寿町のひとびと の商品レビュー
つい最近、友達が教えてくれた話。 AIを組み込んだ、赤ん坊の泣き声の分析器というものが 開発されて、そのAI機器を使えば、赤ん坊がどんな状態であるかがたちどころに分かる、というようなものらしい。 でも、これもの凄く変ですよね。 というお話だった。 さて、本書 生身のノンフィクシ...
つい最近、友達が教えてくれた話。 AIを組み込んだ、赤ん坊の泣き声の分析器というものが 開発されて、そのAI機器を使えば、赤ん坊がどんな状態であるかがたちどころに分かる、というようなものらしい。 でも、これもの凄く変ですよね。 というお話だった。 さて、本書 生身のノンフィクション・ライターの山田さんが 寿町に暮らす生身の凄い人たちに 聞き取りを重ねて、成り立っている一冊。 生身の人間だからこそ ぶち当たった壮絶な体験、 それを乗り越えてきたしたたかさ、 根底に横たわっている他者への愛情、 まぁ 生々しい実態と 想像を絶するような克服の史実が 丁寧な取材と聞き取りに 現れてくる。 読みながら 宮本常一さんの 「忘れられた日本人」が 何度も思い出されていました。 生身の人と生身の人が 出遭うからこそ 生まれてくる「暮らし」が ここにある。 冒頭のAI分析器、 やっぱり おかしいと 思う。
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