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汚れた手をそこで拭かない の商品レビュー

3.7

245件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

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2020/11/12

日常のちょっとしたことが徐々に影響を及ぼしていく。そのじわじわくる感じが不気味。なんとかごまかそう、逃げ延びようと画策することと、打ち明けようという迷いの葛藤。大きな仕掛けがあるわけではないけれど、だからこそ日常に続いているのを感じられ誰の生活にもスッと入り込んでくるような物語。...

日常のちょっとしたことが徐々に影響を及ぼしていく。そのじわじわくる感じが不気味。なんとかごまかそう、逃げ延びようと画策することと、打ち明けようという迷いの葛藤。大きな仕掛けがあるわけではないけれど、だからこそ日常に続いているのを感じられ誰の生活にもスッと入り込んでくるような物語。一編一編は短いけれど心になにか残るようなものがどの短編にもあってとても面白い。

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2020/11/10

イヤミス短編。 なんとか懸命に誤魔化そうとしているのに、すればするほど小さな綻びは大きくなってゆく。 じわりじわりと忍び寄る静かな恐怖。 人間の心の隙間に巣食う狂気。 心がぞわぞわするようなミステリーの傑作。

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2020/11/10

本作はイヤミス短編集で「僕の神さま」も面白かったのだが、個人的にはこっちが好みだった。 タイトルが自分に向けて言われているようでドキッとする。確かにトイレ後ジーンズで拭くことありますけど…見られてた? どれもじくじくと湿度が高く、そこに金銭が絡んでよりリアルに感じられる。読ん...

本作はイヤミス短編集で「僕の神さま」も面白かったのだが、個人的にはこっちが好みだった。 タイトルが自分に向けて言われているようでドキッとする。確かにトイレ後ジーンズで拭くことありますけど…見られてた? どれもじくじくと湿度が高く、そこに金銭が絡んでよりリアルに感じられる。読んでいただければ分かるのだが、あの脚立…そしてプールの栓…電気代マジか…薬物で上映が…靴ね…と一つ一つは些細な事柄なのだが、それを塗り固めてしまうと身動きが取れなくなる悪手の連続。嘘が嘘を重ね、焦る主人公たちの感情をひしひしと感じる。嫌な汗かいてるんだろうなぁ

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2020/11/07

5編収録の短編集。最初の作品「ただ、運が悪かっただけ」を読み終えて(外れかも……)と思ってしまった。残りの4作はそれほど悪くはなかったが、期待していた水準には程遠い。どれもこぢんまりとまとまっていて、本書のタイトルの意味するものが納得されるが、だからなに? と逆に問いかけたくなる...

5編収録の短編集。最初の作品「ただ、運が悪かっただけ」を読み終えて(外れかも……)と思ってしまった。残りの4作はそれほど悪くはなかったが、期待していた水準には程遠い。どれもこぢんまりとまとまっていて、本書のタイトルの意味するものが納得されるが、だからなに? と逆に問いかけたくなる。

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2020/11/06

こういう内容の小説はやはり短編の方が読みやすいかも。 もう少しラストの展開に毒っけがあっても良いかなとも思った。 何か自分に都合の悪いことが起きると頭の中で色んな考えが駆け巡ることは誰しもある事。 それが言い訳なのか都合の良い解釈なのか、はたまた嘘なのか。 そんな自分自身の中の嫌...

こういう内容の小説はやはり短編の方が読みやすいかも。 もう少しラストの展開に毒っけがあっても良いかなとも思った。 何か自分に都合の悪いことが起きると頭の中で色んな考えが駆け巡ることは誰しもある事。 それが言い訳なのか都合の良い解釈なのか、はたまた嘘なのか。 そんな自分自身の中の嫌な部分を描かれてるようで少し気が重くなる。 何だか全体的に「あるある」と思わせる不思議な作品。

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2020/11/01

+++ 平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくない夫。元不倫相手を見返したい料理研究家…始まりは、ささやかな秘密。気付かぬうちにじわりじわりと「お金」の魔の手はやってきて、見逃したはずの小さな綻びは、彼ら自身を絡め取り、蝕んでいく。取り扱い注意!研ぎ澄まされたミ...

