仮面の告白 新版 の商品レビュー
三島由紀夫の自伝的作品。とてもセンシティブな内容で、途中で読むのをやめようかと思ってしまいました。 思春期に自らの性自認に気づいた主人公の内面が、赤裸々に描写されています。1949年に刊行された作品ということで、当時の性的マイノリティの方への見方を考えると、本当に思いきった生命...
三島由紀夫の自伝的作品。とてもセンシティブな内容で、途中で読むのをやめようかと思ってしまいました。 思春期に自らの性自認に気づいた主人公の内面が、赤裸々に描写されています。1949年に刊行された作品ということで、当時の性的マイノリティの方への見方を考えると、本当に思いきった生命をかけたと言っても過言ではない執筆であったと思います。 大正末期から戦後間もない頃。主人公は徴兵を免除されています。戦争に行った友人の妹、園子との恋。それが21歳。“愛さなければならぬ”という恋愛のスタンスが辛すぎました。彼の15歳での恋の相手は、近江くんという男性でした。思春期は、否が応でも人と比べる心理が働きますから、自身の容姿へのコンプレックスと、同性にしか心が動かないことに気づいた衝撃は、はかりしれないです。リアリティー以上のものを表現できる筆力で、最後まで読まされた感じです。 昨年初めて読んだ三島由紀夫の作品が、『潮騒』。魅力ある文章でした。その後、『三島由紀夫レター教室』『金閣寺』と読みました。『三島由紀夫レター教室』は本質をついている部分が多く『金閣寺』は、かなり強烈でした。『金閣寺』で印象に残るのが障害を抱えた登場人物の内面(特に鬱屈した部分)の描き方でした。どうしてここまで書けるのか、三島由紀夫という作家はどういう人物なのかと思いました。今回『仮面の告白』を読み、三島由紀夫自身が苦悩を抱えていたことを知り、彼だからこそ深層心理まで掘り下げた描写ができるのだと腑に落ちました。人生の良い面ばかりを味わってきた人物には、決して書けない文章だと思いました。 (2026.4.11読了)
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ここまで自分を赤裸々に語る事は今の自分にはできないし、語る程のものはないなと思わされた。 著者の欲望の生々しさと振り回される自他。
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「どんな人間にも各々のドラマがあり、人には言えぬ秘密があり、それぞれ特殊事情がある、と大人は考えるが、青年は世界における唯一例のように考える」 私には読みにくいように感じたが、最後まで楽しめたのは、私にもあまり人には言いたくない、言えないような事があるからなんだろうと思う。 ...
「どんな人間にも各々のドラマがあり、人には言えぬ秘密があり、それぞれ特殊事情がある、と大人は考えるが、青年は世界における唯一例のように考える」 私には読みにくいように感じたが、最後まで楽しめたのは、私にもあまり人には言いたくない、言えないような事があるからなんだろうと思う。 他の作品もチャレンジしてみる予定。
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三島由紀夫の内省と言うだけではもったいない本。園子との恋バナが面白く、たまにキザになる三島は本物なのか虚構なのか。 熱い紅茶を淹れて本を読む時間は最高だ
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テーマとして分かりやすく、整然とした構成で読みやすかった。 主人公の感情の浮き沈み、内省的だが高いプライド、、すべて手に取るように感じられ、 若いなあ…オホホ…と読んでいて痒くなる時もあった 健全な肉体が痛めつけられ、若い顔に苦痛が浮かぶ様に興奮するなど…難儀な性癖ですこと…...
テーマとして分かりやすく、整然とした構成で読みやすかった。 主人公の感情の浮き沈み、内省的だが高いプライド、、すべて手に取るように感じられ、 若いなあ…オホホ…と読んでいて痒くなる時もあった 健全な肉体が痛めつけられ、若い顔に苦痛が浮かぶ様に興奮するなど…難儀な性癖ですこと… 本人の最期を考えると、なかなか闇が深い、、 日記を読ませてもらったような気持ち、 三島由紀夫のこと、もっと好きになっちゃったな♪
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「わたし」という人物をとても深く生み出して描き切っている。人間の秘め事、心の奥底と行動の矛盾。なぜこうなってしまったのか曖昧にも思える答えの結末までに至る言葉に出来ない人間の感情を、とても緻密に三島由紀夫らしい表現していると思う。
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感じたことの無い感覚、見たことの無い景色が、あたかもその場にいるように想像できる文章が印象的でした。
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力のある1冊である。新潮文庫、昭和48年の佐伯彰一、次いで昭和25年の福田恆存による解説。最後に中村文則の応答。 私小説の極北、文体の充溢。のちのちの三島作品にまで及ぶさまざまな芽。 持論だが、大江健三郎も村上春樹もこの作家を文学的に越えようとした。前者は主人公の受難を世界...
力のある1冊である。新潮文庫、昭和48年の佐伯彰一、次いで昭和25年の福田恆存による解説。最後に中村文則の応答。 私小説の極北、文体の充溢。のちのちの三島作品にまで及ぶさまざまな芽。 持論だが、大江健三郎も村上春樹もこの作家を文学的に越えようとした。前者は主人公の受難を世界の方へ開くことによって、後者は三島が求めた美を近似するもう1つの世界へと拡張することによって。 メモ程度に、最近読んだ中ではもっとも「青春」を感じる物語であった。唐突だが、エヴァンゲリオンのような狂騒も感じられた。 中村文則の呼びかけに泣きそうになりました。
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ただ、彼の人生を知りたくて手に取った一冊 三島自信の死への渇望と、いざ死に直面した際の溢れる本音を、彼独自の重厚なレトリックで赤裸々に綴る一作 一度読んで全てを理解することは難しい為、時間を空けてまた手に取りたいと思った
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同性愛者である主人公の人生が、『人間失格』的な暗いトーンで書かれる。 抽象的・哲学的な文体故、読むのに苦労する作品だった。また、自分は異性愛者の男性であるため、「私」の性趣向や喜怒哀楽にイマイチ共感できなかった(同時に学びにもなった)。歳月を経てから再読すると、また違った味わ...
同性愛者である主人公の人生が、『人間失格』的な暗いトーンで書かれる。 抽象的・哲学的な文体故、読むのに苦労する作品だった。また、自分は異性愛者の男性であるため、「私」の性趣向や喜怒哀楽にイマイチ共感できなかった(同時に学びにもなった)。歳月を経てから再読すると、また違った味わいが感じられそう。
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