悪い夏 の商品レビュー
登場人物全員、必死に生きていてそのベクトルがおかしくなっていって狂っていく様子が最高に残酷でおもしろかった。非日常を味わせてくれた作品。
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クズしか出てこん、そうでなかった人もクズになっていく話だった!でも意外と身近に有る、誰にでも起こり得る話。真っ当に生きるって案外難しいんだな。日本全体が徐々にそっちに傾いていってないか?と、ゾワっときた
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人間転落する時はあっという間。 無理矢理ジェットコースターに乗せられたように読み進めるのを止められなくなった。 気持ち良い話では全くないけど、読み終えて真っ当に生きようと思えた。
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フォローしてる皆様の本棚でよく見かけたので手に取らせていただきました。 舞台は生活保護を取り巻く環境下。 初読の著者の為、作風がわからず展開の予測が出来ません。 クライムノベルやバイオレンス小説へ転ぶのか?「伊坂幸太郎 ラッシュライフ」の様に一つのエンディングへ全ての因果関係とし...
フォローしてる皆様の本棚でよく見かけたので手に取らせていただきました。 舞台は生活保護を取り巻く環境下。 初読の著者の為、作風がわからず展開の予測が出来ません。 クライムノベルやバイオレンス小説へ転ぶのか?「伊坂幸太郎 ラッシュライフ」の様に一つのエンディングへ全ての因果関係として収束するのか? 物語がどちら側へ転ぶのか境界線ギリギリのところで綱渡りをしてる感がヒリヒリしてページを捲る手が止められませんでした。
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途中から何となく展開は読めてしまったが、オチはそうきたかと。サラっと読めるストーリー。ミステリー要素はなし。様々な登場人物の視点から書かれているが、子供たち視点も描いて欲しかったかな。
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「正体」に続き、こちらも読了。 佐々木守の人となりがよく伝わってくる一方で、だからこそあの結末であるというのは中盤にかけて薄々気付きつつも、ページをめくる手が止まらなかった。 序盤で読者の心象の悪さを掻っ攫った山田が、詰まるところ最も正しい感覚を持った人間ではないかと感じた。 が...
「正体」に続き、こちらも読了。 佐々木守の人となりがよく伝わってくる一方で、だからこそあの結末であるというのは中盤にかけて薄々気付きつつも、ページをめくる手が止まらなかった。 序盤で読者の心象の悪さを掻っ攫った山田が、詰まるところ最も正しい感覚を持った人間ではないかと感じた。 が、「正しい」って一体なんだろうか? 正しく回る社会の中で、知らずのうちに悪さに加担しているかもしれない。もしそれに気付いてしまったら。 今年のジメジメした夏にぴったりな一冊でした。
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生活保護の不正受給、それに関わる行政の仕事ケースワーカー、受給者から搾取するヤクザ。知らなかった世界を垣間見ることが面白く、凄すぎる展開に没頭して一気読みしました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす!
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「そして如何なる?」と「続き」が気になり、頁を繰る手が「停め悪い」というより「停められない」という状態に陥ってしまう。或る日の夕刻に紐解き始め、夜、深夜、早朝、午前中と時間を設けて「停められない」状態で読み続け、素早く読了に至って余韻に浸った。 2017(平成29)年に単行本とし...
