バブル の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
バブル世代として、心惹かれるタイトルだったので手に取る。 大前提として小説だと思っていたので、バブル期に就職した男女雇用機会均等法時代の女性たちに話を聞いたルポとは思わなかった。 社会情勢や経済情勢を横軸に、自分の働いてきた歴史を縦軸に描いた、ということなんだろうが、それが成功しているとは思えなかった。そうしたいのならば、もう少しやりようがあるのでは? ただ、角川書店から独立して幻冬舎を立ち上げる見城氏について角川書店を辞め、仕事に邁進するあたりはおもしろかった。見城氏のそばにいた一人の人間として、そこだけを描くと、出版や編集の仕事に関係ない人にも興味深いのでは。
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1985年のプラザ合意から始まるバブルと言われる時代。その頃の高揚感は経済や政治が舞台というだけではなく、個人ひとりひとりの生活に沁み込んだ気分の総和だったりするような気がします。だから、あの頃生きていた日本人それそれにそれぞれのバブルの物語があるのだと思います。昭和の終わり、と...
1985年のプラザ合意から始まるバブルと言われる時代。その頃の高揚感は経済や政治が舞台というだけではなく、個人ひとりひとりの生活に沁み込んだ気分の総和だったりするような気がします。だから、あの頃生きていた日本人それそれにそれぞれのバブルの物語があるのだと思います。昭和の終わり、と記されているので1989年頃に社会に出た著者のバブルの物語は、イコール「働き方」の物語でした。リゲインが「24時間、戦えますか?」と冷静に考えたら絶対無理な進軍ラッパをCMで鳴らし続けていた時代です。それは同時に1986年の男女雇用機会均等法によって変わる女性と仕事を会社が扱いあぐねていた時代(しかも、今もそれは続いている…)でもありました。なので、著者自身のイケイケメモリーズを縦糸に、同時代の専業主婦を選ばなかった女性のインタビューを横糸に織り上げた「あの頃の会社と仕事と私の人生」という記録の書になっています。婦人公論という雑誌の連載ということで、そういう構成なのかもしれません。やはり自分事なのでタテの物語が濃厚です。それは仕事の中でも時代の風をもっとも受ける雑誌編集者という彼女の選んだ(いや、巡り会った)仕事がもっともバブルっぽかったからなのか…。1997年に発行部数のピークを迎える雑誌の世界は上り坂と下り坂の落差が顕著だからなぁ〜。しかも、彼女が人生を掛けて働いたのが月刊カドカワと幻燈社の見城徹ワールドだもんなぁ〜。それはそれは激しい物語です。でも、ポイントはその世界からいかに抜け出たか、が一番、今、共有しれもらう価値があるのかも。その後の身体の変調も含め、また今回、いまいち理解しきれなかった退社のいきさつも含め、本書の続編という「バブル、その後」に期待します。2020年、with coronaで向き合ったのは、働く、ということ。そういう意味では、「コロナ」と「バブル」は真逆の時代なのだと思います。本書を読みながら、「コロナ」はどんな「会社と仕事と私の人生」を生み出すのだろうと、考えました。
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いわゆるロスジェネ世代の僕は、どうしてもバブル世代の「若い頃はハンパない仕事をこなした」言説を、冷めて聞いてしまう。 だって、口だけなんだもん(笑)みたいな。 長い話をする前に手を動かしませんか?みたいな。 まあ、そう言ったことは置いておいて、この本はとても面白いです。 バブル...
いわゆるロスジェネ世代の僕は、どうしてもバブル世代の「若い頃はハンパない仕事をこなした」言説を、冷めて聞いてしまう。 だって、口だけなんだもん(笑)みたいな。 長い話をする前に手を動かしませんか?みたいな。 まあ、そう言ったことは置いておいて、この本はとても面白いです。 バブル真っ只中、男女雇用機会均等法が施行された平成元年あたりに就職した女性たちの生きざまを描いたノンフィクション。 特に著者の山口ミルコさんは、外資の損保会社、大手出版社を経て、幻冬舎の立ち上げに参画し敏腕編集者として活躍された。あのベストセラー「大河の一滴」(残念ながら未読…)の担当者だったとのこと。 会社ラブで生きつつも、会社内の評価に納得できず退社。その後乳がんを発症。ガン・サバイバーとして現在に至る。 前述のようにバブル・アレルギーを持つ僕だけど、ミルコさんのたくましさには胸を打たれた。 カッコいい人はいつの時代に生きてもカッコいいんだという、当たり前のことを改めて認識。 平成時代後半を描く次作にも期待。
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