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妻は忘れない の商品レビュー

3.5

26件のお客様レビュー

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2024/04/17

5話からなる短編集。 「妻は忘れない」 最初から離婚話に進んで行くのかと、詠み出した。 夫の不可思議な行動から義父の隠し子問題…… でも、最後は、夫婦仲の良さを表す言葉で、一安心だった終わり方であった。 次の「無垢なる手」 幼稚園や保育園のPTAの役員決めには、今の時代 共稼ぎが...

5話からなる短編集。 「妻は忘れない」 最初から離婚話に進んで行くのかと、詠み出した。 夫の不可思議な行動から義父の隠し子問題…… でも、最後は、夫婦仲の良さを表す言葉で、一安心だった終わり方であった。 次の「無垢なる手」 幼稚園や保育園のPTAの役員決めには、今の時代 共稼ぎが当たり前だから、大変だろうと思いながら読む進む。 役員通し、仲が良くなり、子供達も一緒に遊ぶようになって来るのは良いのだけど…… 余り深入りしたくない人もいるだろう。 主人公は、この人としか付き合いをしていないのだろうか? 小さい時の子供達の仲良しで、将来の結婚話をまともに取らなくても良いと思うけど…… 「裂けた繭」 読んでいて、少し怖い感じ! 精神的に崩れて行った青年。 自分だけの殻に入り込み、空想の人物を作り上げる。 現実世界と空想世界が、理解出来なくなった人間の怖さに、おぞましさを感じてしまった。 「百舌鳥の家」 姉妹の二人。 親の介護で、相続問題。 最後は、姉が、祖父母達の養女に戸籍上なっていた事も、衝撃的。 家族の在り方を考えてしまった。 昔の人は、良かれと思って、戸籍制度に合わせたのだろうけど、良かったのだろうか? 「戻り梅雨」 シングルマザーで2人の子を育て、大学生の息子に恋人が出来た! 喜ぶべきなのだけど、年上で子供もいる女性! その息子に、殺人未遂の疑いがかかる。 被疑者となった家族の辛さ! しかし、最後は、家族が寄り添う事になり一安心したけど、その後の風潮はどうなるのだろうか? ホラー的話もあり、一つずつ、読みごたえのあった本であった。

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2023/10/30

平凡な日常に突然訪れる不穏。どれも先が気になり一気読みです。一緒に居ても気づかなかった家庭の秘密が浮かび上がっていく。終わり方の余韻もそれぞれ5通りで楽しかったです。「無垢なる手」にイライラさせられた。特に好みだったのは「裂けた繭」です。

Posted byブクログ

2023/07/01

私はいずれ、夫に殺されるかもしれない-。義父の弔問に訪れた前妻の佑香。妻の千紘は、夫が彼女とよりを戻したのではないかと疑い…。表題作をはじめ、全5篇を収録。 いわゆるイヤミスが5篇。日本推理作家協会賞作がよかったので読んでみたけれど、やや極端な描写で「たぶんミスリードしているの...

私はいずれ、夫に殺されるかもしれない-。義父の弔問に訪れた前妻の佑香。妻の千紘は、夫が彼女とよりを戻したのではないかと疑い…。表題作をはじめ、全5篇を収録。 いわゆるイヤミスが5篇。日本推理作家協会賞作がよかったので読んでみたけれど、やや極端な描写で「たぶんミスリードしているのだろうな」と途中で気づいてしまうことがあったのは興醒めだった。 (D)

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2023/05/06

久しぶりにとてもおもしろい小説に出会えました。人物描写が的確なため、「こういう人ならそういうことはしないだろうな」「こういう人ってそういうことしちゃいそうだよね」というイメージが湧き、物語に入り込めました。どの言葉にも無駄がなく、実際の文字数以上の世界に引き込まれていきました。あ...

久しぶりにとてもおもしろい小説に出会えました。人物描写が的確なため、「こういう人ならそういうことはしないだろうな」「こういう人ってそういうことしちゃいそうだよね」というイメージが湧き、物語に入り込めました。どの言葉にも無駄がなく、実際の文字数以上の世界に引き込まれていきました。あっという間に読めるのに、長編小説を何冊も読み終えた感覚になりました。

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2023/02/16

ざわざわと胸に不安が広がっていく。 「妻は忘れない」「無垢なる手」「裂けた繭」「百舌鳥の家」「戻り梅雨」 毛色の異なる5話収録の短編集。 前作『夫の骨』で騙される快感を味わい期待して待った本作にもしてやられた。 ごく身近な日常の中でふと感じる違和感、不安、猜疑心、嫌悪、自省...

