもつ学生たちと交流する中で、自分自身の無知や偏見と向き合っていく彼女。その成長に著者の願いがこめられているように感じた。
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サード・キッチン 白尾悠さん。 アメリカの大学に留学している 日本人、ナオミのお話。 初めは、 英語が通じず、何もかもうまくいかなくて、 読んでいるこちらまで、 ハラハラしてしまった。 サード・キッチンで、 いろいろな国の、 とてもステキなお友達に出会い、 ナオミは変わる。...
サード・キッチン 白尾悠さん。 アメリカの大学に留学している 日本人、ナオミのお話。 初めは、 英語が通じず、何もかもうまくいかなくて、 読んでいるこちらまで、 ハラハラしてしまった。 サード・キッチンで、 いろいろな国の、 とてもステキなお友達に出会い、 ナオミは変わる。 でも、 いろいろな国の歴史や差別や偏見。 またまた、悩む。 他の国の子たちは、 自国の歴史をよく学んでいる。 はたして、日本は、どうだろう? 考えても、わからない。 終わりない。 でも、考え続けるしかない。 大きなスケールの物語。 若い学生さんが読んだら、 外国。留学。 興味が出るかも。 怖いけど、飛び込んでみたい。気持ちになる。
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最初は留学の現実を突きつけられたようで穏やかな気持ちで読めなかった。サードキッチンに入ってからだんだんなおみ自身が変わっていく様子が見られて、なおみのたくましさや強さを実感することができた。無知であっても無関心にはなりたくないと思った。
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アメリカの大学に留学しているナオミ。 他の留学生や日本人は、皆インターナショナルスクール出身者や帰国子女ばかりで、日常生活から困るレベルの英語力の人はナオミくらい。 英語ができないイコール子ども、頭が悪い‥‥という扱いを毎日受ける。 ルームメイトともうまくいかず、鬱々とした日々。...
アメリカの大学に留学しているナオミ。 他の留学生や日本人は、皆インターナショナルスクール出身者や帰国子女ばかりで、日常生活から困るレベルの英語力の人はナオミくらい。 英語ができないイコール子ども、頭が悪い‥‥という扱いを毎日受ける。 ルームメイトともうまくいかず、鬱々とした日々。 そんな時にマイノリティ学生のための食堂“サード・キッチン“に出会い居場所を見つける。 やっと友人ができる!と思ったのも束の間、自分の中の差別の心に気付き、悩み、自己嫌悪に陥るナオミの姿、痛いほど理解できた。 マイノリティといっても様々。国籍だったり、肌の色だったり、経済状況だったり、性指向だったり。 サード・キッチンで癒されている自分も、過去の戦争で日本が他の国の人々を傷付けてしまった事実をきちんと学習してこなかったせいで、そうとは知らずに人を傷付けてしまうことがある。 自分とは違う性指向の人を我知らず拒絶してしまうことがある。 「ステレオタイプ、見慣れないものへの恐怖、無知と無意識の忌避‥‥自分の中に、やはり差別心としか呼びようのないものが巣食っている」 差別された自分も持っている他人への差別心。 ナオミの気持ちが痛いほど分かる。 「forgiven(許されている) どうして与えること(give)が許すことなのか」 とても深みのある一冊でした。 私自身の無知や無関心もグリグリ抉られている気がして目を背けたくなってしまうこともしばしば。 若い人たちが、傷付きながら成長していく姿‥‥読んで良かったです。
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図書館でみつけて、タイトルから美味しそうな雰囲気がして借りてみました。 読んでみると、海外留学した日本人の女性が主人公。 各章のタイトルやサブタイトルから、海外っぽい読み物感もあり、でも、日本人留学生だからこその葛藤も描かれていて、絶妙なバランスで。海外ドラマを本で見ている・読んでいる感覚もあり、今までこのような感じの小説は読んだことが無かったので新鮮で楽しかったです。 海外に行ったことも留学したこともないですが、たんに楽しそう、って思ってたものの、こういったリアルな現状もあるのかなと思いました。海外で感じる疎外感、孤独感・・・
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