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病と障害と、傍らにあった本。 の商品レビュー

4.3

29件のお客様レビュー

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2022/03/05

 この本は図書館で借りて読んだ。12人の作者がそれぞれの病と、患っている間に読んでいた本について語っている。12人のうち知っていた作家は2人、特に三角みづ紀のエピソードが読みたかった。東京造形大学在学中に膠原病の全身性エリテマートデスを発症した三角は、もともと美大に所属していたこ...

 この本は図書館で借りて読んだ。12人の作者がそれぞれの病と、患っている間に読んでいた本について語っている。12人のうち知っていた作家は2人、特に三角みづ紀のエピソードが読みたかった。東京造形大学在学中に膠原病の全身性エリテマートデスを発症した三角は、もともと美大に所属していたこともあり、入院中にできる創作活動を考え、詩を書くようになった。その詩を現代詩手帖に投稿しているうちに、現代詩手帖賞、第一詩集で、詩人の直木・芥川賞と言われる中原中也賞を受賞した。受賞作『オウバアキル』は闘病中の不安定な精神状態がダイレクトに伝わってくるところがインパクトがあって強烈だった。同作家の本をまた手に取りたい。

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2022/01/28

私が少しの間体験した体の不調のおかげで、というかこのタイミングで読めたことが本当に偶然ではない気がするし、とても心に染みた。 生きていたら誰もが避けられない病と障害。 その時にそっと寄り添ってくれる本の存在の大きさを改めて知った。

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2021/11/28

 隣市の図書館で借りて読む。目当ては坂口恭平氏だったが、他の方の書いたものも良かった。  図書館の本なので、本の帯が表と裏に分けて半分に表紙を開けた所に貼りつけてあり、そこにあった『誰かと分かち合うことのできない時間、傍にあった本とは。』というコピーが秀逸。  病気や障害でなくと...

 隣市の図書館で借りて読む。目当ては坂口恭平氏だったが、他の方の書いたものも良かった。  図書館の本なので、本の帯が表と裏に分けて半分に表紙を開けた所に貼りつけてあり、そこにあった『誰かと分かち合うことのできない時間、傍にあった本とは。』というコピーが秀逸。  病気や障害でなくとも、誰にも話せず、独りで痛みや苦しみを抱えてしまうことがある。そんな時、生身の人間から発せられるのではないからこそ、本から伝わる言葉は力を持つのかもしれない。その本を書いた人は確かにいる(いた)が、直接に知り合いでもなければ、遠い過去の人かもしれない。それは著者の名を借りた別の何か。簡単に「自分自身」等とは言いたくないが、やっぱりそうなのかもしれない、と思う。  本の中の知らない他人の言葉を通じて自分の奥底をのぞきこむ。救いを求めて。救いがあるのかどうかは判らないが、読むときは救いがあって欲しいと願いつつ読む。そういう読書もあるのだ。

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2021/11/24

何人か知ってるな〜 と思って手に取った本。 何が起こるか分からない以上、「読む機能」もいつまで保てるのか分からないんだな。高次機能障害の「読めない」症状…。書籍も色々と紹介されていて、読んでみたいと思った。

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2021/11/20

とてもいい本だった・・・。病の当事者10人と、介護者2人のエッセイ。 幸い今のところ大病にも障害にもなっていない私は、病気を抱える人の気持ちを想像するのが難しい――と、ことあるごとに痛感している。寄り添いたい、と思っても、どうしても心からの言葉や行動にならない気がする。それはカ...

とてもいい本だった・・・。病の当事者10人と、介護者2人のエッセイ。 幸い今のところ大病にも障害にもなっていない私は、病気を抱える人の気持ちを想像するのが難しい――と、ことあるごとに痛感している。寄り添いたい、と思っても、どうしても心からの言葉や行動にならない気がする。それはカゼをひいた人が相手でも同じことで、いたわりの気持ちが欠けているなぁ、と自分についてよく思う。 闘病記はたくさん世に出ているけれど、これはアンソロジーの形で、本というテーマがついているのが特徴的。難聴、うつ病、膠原病、脳梗塞・・・どんな症状があり、そこで「本」はどんな役割を果たしてくれたのか。 エッセイ、詩、写真など著者はみな表現者としての仕事をしている人なので、文章は整理され読みやすい。ある人は客観的に淡々と、ある人は物語のように――それぞれ違った味わいがある。絶望や辛さも書いていながら、過度に悲劇的ではなく、読み手を怖がらせることがない。 私にとっては"趣味"で、ときに"エンターテインメント"である読書が、病と向き合うよすがであったり、回復するための手段であったり、気持ちを整える薬であったり・・・。自分が本好きであるためにいっそう、その無限の可能性に驚かされ、感銘を受けた。また、本という道具を介したことで病を抱える人の気持ちを、いくらか想像しやすくなったような気がする。 カゼをひいた人がそばにいたら、怖がらずに寄り添えるようになりたい。まずはそこから。