「そして如何なる?」と「続き」が気になり、頁を繰る手が「停め悪い」というより「停められない」という状態に陥ってしまう。或る日の夕刻に紐解き始め、夜、深夜、早朝、午前中と時間を設けて「停められない」状態で読み続け、素早く読了に至って余韻に浸った。 2017(平成29)年に単行本として登場した本作は2020(令和2)年に文庫化された。そして2023(令和5)年に文庫は「22版発行」である。大ヒット作品だ。個人的には「自身で読んで面白いか否か」ということだけが重要で、ヒット作品であるかその限りでもないかは如何でも構わないと考えている。が、それでもこの程度に増刷が重ねられているということになると、夢中で読む人達が多い作品なのだと理解し易くなる。そして自身でも本作を素早く読了して納得だ。 視点人物を適宜切替えながら、テンポ好く展開する物語ではある。が、最も主要な視点人物は26歳の市役所職員で、生活保護のケースワーカーという役目を担っている佐々木守ということになるであろう。 物語の舞台は「船岡市」という「或る街」に設定されている。「千葉県の北西部に在る人口30万人程の街」という設定だ。作中に東京都内の実在する地名も登場はするのだが、主な舞台になる「船岡市」は架空の街となっている。これは「辺りで一際大きな街と往来し易いような範囲の、各々の事情を抱える多様な人達が各々に生きている街」ということで、何処の地方でも構わなかったのかもしれないと思った。 街には様々な人達が各々の事情を抱えて暮らしている。そういう人達が動き廻り、幾つかの人生が交差する辺りに物語が生じる。そういうような感じの、何となく「群像」という程度に漠然と感じる可能性も在る物語というのは色々と見受けられる。本作もそういう感は在ると思う。が、主要視点人物の佐々木が携わる生活保護というような事柄の背後には、各々の事情を抱えた人達の様々な物語が在る筈だ。 物語は、夏の暑い盛りの或る日、佐々木が市役所へ出勤しようとするような場面から起こる。 佐々木は市役所の人事ローテーションで、最初に配属された課で3年間勤務した後に福祉の担当に移動し、課長の嶺岡に「3年程度は」と言われてケースワーカーの役目を担うことになり、日々懸命に業務に取組んでいた。 佐々木の職場には、年長で30歳代の高野や、同年齢の女性である宮田が在った。外を回る際にパチンコ屋等に寄ってサボるということも在るらしい、飄々とした調子なのが高野である。対して生活保護の給付を少しでも減らすべく努力し、佐々木と同時期にケースワーカーの仕事に就きながら圧倒的に実績を上げているのが宮田である。 佐々木は高野や宮田と個人的に親しいのでも何でもない。が、或る日、宮田は仕事の後に相談したいことがあると言って来た。 宮田の話しを聴いた佐々木は驚いた。「ファミリーレストランで隣席になった2人の若い女の話しが聞こえてしまった」として、或る市民から電話が市役所の福祉課に架かった。宮田がそれを聴いた。生活保護給付をする、しないというようなことで受給者を恫喝し、金銭を一部巻き上げ、受給者の女性に肉体関係を迫るようなことをしているケースワーカーが在るらしいというのだ。そして驚く佐々木に対して宮田は、上司に報告することや警察への告発の以前に、少し調べなければいけないと言い出す。 佐々木は、警察はともかく、上司への報告は必要と内心では思いながらも宮田に付き合うというようなことになった。そして金銭を巻き上げられ、肉体関係を迫られているという女性を特定し、事の真相を確かめるべく本人を訪ねてみることとした。 不正なことをするケースワーカーも、不正に生活保護の給付を受けようとする人達も在る。他方、真摯に緊急避難的に生活保護受給というようなことが必要な場合も在る。こうした中で色々な人達の様々な思惑が在って、思惑に基く動きが交差して行って渦が生じる。その渦の中に佐々木は巻き込まれて行ってしまう。 「生活保護」に関しては色々な課題等が論じられている。そういう議論や、様々な種類の「不正」のこと等、様々な要素を物語の中に取り込み、そして「佐々木」が巻き込まれる渦の様子が描かれる。その様子は正しく悲喜交々ということになるであろう。読後の余韻が非常に深い感じの物語でもある。 全体を通じて「そう来たか?!」というような驚きが途切れない感じだ。御薦めしたい。
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文章や、題材はすごく良かった。 真面目に生きている人や、真面目に生きてきた人が、何かの拍子に手のつけられないくらい最悪な事態になってしまう。 そこに反社会の人が絡んでくる話が私は本当に大嫌い。読んでいて胸糞だった。 ただ一生懸命に生きてる人をたった一瞬で地獄に突き落とす、それも...
文章や、題材はすごく良かった。 真面目に生きている人や、真面目に生きてきた人が、何かの拍子に手のつけられないくらい最悪な事態になってしまう。 そこに反社会の人が絡んでくる話が私は本当に大嫌い。読んでいて胸糞だった。 ただ一生懸命に生きてる人をたった一瞬で地獄に突き落とす、それも脅しや暴力で、、、 対等な感じがしないそのやり方が本当に嫌い。 そうなってしまうとどこまでも最低になるので、落とし所をそこにしないで欲しかった。 最後の望みをかけて、行政に相談に来る人も居る。 その窓口の仕事をしている人は、本当に慎重にならなければいけない。そこをもっと読んでみたかった。
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