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サド侯爵夫人 わが友ヒットラー 新版 の商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

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2024/02/18

昔、シェイクスピアの和訳本を読もうとして挫折した演劇調の本。そうとは知らずに購入して、開いて、読みきれるかなと不安に思ったけど…結果的には面白かった。 舞台の(ステージの)情景が想像できた気がするし、内容も歴史上の世界観の断片的な場面に興味をそそられた。

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2024/01/12

三島由紀夫の戯曲2篇。小説に比べると、戯曲作品の方がプロデュースを意識している為かタイトルからして戦略的だ。

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2021/11/21

サド侯爵夫人が面白かった。我が友ヒトラーは当時のナチスの時代背景が分かっていないと、十分に楽しめない。

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2021/05/19

点数が3なのは読者(つまりは私)の問題。登場人物の描写や台詞選びはさすが三島由紀夫であるが、戯曲向けの作品であるがゆえに印刷本として読んだとき面白いかというと、、、それほどであった。

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2021/03/25

三島の戯曲の代表二編。「サド侯爵夫人」は澁澤龍彦の「サド侯爵の生涯」を読んで書いたそう。「サド侯爵夫人」には6人の女性だけで構成されたものでサド侯爵自身は最後に仄めかす程度にしか登場しない。獄中にいる夫を待ち続け、いそいそと彼の元へ訪問していた妻ルネ。それが一転、夫が晴れて自由な...

三島の戯曲の代表二編。「サド侯爵夫人」は澁澤龍彦の「サド侯爵の生涯」を読んで書いたそう。「サド侯爵夫人」には6人の女性だけで構成されたものでサド侯爵自身は最後に仄めかす程度にしか登場しない。獄中にいる夫を待ち続け、いそいそと彼の元へ訪問していた妻ルネ。それが一転、夫が晴れて自由な身となると彼女は彼を捨てるように修道院へ入る――何が彼女をそうさせたのか、三島はその謎を本作で論理的に解明を試みたという。個人的にはルネは苦しみに耐えている自分、受苦というものがなければ生きられなかったのではないかなと思いました。耐える苦しみが夫への愛の形であり、苦しみが高じれば高じる程に強い情愛を錯覚してしまう。それが夫の自由の獲得と共に夢から覚めたようになって、ルネは夫諸共世俗を捨てるに至ったのではないかなと思いました。「わが友ヒットラー」は1934年のレーム事件を題材にしたもの。こちらは言い回し、台詞が素晴らしく美しい。勿論、構成も。三島が好きであろう、澄み切った美しい男の世界を描いています。レームの盲目的なヒットラーへの友情、友愛は悲しいくらい。三島の創作だという「アドルストの鼠」の挿話がまた良い。このほのぼのとした挿話がレームの悲劇を際立たせているように思う。最も信頼し、友として愛した男の命によって殺されたレーム。彼はそれでもわが友ヒットラーを信じ続けただろうか。

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2021/02/24

暴力的な性行為サディズムはマルキドサド侯爵由来、この恐ろしく残忍な実在した人物から着想し関わりある女性だけ6人で演じる「サド侯爵夫人」1934年ナチスヒットラーが党内極右勢力、極左勢力を粛清し中道路線へ進むレーム事件を男性だけ4人で演じる。演者に頼らない三島由紀夫戯曲は凄い。

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2021/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『サド侯爵の生涯』澁澤龍彦 『アドルフ・ヒットラー』アラン・ブロック から着想を得て書かれた、三島が「一対の作品」と 言うように見事な対になっている作品。 それぞれの作品のサド侯爵夫人(ルネ)とレーム が自分の信条を譲ることなくわが道を進んでいく あたりは内容は全く異なりますがジッドの 『狭き門』を思い出しました。 ぽんぽんと会話のみのやり取りが続く戯曲を 読むのは苦手なんですが、この二作品は 一人の口上が長く読みやすかったです。 『わが友ヒットラー』で扱われているレーム事件を 今回初めて知りました(-_-;)まだまだ不勉強です。

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2020/12/20

1960年代に書かれた二本の戯曲のカップリング本。 一方はフランス革命前後のフランスを舞台に、 マルキ・ド・サドを巡る――本人不在の―― 女たちの感情のぶつけ合い、 他方は二つの世界大戦間期、 首相に任命されたナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーと、 彼を取り巻く男らの腹の探り合い...

1960年代に書かれた二本の戯曲のカップリング本。 一方はフランス革命前後のフランスを舞台に、 マルキ・ド・サドを巡る――本人不在の―― 女たちの感情のぶつけ合い、 他方は二つの世界大戦間期、 首相に任命されたナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーと、 彼を取り巻く男らの腹の探り合い。 片や花、片や鉄のイメージだが、 さながら二幅対といった趣で好対照を成し、 どちらも緊張と陶酔に充ち満ちている。 薄い本だが熱量は凄まじい。 ■サド侯爵夫人(1965年)  長女ルネの夫=  ドナチアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド侯爵の悪行と、  その刑罰のことで気を揉むモントルイユ夫人と、  あくまで夫を庇おうとするルネ。  それぞれの人生哲学を戦わす壮絶な母娘喧嘩を経て、  革命の最中、ルネが見出した真理とは――。  ※モントルイユ夫人の相談を受ける悪徳の貴婦人、   サン・フォン伯爵夫人の妖艶さ、気風のよさが魅力的。 ■わが友ヒットラー(1968年)  1934年6月、ベルリン首相官邸。  アドルフ・ヒトラーを巡る男たちの友情と陰謀と裏切りを描く。  ト書きは極端に少なく、四人の登場人物――  殊にナチス私兵・突撃隊幕僚長エルンスト・レームと  左派グレゴール・シュトラッサー――の  熱っぽいセリフが綾なす会話劇。

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