統計学を哲学する の商品レビュー
確率や統計に接していて常々疑問に思っていたことが、本書で述べられていた。本書の読了後、統計処理をしていていろいろと腑に落ちることが多くあった。
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哲学者というのは99%は価値のない研究をしているが、数学や物理学(特に量子力学)を対象とするとなんかすこしカッコよい感じがする。まったくの勘違いなのであるが。 高度に抽象化された数学は哲学と同一視されるという暴論をよく聞くが、全くのお門違いであると言いたい。 本書は対象が確率で...
哲学者というのは99%は価値のない研究をしているが、数学や物理学(特に量子力学)を対象とするとなんかすこしカッコよい感じがする。まったくの勘違いなのであるが。 高度に抽象化された数学は哲学と同一視されるという暴論をよく聞くが、全くのお門違いであると言いたい。 本書は対象が確率である。なるほど、確率ほど数学が哲学チックになる分野はないね。 「明日の天気は30%の確率で雨です。傘を念のため持っていくと良いでしょう」とお天気キャスターはいう。 30%の確率で雨。 これはいったい何を主張しているのだろうか。 仮に明日を何回も試すと(数学では試行と呼ぶ)、10回中3回は雨になる、といっているのであろうか。 それとも、今日の気圧配置を時間発展させると(つまり時間依存の方程式を数値的に解く)100回のシミュレーションで30回は雨になりました、ということでしょうか。 哲学者が良く使う難解な言葉でけむに巻く論調。正直言ってもううんざりです。 そんな時間があるのであれば哲学よりも数学を学びましょう。
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存在論、意味論、認識論という3つの哲学的観点から、ベイズ統計、古典統計、モデル選択、深層学習、因果推論などの個別的な統計的手法について哲学的含意を考察。 統計学と哲学がこんなに密接に絡んでるということが新鮮だった。 ただ、凡庸な自分にはかなり難解で、正直、全体の30%も理解できて...
存在論、意味論、認識論という3つの哲学的観点から、ベイズ統計、古典統計、モデル選択、深層学習、因果推論などの個別的な統計的手法について哲学的含意を考察。 統計学と哲学がこんなに密接に絡んでるということが新鮮だった。 ただ、凡庸な自分にはかなり難解で、正直、全体の30%も理解できていないと思う。
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存在論・意味論・認識論で統計を考える。 存在論は、統計が表そうとするものを。意味論は、統計に基づく結論がもたらす意味を。認識論は、統計手法がどのようにデータを認識するか。 検定、ベイズ統計、ディープラーニング、因果推論あれやこれやを哲学で考えたときに、何が分かりますか分かりません...
存在論・意味論・認識論で統計を考える。 存在論は、統計が表そうとするものを。意味論は、統計に基づく結論がもたらす意味を。認識論は、統計手法がどのようにデータを認識するか。 検定、ベイズ統計、ディープラーニング、因果推論あれやこれやを哲学で考えたときに、何が分かりますか分かりませんかみたいな。 例えばベイズ主義と頻度主義を認識論で考えるときに出てくる課題。前者は推論に対する信念から内在的な認識を行うので、現実との一致を検証する必要性がある。後者は検定プロセスの妥当から外在的な認識を行うので、検定結果に現れないプロセスを検証する必要がある。 数式でなんとなく分かった気になってる統計学を論理的に整理すると、膝を叩くような観点がたくさんあった。
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統計学を学んでいく途中でいつのまにか頭の中に出来上がっている世界観のひとつひとつに、哲学の単語が当てはめられていく感覚が心地よい。(と感じられる人には良い本だと思います。そうでない人には苦行かもしれない) ただ、流石に専門外の分野の記述では読むスピードが明らかに落ちる。統計学か...
統計学を学んでいく途中でいつのまにか頭の中に出来上がっている世界観のひとつひとつに、哲学の単語が当てはめられていく感覚が心地よい。(と感じられる人には良い本だと思います。そうでない人には苦行かもしれない) ただ、流石に専門外の分野の記述では読むスピードが明らかに落ちる。統計学か科学哲学、どちらかに対する知識は欲しいところ(両方とも初学だと途中で諦めてしまいそう。それでも第1章はスムーズに読めるかも)。
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アカデミックの世界にいると、どこかベイズ主義統計学が頻度主義統計学に勝っているかのよう考えられている風潮がある。 それはベイズ統計学を使えば不確実な事象が起きる確率を、不確実性を考慮に入れたまま調べることができるからだ。 しかし,ベイズ統計学的な解釈では、どこかの時点に何かし...
アカデミックの世界にいると、どこかベイズ主義統計学が頻度主義統計学に勝っているかのよう考えられている風潮がある。 それはベイズ統計学を使えば不確実な事象が起きる確率を、不確実性を考慮に入れたまま調べることができるからだ。 しかし,ベイズ統計学的な解釈では、どこかの時点に何かしらの特異点が存在して、それまで1/6の確率で各目が出ていたサイコロが突然6の目しか出ない状況が発生しないとは言い切れない。 そういった異質な事例を排除するために、得られたデータがある特定の確率分布に独立に従っている(iidである)と共通の認識として措定することに頻度主義統計学の意味があるといった話はものすごく納得できた。
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統計学も哲学も中途半端な自分にとっては、途中でギブアップ。面白いともつまらないとも言える域に至ってないことを自覚した。
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統計学だけでなくプロセス信頼性、徳認識論など現代認識論の諸理論と統計学の各手法を絡めて説明している点がとても面白かった。 今時の統計を実務的に扱っている人は頻度主義・ベイズ主義という考え方よりプラグマティックにどの手法を用いるかを判断している事が多いのかな?と感じるが、各手法の認...
統計学だけでなくプロセス信頼性、徳認識論など現代認識論の諸理論と統計学の各手法を絡めて説明している点がとても面白かった。 今時の統計を実務的に扱っている人は頻度主義・ベイズ主義という考え方よりプラグマティックにどの手法を用いるかを判断している事が多いのかな?と感じるが、各手法の認識論的、存在論的、意味論的な含意について問いかけてみるのはふと自らの行なっていることに疑問を抱いたときに考えを深める足場になりうるのではないかと感じた。
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本書は統計学(や機械学習などデータサイエンス)に関する哲学的アプローチによる解釈を提示した本である。特に、統計学における前提に着目し掘り下げて批評している内容となっている。自分にとっては長年なんとなく腑に落ちなかった統計学の前提に関して理解を深めることができたためとても有用な一冊...
本書は統計学(や機械学習などデータサイエンス)に関する哲学的アプローチによる解釈を提示した本である。特に、統計学における前提に着目し掘り下げて批評している内容となっている。自分にとっては長年なんとなく腑に落ちなかった統計学の前提に関して理解を深めることができたためとても有用な一冊となった。これまであまりこのような本に出会ったことがなかったため、とても勉強になった。 ちなみに、各章ごと扱う統計学のテーマの概念的説明が前半部分でなされているが、その解説が平易かつわかりやすいものであるため、統計学にあまり馴染みのない人でもこの箇所を読むだけである程度の理解をすることができる。そのような統計学のオーバービューも本書で身につけられることができるため、そういった価値もあると感じた。
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https://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-1003-0.html http://www.philosophy.bun.kyoto-u.ac.jp/junotk/philosophyzingstatistics.html
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