美術の経済 の商品レビュー
無知な分野だったが、とうてい私のような凡人にはわからないだろうと思えた芸術の世界が、様々な人々の熱によって渦巻いているのがとても面白かった。 お金をかけて手元に置くこと、わざわざ足を運んで見に行くことにどういう意味があるのか、現実的な世界に生きている人にこそ、読んで豊かになってほ...
無知な分野だったが、とうてい私のような凡人にはわからないだろうと思えた芸術の世界が、様々な人々の熱によって渦巻いているのがとても面白かった。 お金をかけて手元に置くこと、わざわざ足を運んで見に行くことにどういう意味があるのか、現実的な世界に生きている人にこそ、読んで豊かになってほしい。 また、美術評論家という存在も、美術の発展に貢献しているというような記述があったが、読者である私がこの本から深い印象を受けたことを考えると、たしかにその役割を果たしているなと思う。読みやすく、惹き込まれた。
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美術品の価値は時代によって移り変わる。美術を生業にする人たちと美術を買う人たちのエピソードを集めたコラム集。 近年になってレオナルドの真作とされた「サルバトール・ムンディ」の話から始まるが、全体的には日本目線のお話で、世界的なビジネスとしてのアートを知れると思っていたら少し肩...
美術品の価値は時代によって移り変わる。美術を生業にする人たちと美術を買う人たちのエピソードを集めたコラム集。 近年になってレオナルドの真作とされた「サルバトール・ムンディ」の話から始まるが、全体的には日本目線のお話で、世界的なビジネスとしてのアートを知れると思っていたら少し肩透かしを食らう。 「美術館は芸術家のパトロンになりえるか?」という問いかけは面白かった。アメリカに行ったとき、地元アーティストの作品をたくさん収蔵し、作業場まで提供している(作業が見学できるようになっている)美術館を見たことがある。日本の地方美術館も地元出身のアーティスト作品を収集しているが、現役アーティストへの支援は進んでいるのだろうか。そもそもの資金繰りに苦しんでいて、次世代のアーティストを育てる場だというところまで意識が向くような状態ではなさそうに見える。 本書の著者自身、東大で美術史を学び、多摩美で教授を務めるという経歴ながら、この連載を始めるまで美術とビジネスを結びつけて語ることに引け目を感じていたと明かしている。このあとがきが何よりも日本の状況を示しているように思える。
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多少美術に詳しい人が、趣味で書いたような本だ。 しかし実際には著者はタマビの大学教授でありそこは驚きを禁じ得ない。いろいろなところに目配りをしているのかだろうか。非常に内容が浅い。また間違った情報もある。村上隆が、現代の光合成を復活させた人物であると紹介してあるがそれは違う。ジェ...
多少美術に詳しい人が、趣味で書いたような本だ。 しかし実際には著者はタマビの大学教授でありそこは驚きを禁じ得ない。いろいろなところに目配りをしているのかだろうか。非常に内容が浅い。また間違った情報もある。村上隆が、現代の光合成を復活させた人物であると紹介してあるがそれは違う。ジェフくん頭やダミアンハーストも既に公募をやっている。また、文中に挟まれる筆者の感想というか、思いなどが、どうでもいいことが多い。例えば版画における話の中で、浮世絵師は江戸時代のイラストレーターだったと言っても間違いではない気がするなどと書いているが、それは改めて言うことなんだろうか。こんな調子でどうでも良い話が多い。
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副題の通り、美術品(特に絵画)に値段が付くまでのプロセスについて、歴史的な事例を含めて解説した本。 浮世絵は海外でコレクションされているのは有名ですが、もともと陶器などの日本からの輸出品の隙間を埋める緩衝材的に扱われていたものが、芸術品・美術品としての価値が見いだされた通り、性能...
副題の通り、美術品(特に絵画)に値段が付くまでのプロセスについて、歴史的な事例を含めて解説した本。 浮世絵は海外でコレクションされているのは有名ですが、もともと陶器などの日本からの輸出品の隙間を埋める緩衝材的に扱われていたものが、芸術品・美術品としての価値が見いだされた通り、性能やスペック等の客観的な指標がなく、欲しいと思った人がいてこそ値段がつくのが美術品の特徴とのこと。 語弊を恐れずに言えば、美術品はゴミであり、ゴミでも経済的な価値が生じるなど、突如として変貌するものである、という指摘にはうなりました。 美術品に必ず付きまとう贋作についても、先日読んだ「ホンモノの偽物/リディア・パイン (著)」や「私はフェルメール/フランク・ウイン (著)」などを読んだ時も思いましたが、本物、偽物、複製品、模写となかなか線引きが難しいと改めて感じました。 優れたビジネスパーソンは、やはり芸術にも興味があり、感性を磨いているだろうと勝手に思い、最近、PCの壁紙を「紳士とワインを飲む女(フェルメール)」に変えてみました。 安くても、有名でなくてもいいので、自分の好きな作品・心が落ち着ける絵画を買ってみたいなぁ~と読後に感じる本かと思います。
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ダ・ヴィンチや狩野探幽など著名な画家から現代の美術館や芸術祭まで幅広い美術にまつわるお金の話を書いた本。こういう視点で美術をみるのも面白い。
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主にルネサンス期から現在に至るまでの、芸術と経済の関係について、時代背景だったり経済状況などを変遷などの事情の踏まえての、大まかな流れや関係性を分かりやすく解説している。 著者もアート関連媒体で仕事されてた経験から、どっぷりではなくて多少引いた視線からの内容なので、だからこそシン...
主にルネサンス期から現在に至るまでの、芸術と経済の関係について、時代背景だったり経済状況などを変遷などの事情の踏まえての、大まかな流れや関係性を分かりやすく解説している。 著者もアート関連媒体で仕事されてた経験から、どっぷりではなくて多少引いた視線からの内容なので、だからこそシンプルな疑問にも答えてくれているのもいい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
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