禁色 新版 の商品レビュー
主人公の男が完璧な美貌の青年と契約してかつて自分を苦しめた3人の女に復讐する話。 この話の面白いところは、その美青年がゲイで、女を好きになることはないけど、女の旦那とかいろんな男性と関係を持つようになるとこ。 この時代にこんな濃密な同性愛小説があったとは。
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今作が発表されたのが1951〜1953年。作品の持つ力が未だ衰えていない。ただそれはそれで社会的に問題な気もする‥‥
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今まで読んだ小説の中で一番難しかった。いつか、読みこなせるようになりたい。ただ、文体の美しさは今の私にも分かる。格調高く、読み応え抜群。登場人物それぞれの思惑の交錯など、あんなにも複雑に描き切れるものなのか。尋常ではない。
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橋本治さんが「源氏供養」で 源氏物語を意識している作家として、 三島由紀夫を挙げ(瀬戸内寂聴さんも)、 その作品は『豊穣の海』 皇族の婚約者となった幼馴染の女性と禁断の恋をして、 懐妊させてしまうという、藤壺と源氏のようなストーリー 結果は全然違っているけれど。 そして、男が...
橋本治さんが「源氏供養」で 源氏物語を意識している作家として、 三島由紀夫を挙げ(瀬戸内寂聴さんも)、 その作品は『豊穣の海』 皇族の婚約者となった幼馴染の女性と禁断の恋をして、 懐妊させてしまうという、藤壺と源氏のようなストーリー 結果は全然違っているけれど。 そして、男が敢然と複数の恋愛をする物語として 挙げられていたのが、この『禁色』 見る人すべてを虜にする絶世の美青年が、 複数の女と複数の男を相手に、関係をもっていく。 光源氏のような圧倒的な美的魅力を持っている青年。 実はゲイで、男性とは性的欲望に根ざす関係だが 女性に対しては復讐のような捻じれた関係。 やっぱり暗い 源氏物語は、 平安時代の「色好み」文化とのせいだろうか 光源氏が次から次へと女性と関係をもっても 暗さはほとんど感じない。 藤壺との密通のみが暗さを感じさせるものの 人妻を手籠めにするのも、レイプまがいの行為も 批判めいたことは書かれていないし そもそも「愛」があるかなんて問題にもなっていない 禁色と、源氏物語は、全く違う 基になっている価値観が全く違うのだから当たり前か
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ドリアン・グレイの肖像」を下敷きにしていると聞いたので読んでみた。「ドリアン」と同じく、男性の見た目の美しさに固執する人々と男色の話であるが、「ドリアン」が男色には明らかには言及していないのに対し、こちらは露悪的なまでに男色描写が続いてちょっと読むのがつらかった。19世紀には書けなかったことが、今(1950年代)はここまで書ける!ってことなのだろうか。いやでもほんと読むのがしんどかったです。 あと、「ドリアン」では美しい主人公は一度は婚約するものの結婚には至らないのだが、こちらは結婚して子どもまで生まれている。ミソジニー全開なのによくもまあと驚いた。これは三島の周囲のリアルだったのだろうと思った。 それにしても、ホモセクシュアルの一番危険な点は年少の同性の同意をどのように得るのかという点だとしみじみ感じた。知識や考えの浅い立場・弱い立場の人間に対して、暴力以外のいろんな力関係によって本人でさえ無理強いされていると気づかないまま行為を迫る場面が本書の中だけでも数限りなく出てくる。衆道的に教え導くというテイであるが、それは最近もなくなったことではなく、それどころか某J事務所のことではたいへん問題になっているではないですか。 性的マイノリティやルッキズムやミソジニーということが50年前、100年前はどういうふうに捉えられていたのかという目で読むこともできる興味深い読書ではあった。でも疲れた〜。
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めちゃくちゃ時間かかったけど読後感がすごくて後書きも興味深く読めた 後半はもう一気に読んでたな… 中盤あたりかな?お店の男の子2人が外国人のお客さんを相手にするシーンがポップでふふってなった
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面白いです。 かなり読むのに時間がかかりました。 文字と言うか文章のリズムが今と違うので中々読むリズムに乗れなくて。 それでもやっぱりいいです。 三島作品好きです。
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20代最後の長編として十分完成されたものであろう。その後さらに充実した作品群を生み出すことを考えてみると、まあ若さゆえの文章表現の軽薄な重みと言おうか、やや空回りなところは否めないが。
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図書館本 本屋芸人の紹介で読みたいと思い、図書館で借りた。読み終わるまで4週間。もしかすると、期限が無かったら読みきることを難しかったかもしれない。内容は、裏表紙の紹介に女を愛さぬことで、私の仇をうってくれ。という内容だが、読んでみるとそれだけでなく、なかなかに長かった。三島由紀...
図書館本 本屋芸人の紹介で読みたいと思い、図書館で借りた。読み終わるまで4週間。もしかすると、期限が無かったら読みきることを難しかったかもしれない。内容は、裏表紙の紹介に女を愛さぬことで、私の仇をうってくれ。という内容だが、読んでみるとそれだけでなく、なかなかに長かった。三島由紀夫の考えを記した所が何ヵ所も出てきて、難しい。 まぁ適当に流し読みしつつ、話の流れは面白い。この題材で小説を描くということは、当時は新しかったのではないだろうか。また、今よりもタブーだったのではないか。そう考えると、難しい所はあるが面白い内容だった。 解説は野口武彦さんと森井良さん。解説があって良かった。理解が深まり、昔の作品への抵抗感も薄れる内容だった。 読書メモあり。
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