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学術書を読む の商品レビュー

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23件のお客様レビュー

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2020/11/08

ひと言で表すなら、 「専門家の落とし穴にはまらないための読書法」 本書で取り上げられている問題点は、現代において「専門外の学び」「学びたいことを学ぶこと」が非常に難しいものになってしまっている事。さらには、「学術書との向き合い方」を今一度考えるべきであるという点。 現在の大...

ひと言で表すなら、 「専門家の落とし穴にはまらないための読書法」 本書で取り上げられている問題点は、現代において「専門外の学び」「学びたいことを学ぶこと」が非常に難しいものになってしまっている事。さらには、「学術書との向き合い方」を今一度考えるべきであるという点。 現在の大学では、たとえ自分が必要であると感じ学びたいと思っても、他大学の講義を「もぐり」で聴くことすら出来ない。どうも著者が学生だった時代はそれが出来たらしく、それができなかったボクはとても羨ましく感じた。 大学に行くと、学びにおいてはその専門分野だけに特化していく。ある程度は仕方ない事だが、教養なくして専門性を突き詰めることが本当に正しいと言えるのだろうか。そして、それ以外の学問を学ぶ事は、本当に無益でしかないのだろうか。 ボクはやっぱり、そうは思えない。 かのスティーブ・ジョブズが大学中退後に「もぐり」で自身の興味ある講義だけを聴いていた事は有名なエピソードだ。 海外の大学では、入学後はしっかりとまず哲学や歴史などのいわゆる「リベラルアーツ」を学ぶ所も多いと聞く。これは、教養のないまま優秀になった専門家ほど人類にとって危険な人物はいないからだと思う。

Posted byブクログ

2020/11/01

難しい本(専門外の本・古典・自分と意見の合わない本)を読んで格闘することを説く本でした。専門外の本の選び方をもう少し教えて欲しかった。

Posted byブクログ

2020/10/11

京都大学学術出版会の編集長である著者が、「専門を越え、広く知の世界に触れる実践を語ります」(帯の惹句)という本。沢野ひとしさんのイラストの表紙が可愛い。何だかとても懐かしいな。 138ページの薄い本で、平易な文章で書かれており、すぐに読み終わった。読み終わって思ったのが、自分が...

京都大学学術出版会の編集長である著者が、「専門を越え、広く知の世界に触れる実践を語ります」(帯の惹句)という本。沢野ひとしさんのイラストの表紙が可愛い。何だかとても懐かしいな。 138ページの薄い本で、平易な文章で書かれており、すぐに読み終わった。読み終わって思ったのが、自分が読む本はこれじゃなくて、『学術書を書く』(2015年、高瀬桃子氏との共著)のほうだったかな、ということ。 もちろん本書も良いことがたくさん書かれているのだが、まぁ、いずれも実践していることではあるので、あらためてその方向性は大学出版会の編集長さんから見ても間違いではないのだなということ。 1970年代以降の出版状況、そして2000年代に入ってからの情報の洪水と読書の変質についてはあらためて危機感を感じさせられた。

Posted byブクログ