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吹上奇譚(第三話) の商品レビュー

3.9

14件のお客様レビュー

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2024/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美鈴の部屋に座敷わらしが現れるというイベントを軸にした生についてのストーリーと言ってよいかな? こどもを授かりたいというのが生き物としての本能であるはずなのに、現代はそれを理性で抑えてる若い人が多くてすごいなと思う。確かに全く産み育てやすくない世の中。でもこどもの存在って本当にエネルギーの塊というか、それこそ「生」そのもので、自分のこどもはもちろん、他人の子でもそのエネルギーを目の当たりにすると、この命を大事にせねば、愛せねば、とそれこそ本能的に思わざるを得ない、本当にすごい存在なので、こどもを虐待する人って本当に理解できなくて、人として完全に何かおかしいんだと思う。 次巻も楽しみ。

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2023/09/09

読了後、長時間の読書に目が思った以上に疲れ、ここからは耳から何かを摂取しようとふと流したインナージャーニーの「夜が明けたら私たち」。サラちゃんの優しくもパワフルな歌声や道標のような歌詞があまりに作品にマッチしていて気分転換のつもりが涙だだ漏れで自分でもびっくり。こういう素敵なこ...

読了後、長時間の読書に目が思った以上に疲れ、ここからは耳から何かを摂取しようとふと流したインナージャーニーの「夜が明けたら私たち」。サラちゃんの優しくもパワフルな歌声や道標のような歌詞があまりに作品にマッチしていて気分転換のつもりが涙だだ漏れで自分でもびっくり。こういう素敵なことがたまにあるから偶然を必然だと勘違いしてしまいます。 ばななさんは、最後に自分の名前を置く時にその時の自分をストレートに表現してくれるのでいつも楽しみ。

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2023/02/12

美鈴が元に戻ったと思ったら、今度は座敷わらしがいるという。 座敷わらしは子供の生まれる前兆か、 弟の霊なのか? ミミは町の住人たちとどんどん仲良くなる。 人との繋がりがゆるくて温かくて、 読んでいて心地よい。 第四話、もう一度読み直したい。 第五話まであるの?

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2023/01/21

人が人との間で生きていくことの感覚を自然に無理なく表現していて、感動的な場面というわけではないのに涙が出そうになるのは不思議。全ては波のように消えてはまたやってくるのが生きていくことなんだなと感じた。

Posted byブクログ

2022/07/18

虹の家の姉妹のこと。 美鈴の過去のこと。 守ってくれた弟ヒロシとおばあちゃんのこと。 謎の見えない子供の存在。 今回もスルッと読めた。 この第三話で終わりと思っていたら第五話まであるらしい。 ここまで来たら彼女らを最後まで見届けたい。 彼女らの日常を覗いているのは飽きない。 ...

虹の家の姉妹のこと。 美鈴の過去のこと。 守ってくれた弟ヒロシとおばあちゃんのこと。 謎の見えない子供の存在。 今回もスルッと読めた。 この第三話で終わりと思っていたら第五話まであるらしい。 ここまで来たら彼女らを最後まで見届けたい。 彼女らの日常を覗いているのは飽きない。 第五話までが一冊にまとまっていたとしてもあっという間に読み進められるだろう。

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2021/09/10

このシリーズ、てっきり3部作だと思っていたら、あと2作出る予定の5部作らしい。 なのでこの「ざしきわらし」はちょうど真ん中の3作目。1〜2冊目よりさらに精神世界に深く迫ったような内容だった。 主要人物がほぼ全員不思議な力の持ち主なのに、読んでいくうちに慣れてきてしまって、話中で...

このシリーズ、てっきり3部作だと思っていたら、あと2作出る予定の5部作らしい。 なのでこの「ざしきわらし」はちょうど真ん中の3作目。1〜2冊目よりさらに精神世界に深く迫ったような内容だった。 主要人物がほぼ全員不思議な力の持ち主なのに、読んでいくうちに慣れてきてしまって、話中で起こることが当たり前のことのように思えてきてしまう。 それと言うのも、語り手でもある主人公のミミは、力の具合としては普通と不思議の境目にいるような感じなので、強大な力を持つ登場人物たちを少し距離を置いて見ているところがあるからなのだと思う。 「夢想していたことが現実に漏れ出す」とか「危機一髪のところを見えない力に救われる」ということは、現実にもありそうな気がする。見えないものなので信じるか信じないかの話にはなってしまうのだけど、それを信じることで温かい気持ちになったり生きる力が湧いてくるということもきっとある。 命懸け系霊媒師の美鈴の惑いが人間らしく、彼女を人間らしさの境地へ引き戻した恋人の墓守くんのどことなく頼りなく、だけどその人のそのままを愛してくれる感じがとても好もしい。 墓守くんみたいな人ばかりの世の中なら平和なのになぁと、無理なことを考えてしまうほどに。 わりと緩やかに終始したのだけど、この先に進む前の、嵐の前の静けさ、なのだとか…? このシリーズがどんな風に進みどんな風に終わっていくのが楽しみであるとともに、登場人物たちが全員無事で終わりますように、と願わずにはいられない第3話でした。

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2021/07/07

最後に嵐の前の静けさと書いてあったが、まさしくこの3巻目は人が死んだり自分が死にそうになったりするものの、基調としては落ち着いてミミの中で哲学的な考察が、あるいは今あることの幸せが成熟していくような感じ。 次からは物語が変化していくのかもしれない。期待してます。

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2021/06/14

いつだって吉本ばななさんの作品は、非日常へ導いてくれるので好きです。この本も不思議な世界観で読了後、すがすがしい気持ちになりました。

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2021/02/13

吹上奇譚、新しい第三話が特に好きです。どうしてこんなに気持ちが分かってもらえるんだろうと、救われる気持ちがします。文章に、世界に憩うことができて、支えになっています。

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2021/01/31

哲学ホラーとあるけれど、ホラーというよりもファンタジー。哲学的な。 生きること、生きてゆくこと、人としての本質、愛のかたち。 墓守くんの、弱くてへなちょこで、温かな陽射しみたいな感じ、やさしい雰囲気が、この物語の全てな気がする。

Posted byブクログ