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猫だましい の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2021/01/03

闘病記というより病院医師観測記録と猫との生活が赤裸々に語られていて,とても良く分かるうえ,辛かったことを笑いの中に収めていく姿勢が素敵だ.

Posted byブクログ

2020/12/28

以前読んだ「それでも猫は出かけていく」と同じく猫話だろうと思って読み出したら、まったく違っていた。冒頭いきなりステージⅣの大腸癌(内視鏡が途中で入らなくなるくらい巨大な癌!)と診断された時の話から始まる。なんとこれは闘病記なのか、と思いきや、告知を受けての感想は「あー、やっちまっ...

以前読んだ「それでも猫は出かけていく」と同じく猫話だろうと思って読み出したら、まったく違っていた。冒頭いきなりステージⅣの大腸癌(内視鏡が途中で入らなくなるくらい巨大な癌!)と診断された時の話から始まる。なんとこれは闘病記なのか、と思いきや、告知を受けての感想は「あー、やっちまったー」。やっちまった? 著者は、1年前に酔っ払って自転車で転倒して大腿骨を骨折し、人口股関節置換手術を受けたそうだ。さらに5年前には乳癌で片方を全摘出していると。「あ~また入院か、面倒臭いなあ」という意味で「やっちまった」ということらしい。ふつうの人ならこれ、かなりガックリくる状況のはず。気の小さい私なんかだったら、衝撃を受けて絶望し「なんで私ばっかりこんな目に」と、わが身を憐れみ運命を呪い、ありったけの涙を流すことだろう。 ところがハルノさんの書きぶりには、まったく深刻な感じがない。かといって、無理矢理なポジティブ思考が語られるわけでもない。「起きてしまったことは仕方がない、とりあえず現実に対処していくけど、もううっとうしいわあ」くらいの受け止め方なのだ。読み進めるほどに、尋常ではない肝の据わり方に感嘆するばかり。ご本人はこういう言われ方はイヤだろうが、さすが吉本隆明の娘である。 「それでも猫は~」とは語り口もまったく違っていて、ちょっと乱暴とも言える江戸っ子風。以前清水ミチコさんが、「東京生まれの女性は、アキラメが早いのが特徴のような気がします」「物事にぶつかったらすぐに、『そりゃ、しょーがないじゃない』つってカラッと次に行く」「しがみつかないあのカンジ」と書いていたが(例にあげられていたのは、黒柳徹子さん、松任谷由実さん、矢野顕子さん、酒井順子さんなど)、ハルノさんもそういう感じが濃厚にする。

Posted byブクログ