ざわざわと胸に不安が広がっていく。 「妻は忘れない」「無垢なる手」「裂けた繭」「百舌鳥の家」「戻り梅雨」 毛色の異なる5話収録の短編集。 前作『夫の骨』で騙される快感を味わい期待して待った本作にもしてやられた。 ごく身近な日常の中でふと感じる違和感、不安、猜疑心、嫌悪、自省、それらの感情が複雑に絡み合いながら終盤まで二転三転する展開にざわつきが止まらない。 5話それぞれに趣があって面白いが、中でも不穏でイヤな感じが延々と続くママ友の行動を描いた「無垢なる手」はその心理描写が秀逸。 ホラー要素を含んだリアルミステリー。

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2022/11/25

イヤミスの系統だと思っていると、所謂胸糞な展開はあまりなく、結末でカタルシスのある話がほとんど。オチのインパクトもほぼ想定内と言ったところ。読みどころはそうした部分より、キャラクターの細密な心理描写だろう。リアルとはもしかしたら少し違うのかも知れないが、異様な説得力があって、表題...

イヤミスの系統だと思っていると、所謂胸糞な展開はあまりなく、結末でカタルシスのある話がほとんど。オチのインパクトもほぼ想定内と言ったところ。読みどころはそうした部分より、キャラクターの細密な心理描写だろう。リアルとはもしかしたら少し違うのかも知れないが、異様な説得力があって、表題作や「無垢なる手」での、自分で自分を追い込んでいくような、一人称は読んでいて息が詰まる。

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2022/09/10

非常に楽しめる短編ミステリーが5本.「避けた繭」はあまり感心しない主人公誠司の話だが、その他は意外な事象が最後に飛び出して、思わず読み返すことがあった.佑香の仕組んだ企みが頓挫してしまう表題作も楽しめたが、若い母親の心の探り合いがテーマの「無垢なる手」は認知症がキーワードかな.「...

非常に楽しめる短編ミステリーが5本.「避けた繭」はあまり感心しない主人公誠司の話だが、その他は意外な事象が最後に飛び出して、思わず読み返すことがあった.佑香の仕組んだ企みが頓挫してしまう表題作も楽しめたが、若い母親の心の探り合いがテーマの「無垢なる手」は認知症がキーワードかな.「百舌鳥の家」は母親の病気で姉妹の過去の出来事が露呈するものだ.「戻り梅雨」は哲也の行動を把握しきれない母の思いや姉の葛藤がうまく描写されていた.

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2022/08/25

どの話もサラッと読めて、若干嫌〜な感じの話です。あくまで、サラッと。  でも、決して悪くないですよ。 他の作品読んでみたいなと思えましたし。

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2022/06/19

前作の『夫の骨』も良かったけれど今回も先が気になり一気に読み終えた。短編だけれど読み応えは充分で切れ味がいい。どんでん返しもありで読み返しても楽しめる。

Posted byブクログ

2022/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編5編 「妻はわすれない」 思いやりの空回りとも言えるかも。もしくは、思いやりという優しい言葉を隠れ蓑にして、面倒な対話を避けた結果の更なるややこしい事態。 とはいえ、最後は主人公夫婦にとってハッピーエンドなのでよかった。 あれだな。今は妊娠中に、リスク少なく親子関係調べられるんだから、怪しいときはまずは科学の力を借りるべきよな。 「無垢なる手」 一言で片付けるなら、人との距離感が全く違う人との付き合いとゆーか。(それだけでは片付けられない、不気味さがさらにあるけど) ずかずかと(なんとゆーか、精神的な?)パーソナルスペースを侵してくるママ友が不快なのはもちろんだけど、夫の行動も個人的にはしんどい。他人に対するパーソナルスペース?の取り方は人それぞれ違うってことを念頭においえておかないといけないよな、と思ったり。特に夫婦という関係は元々は他人のはずなのに、あまりにも近い関係になる結果、相手は自分と同じ価値観を持っていると信じて疑わなくなってしまうのかも。気を付けないと 「避けた繭」 怖い。怖い、怖い。 引きこもりの主人公?は、ほんと今すぐ精神科受診すべきだわ。 引きこもりやニートと、精神疾患ってかなり密接に関係してると思うけど、それがなかなか周知されてなくて、結局医療に繋がらず最悪なことに……って、現実でも起こっているであろう怖さ 「百舌の家」 私はこの姉みたいな人間が好きじゃないから…読んでてしんどかった。 悪気がないからしょうがない、みたいな言葉ってホントは一番たちが悪いよなぁ。だってわざとじゃなくて、性根からって、どうしようもないやん。 「戻り梅雨」 最後のオチが、そーきたか!!て感じ。 犯罪が起きたときに、よくその家族(被害者側も、加害者側も)まで槍玉にあがるエピソードを見ると、家庭を持つって本当に怖い。自分の行動は自分の責任でコントロールできるけど、家族のことまではコントロールできないから……

Posted byブクログ