+++ 平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくない夫。元不倫相手を見返したい料理研究家…始まりは、ささやかな秘密。気付かぬうちにじわりじわりと「お金」の魔の手はやってきて、見逃したはずの小さな綻びは、彼ら自身を絡め取り、蝕んでいく。取り扱い注意!研ぎ澄まされたミステリ5篇。 +++ 「ただ、運が悪かっただけ」 「埋め合わせ」 「忘却」 「お蔵入り」 「ミモザ」 +++ 初めはほんの小さな出来心、保身、思いやり、といった小さなほころびだった。それが、もがけばもがくほど広がり、とうとう修復不可能なところまでいってしまう。その家庭の心象風景や、自身で感じられる周囲の景色の変化が恐ろしくて、興味深い。思わず次の展開を待ち望んで引き込まれてしまう。こんなはずじゃなかったが、これはすべて自分の罪なのだろうか、と自問するとき、人は、本性をさらけ出すのかもしれない。他人事ではない恐ろしさをはらんだ一冊だった。

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2020/10/21

ラストでドキッとするような感覚がとても面白い。芦沢先生のそういう話がとても好き。 特に【忘却】と【お蔵入り】のオチがとてもゾッとする話でお気に入りでした。 【忘却】は意味が分かると怖い話風でシンプルに怖い。 【お蔵入り】はオチを察したけど、それでも最後の一言が怖いな、、、と感じ...

ラストでドキッとするような感覚がとても面白い。芦沢先生のそういう話がとても好き。 特に【忘却】と【お蔵入り】のオチがとてもゾッとする話でお気に入りでした。 【忘却】は意味が分かると怖い話風でシンプルに怖い。 【お蔵入り】はオチを察したけど、それでも最後の一言が怖いな、、、と感じた。 全ての話でお金が絡んできてるせいか緊張感がとても伝わり、話の進行と共になんとなく「やばい、、、」と感じてしまい恐くなる。 殺人事件のミステリーとは違ったお金と言うテーマの話であった為、芦沢先生の他の作品と違ったようなキレを感じた。 個人的にはインパクトのある事件を絡めた話の方が好きだったし、期待し過ぎた感があり物足りなさを感じてしまった。 この作品を読んで面白いと感じたのなら、「許されようとは思いません」を読んでほしいなと思いました。

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2020/10/15

初・芦沢央でした。短編集,例えば2作目「埋め合わせ」は,過ってプールの水を抜いてしまった小学校教諭が水道料金の請求を恐れてごまかしを図る話で,途轍もなくスリリングな物語に仕上がっています。他作も些細な綻びが徐々に広がっていき破滅に至る様に手に汗握る。脇役の悪意にもヒリヒリする。

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2020/10/14

ブラックな読み心地のミステリ短編集。じわじわ来ます。どれを読んでも嫌ーな感じ。でもこういうの、好き。そもそもどん底に突き落とされてしまう登場人物にも非がないわけじゃないから、ある意味自業自得という気はします。しかしまあそこまでせんでも、ってのも思わないでもないかなあ。 お気に入り...

ブラックな読み心地のミステリ短編集。じわじわ来ます。どれを読んでも嫌ーな感じ。でもこういうの、好き。そもそもどん底に突き落とされてしまう登場人物にも非がないわけじゃないから、ある意味自業自得という気はします。しかしまあそこまでせんでも、ってのも思わないでもないかなあ。 お気に入りは「お蔵入り」。人はどんなことから恨みを買ってしまうことになるのか、これってなかなか気づけないことなのですよね。当事者にとっては重要なことでも、他人にとってはそれこそ他人事で些細なこと。その意識の相違が生み出してしまった悲劇というか、喜劇というか。 「埋め合わせ」も嫌だなあ。そんなこと、とっとと謝ってしまえばよかったものを……馬鹿だなあ、と思いますが。でもどうにかしてごまかそうという思いを自分なら持つことはなかっただろうか、と思えば。断言はできない、かも。

Posted byブクログ

2020/10/11

ごまかそうとすればするほどドツボにハマる話の短編集。 読んでいて気持ちよくはないが、「ミモザ」のラストは意地が悪くて好きだ(笑)

Posted byブクログ