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虹いろ図書館のひなとゆん の商品レビュー

3.7

23件のお客様レビュー

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2022/09/11
  • ネタバレ

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櫻井とりお著『虹いろ図書館のへびおとこ』に続くシリーズ2作目。前作に続き、浮雲宇一さんの表紙や、インパクトのあるフォントが楽しい。 ひなとゆんの2人の少女の友情と成長の物語。 1作目からのイヌガミさんやうつみさんやスタビンズ君がいるのもにっこりする。 「リンドグレーンにはずれなし」……虹いろ図書館のイヌガミさんの言葉だ。脱線するが、小学校2年の学級文庫にリンドグレーンの『ロッタちゃんのひっこし』があり、小学校と中学校が渡り廊下で繋がっていたのをいいことに、中学生になってからも、先生に断って読みに行ってたのを思い出した。 氏の次作『図書室の奥は秘密の相談室』2021年2月6日発売が待たれる。

Posted byブクログ

2020/10/29

前作はひとりの少女の成長物語だったが、本作はふたりの少女の友情物語 前作よりフィクション性が高まり、児童書の色合いが強い 作中作の描写が多く、そこの好みは分かれるかもしれない

Posted byブクログ

2021/02/18

去年出た「虹いろ図書館のへびおとこ」の続編、というか同じ時間に進んでいた別の物語、かな。図書館員イヌガミさんとうつみさん、それにほのかとスタビングくんもちょこっと登場する。 今作で(「へびおとこ」こと)イヌガミさんの働く図書館にやってくるのは、病気で長く休んだあとちょっと学校に...

去年出た「虹いろ図書館のへびおとこ」の続編、というか同じ時間に進んでいた別の物語、かな。図書館員イヌガミさんとうつみさん、それにほのかとスタビングくんもちょこっと登場する。 今作で(「へびおとこ」こと)イヌガミさんの働く図書館にやってくるのは、病気で長く休んだあとちょっと学校に溶け込みきれないでいる4年生の女の子ひな。学校を早引けして帰宅途中の公園で自分とは正反対のようなふしぎな女の子ゆんと出会って少しずつ意気投合、密度の濃い時間を過ごすけれど…ゆんが語り、ひながとりこになる世界各国での武勇伝はどれも、ちょっとしたコンプレックスや秘密・過去を抱えた人がゆんのたちまわりで元気になるお話で、連作短編のようにも楽しめる(いちばん気に入ったのはファンの話かな)。そんな二人をあたたかく見守るイヌガミさんやひなのおばあちゃんがありがたい。そう、おいしい具がたっぷりつまったサンドイッチのような物語。 私自身はもう大人で、しかもそのあたりの話題にはちょっと敏感なので、ゆんのおかれた立場のあやうさにほとんど最初から気づいてしまい、正直言ってずっと切ないというか話が進むのが怖くてつらかったのだけれど(実際、想像した通りの痛みと悲しみは避けられず…)、はじめてであうこどもたちにはひなと同じようにまずは純粋にわくわくどきどきしてゆんのふしぎな語りの世界をじゅうぶん楽しんでもらいたい、ひなとおなじようにゆんを好きになってほしいと心から願う。そして、(お話の中の人物とはいえ)ゆんが、いまどこかで元気にしあわせに暮らしていることを祈らずにはいられない。ゆんのゆかいでゆたかなお話の源泉はなんだったのだろう? 前作同様、物語上の必然で図書館の仕組みがさりげなく語られ、図書館内の描写や会話、気持ちなどにさまざまな本のタイトルや引用、連想がたくさん織り込まれていて(巻末にリストあり)、読んだことがある作品なら含意がぱっとわかったりなつかしく思い出したりできる。知らない作品も、どんな作品だろうと興味をひかれて頭の片隅に残るが物語の理解には差し支えない、でもきっといくつかは読んでみたくなる、芋づるいっぱいの作品。そして、作品の好き嫌いや評価、おはなしと嘘について、イヌガミさんが教えてくれることがどれもいい。大人でも、こういうことわかってない人は少なくはない。 でも…こういうすてきな本を図書館が身近ではない子にとどけるには、どうしたらいいのだろう? こどものための物語ではあるけれど、むしろ子どもにかかわる大人にもぜひであって読んでもらいたい作品だと思う。

Posted byブクログ