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2021/10/26

病気や障害を持つ当事者、またその人たちを介護したり身近に目の当たりにする当事者たちと本のはなし。 書き手に結構著書を存じ上げてる方が多くておお、と思いながら読み進めた。 私は元々子供の頃から読書が大好きだが、一度疎遠になってからまたよく本を読むようになったのは、病気で一般的な日常...

病気や障害を持つ当事者、またその人たちを介護したり身近に目の当たりにする当事者たちと本のはなし。 書き手に結構著書を存じ上げてる方が多くておお、と思いながら読み進めた。 私は元々子供の頃から読書が大好きだが、一度疎遠になってからまたよく本を読むようになったのは、病気で一般的な日常生活を送れなくなってからだった。 この本に寄せてる書き手の方達は、こうして活字にしていろいろなことを教えてくださる。では内にこもって何も発していない自分はなんだろうと、ふと思ってしまう。発さなければならないものでも、ないんだろうけどね。 本を傍らに置いて、私のための本、私のための読書ってなんだろうとぼんやり考える。 そして本が読めることを嬉しく思う。この本の中で気になる本が見つかったので、いずれ読みたい。

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2021/10/24

すごくすごく面白くて、読んだ後目を閉じて、静かに泣いた。 「こんな生もあるんだ」と率直に思った。この世には私があまり知らなかった人間の「状態」があることに驚いたし、それを書くエッセイは無知な人間にもわかりやすく生き生きと伝えてくれている。 病室で皆カラマーゾフを読んでいた話、水...

すごくすごく面白くて、読んだ後目を閉じて、静かに泣いた。 「こんな生もあるんだ」と率直に思った。この世には私があまり知らなかった人間の「状態」があることに驚いたし、それを書くエッセイは無知な人間にもわかりやすく生き生きと伝えてくれている。 病室で皆カラマーゾフを読んでいた話、水俣の映画とてんかんの話、ベケットの話、本が読めないとはどういうことなのかの話、リワークの話、免疫の話、ALSの話。 どれもすごく印象にのこるもので、やはり「当事者の語り」は強い。と思わされる。 私の母も鬱状態で苦しんでいるけど、私は病や障害というものを全然理解できていない。皆さんの語りのおかげで気付かされました。

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2021/09/16

最近よく読んでる、丸山正樹を読みたくて読んだ本。 彼のおすすめの本も次に読もうと思う。 でも、本当に彼は素晴らしい。どうしてこのような大変な(ご本人は当たり前だと思われてるようだが)こと、なかなかできるものではない。 そして小説の執筆。 これも優しい眼差しで、それは実生活から溢...

最近よく読んでる、丸山正樹を読みたくて読んだ本。 彼のおすすめの本も次に読もうと思う。 でも、本当に彼は素晴らしい。どうしてこのような大変な(ご本人は当たり前だと思われてるようだが)こと、なかなかできるものではない。 そして小説の執筆。 これも優しい眼差しで、それは実生活から溢れるものなのか、と。 この本のレビューではなく、丸山正樹氏のレビューになってしまいました…

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2021/08/19

烏兎の庭 第六部 8.29.21 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/bo.html

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2021/08/11

今年の7月に亡くなられた装丁家の桂川潤さんが、3月にラジオで印象に残っている本として本書をあげられていた。ご自身も双極性障害をお持ちだったということだが、本書でも多くの同じ病気の方が書かれている。病気の種類や症状、向き合い方はそれぞれ違っていても文章を読むことが日々をなんとか乗り...

今年の7月に亡くなられた装丁家の桂川潤さんが、3月にラジオで印象に残っている本として本書をあげられていた。ご自身も双極性障害をお持ちだったということだが、本書でも多くの同じ病気の方が書かれている。病気の種類や症状、向き合い方はそれぞれ違っていても文章を読むことが日々をなんとか乗り越えていく力になっている。同じ思いの私も親しい友人の話を聞くように読ませてもらった。

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