獣害列島 の商品レビュー
害獣被害に対しては知っている事が多くても、 ・過去と現在はどう違い、何故増えてしまったのか。 ・駆除と言っても、猟友会や仕留めた後の流れ、ジビエ普及の問題 ・絶滅危惧種の認定や駆除への周囲の反対等 「人間が動物の棲家を奪っている」という認識で止まりがちだが、更にもっと奥の深い問題...
害獣被害に対しては知っている事が多くても、 ・過去と現在はどう違い、何故増えてしまったのか。 ・駆除と言っても、猟友会や仕留めた後の流れ、ジビエ普及の問題 ・絶滅危惧種の認定や駆除への周囲の反対等 「人間が動物の棲家を奪っている」という認識で止まりがちだが、更にもっと奥の深い問題なのだと認識させられた。 以前、北海道のOSO18は人間の駆除した鹿を通して肉の味を知り、好んで牛等の肉を狙うようになったと言う話を聞いた事がある。 今後野生動物と人間が共生していく為にも、農家猟師業者の前に何より国が政策を見直し、しっかりバックアップしていく事が大切だと感じた。
Posted by
人間が自然を破壊し動物の棲家や食べ物を奪ってしまったから街中に現れるのだ、という考え方では解決しないんだと思った。人間の食べ物の味を野生動物に覚えさせてはいけないんだなと。動物だってうまいもの食べたいよね。
Posted by
野生動物との関わり方の歴史、現状、課題等分かりやすくまとまっている。自分や地域に何ができるかを考えることは、同じ地域の構成員として重要。
Posted by
仕事の都合で熊野の山奥にひと月だけ滞在したことがあるが、地元を愛して細々と農家をやっている老人たちの小さな喜びを獣害が奪っているのを目の当たりにした。 熊野古道もマイナーな道はことごとくがイノシシに掘り返され荒れていた。 いまだに町にクマがだたといったニュースについて、人間のた...
仕事の都合で熊野の山奥にひと月だけ滞在したことがあるが、地元を愛して細々と農家をやっている老人たちの小さな喜びを獣害が奪っているのを目の当たりにした。 熊野古道もマイナーな道はことごとくがイノシシに掘り返され荒れていた。 いまだに町にクマがだたといったニュースについて、人間のために住処を追われているとかコメントしてる自称専門家がいるが、そうした根拠不明な論調に感じていた違和感が丁寧に説明され、大変納得できた。 国土の7割以上が森である日本に住むということをもう一度考え直す必要があると思う。 難しい問題に努めて冷静に向き合って丁寧にまとめられた優れた本であると思う。
Posted by
タイトルを見て、勝手に、「外来種による被害」を想像してしまったのですが、とくに外来種にスポットを当てた内容ではなく、主に在来種であるシカやイノシシ、クマ、サルなどによる被害について述べられた本でした。 本当のところは、ちゃんと調べないとわからないのですが、この本の主旨は、日本の...
タイトルを見て、勝手に、「外来種による被害」を想像してしまったのですが、とくに外来種にスポットを当てた内容ではなく、主に在来種であるシカやイノシシ、クマ、サルなどによる被害について述べられた本でした。 本当のところは、ちゃんと調べないとわからないのですが、この本の主旨は、日本の緑は復活していて、その影響で、野生動物が増え、結果として、野生動物による被害が増えている、というところになると思います。 また、もともとペットとして飼われていた動物の野生化による危険性にも触れられています。 我々は何となく、都市開発が進み、緑が減り、棲むところを追われた動物が人に被害を及ぼしている、と思いがちな気がしますが、それはどうやら正しくないようです。 それから、この本では、獣害(とくにシカやイノシシ)の軽減方法として期待されているジビエについて、ジビエでの解決は難しい、と主張しています。 ジビエに要求される捕獲方法や、ジビエに適した捕獲時期、効果のある狩猟方法と、狩猟する側のやりやすさや手間、メリットが、なかなか合致しない、というのは、なかなか興味深い視点でした。 似たようなことは、あちこちで起こっていると思われるだけに、示唆に富んだ内容だと思います。 全体的に、丁寧に取材して書かれた印象を受ける本でしたし、今、日本に起こっている問題の把握として、多くの人に読んでもらいたい一冊です。
Posted by
シカや猪が明らかに増えている実感がある。山でとれる餌が不足しているから人家の近くに現れるのだという理屈はよく耳にするが、実際はそうでは無いらしいことを実地調査で推測している。とかく感情的な反応が現れやすい話だが、科学的にものを見極めようとの姿勢に好感が持てる。
Posted by
私は狩猟をやっているので、この本の題名「獣害列島」に興味を持って読んでみた。 昨今、住宅街に熊が出る、鹿や猪が畑や森を荒らす、猿が民家にまで入ってくる等、獣害のニュースを頻繁に聞くようになった。 これには人間が獣の棲家を開発で奪い、そのため餌を求めて山から下りてくるのだ、という論...
私は狩猟をやっているので、この本の題名「獣害列島」に興味を持って読んでみた。 昨今、住宅街に熊が出る、鹿や猪が畑や森を荒らす、猿が民家にまで入ってくる等、獣害のニュースを頻繁に聞くようになった。 これには人間が獣の棲家を開発で奪い、そのため餌を求めて山から下りてくるのだ、という論調が支配的である。 しかし、この論調には科学的な裏付けが乏しく、実際には「動物が可哀そう」「殺さないで」とエモーショナルに語られる部分が多いように感じる。 この本では、獣害が増加しているのは何故なのかを多角的な方向から考察し、実際には一般的な論調の真逆な光景が進行しており、思いもしなかった意外な現状を知る事になる。 我々の常識がいかに同調意識より作られた非科学的なものかを思い知らされる。
Posted by
大本をただせば人間の身勝手かつ、管理の甘い生活が獣害を生んでいる。ペットの犬や猫も獣害になってしまう恐れがある。自然との共存が叫ばれるようになって時間がたつが、減らすのは難しいと感じた。自然保護の観点からの動物保護も簡単ではあるが、それにより生態系のバランスも変化し、逆に悪影響を...
大本をただせば人間の身勝手かつ、管理の甘い生活が獣害を生んでいる。ペットの犬や猫も獣害になってしまう恐れがある。自然との共存が叫ばれるようになって時間がたつが、減らすのは難しいと感じた。自然保護の観点からの動物保護も簡単ではあるが、それにより生態系のバランスも変化し、逆に悪影響を与えてしまうこともある。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<目次> 第1章 日本は野生動物の楽園? 第2章 破壊される自然と人間社会 第3章 野生動物が増えた本当の理由 第4章 食べて減らす?誤解だらけのジビエ振興 第5章 獣害列島の行く末 <内容> 森林ジャーナリスト(そんなものがあるのか?)による、日本の自然の実情を訴える本。確かにニュースには、都会にイノシシが、サルが、シカが、と頻繁に出てくるようになった。著者は、それは不思議でも何にもないという。自然破壊とその後の後始末のずさんさ(植林しても管理をしないなど)、農家の売れない農作物の放置。様々な人害により、野生動物は生息域が人と接近し、人から見たら「害」を加えているのだ。ペットもちゃんと飼わないと野性化し、自然を荒らし、我々の脅威となる。ネコに関しては、イヌ以上に問題だと著者は言っている。獣害以外にも、東日本でよくみられるようになった「ナラ枯れ」。これもヒトのせいだ。意外と知らない森と人や動物の関係。この本はそれをあぶりだしてくれる。
Posted by
- 1