やがて訪れる春のために の商品レビュー
Posted by
心優しいあったかいお話 お花の名前は知らなくても困らないけど知っている方が豊かで幸せな気持ちになる ハルは桜の木や実のなる植物やバラなど季節季節で大切にしていてそこに訪れる人や小鳥やネコも合わせて庭か完成している まめがおばあちゃんを想って庭を仕上げていくさまに力をもらえる
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今の私には今の私にできることしかできない 2022.4.10読了 親友と恋人に裏切られ、仕事を辞め一度、色んなことを白紙にした主人公のマメ子が再生していくと共に、家族の繋がりも紡いでいく物語。優しいお話だけど、奇跡が起こったりもせず、家族の老いという受け入れていかなくてはいけないことも描かれている。 認知症の症状だろうと思っていたことが、実は実際に起きていたことだったり。でも認知症の症状も明らかにあって。周りも翻弄されてしまうけれど、実は本人は、どれも真実だと思えるのに、認知症の症状だと言われてしまうと、本人こそ何が真実で何が違うのか不安で不安でしょうがないだろうなと思った。否定するのではなく、その人なりの意図があるのかもしれないし真実なのかもしれないし、寄り添うことが大切なのだろう。その人の思うようにさせてあげたいと思うけれど、現実的にはそうもいかないところもあって、親と子という立場だとぶつかり合ってしまうこともおおそう。祖父母と孫という立場だと現実的に無理なこともあるかもしれないけどよい距離感で気持ちを汲むことはできそう。そうやって子供や孫、家族みんなで意見を出し合ってサポートしていくことが大事なのだろうな。 要約 親友と恋人に裏切られた主人公のマメ子。一度仕事を辞め、リセット状態。そんななか、幼き頃一緒に暮らしていた祖母、ハルばあが入院し久しぶりの再会。一人暮らしのはるばあから一緒に暮らしていた家の庭が心配だからみてきてほしいと頼まれる。しぶしぶ久しぶりに訪れてみたところ、庭も家の中も悲惨なありさまに。そこから祖母が認知症であることに気づく。ハルばあが家に戻った時にかつての庭を取り戻すと心に決めたマメ子は、周囲の人の協力を得ながらかつてのお家を取り戻していく。庭の再生を図るとともに自分の夢であったカフェをその庭で開くこととなり、はるばあを始めとした家族を招き、久しぶりに家族が集い、温かな時を過ごせた。はるばあは、マメ子に庭を譲り、その後新たに骨折するとともに認知症もすすんでいってしまった。マメ子の庭では、春を待つとともに、また来てくれるはるばあも待っているというタイトル回収。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
祖母が入院した。 認知症も気になる祖母… 祖母は、庭の様子を気にしていた。 ちょうど、会社を辞めていた真芽が祖母宅へ行くと庭は荒れ果てていた。 そこで庭の手入れをするうちに隣りの爺さんや遊びにくる子どもたちに庭のハーブや果物でお菓子をふるまうという話。 庭で植物(ハーブや果物の木や花)を育てる人は、尊敬する。理想である。自分は全くできないから余計にそう思う。 何を植えても枯らしてしまうので…。 庭の手入れが行き届いているお家をついつい覗いてしまう。 美しい庭、憧れである。 そんな気持ちを思い出させてくれた気がする。
Posted by
(一万円選書) 勢いで会社を退職した真芽は、かつて祖母と暮らした家の庭の惨状に驚き、庭の再生を行う。祖母は骨折で入院しているが認知症も患っている。いつか祖母が帰ってきたときのために庭を再生しようとする。それは、真芽にとっての再生でもあった。 「誰かのため」に何かを行うことの喜びと...
(一万円選書) 勢いで会社を退職した真芽は、かつて祖母と暮らした家の庭の惨状に驚き、庭の再生を行う。祖母は骨折で入院しているが認知症も患っている。いつか祖母が帰ってきたときのために庭を再生しようとする。それは、真芽にとっての再生でもあった。 「誰かのため」に何かを行うことの喜びと使命。夢を諦めないこと。人と人とのつながり。よくあるテーマですが、植物を通しての季節の移ろいなどを感じながら読んだ。
Posted by
まめ子(真芽〕が認知症で入院したおばあちゃんの庭を再生しながら、夢や希望を叶えていく。 食べること、庭の草木を愛でること、季節を感じること、人と触れ合うこと、大切なことを穏やかにゆっくりと感じることができる、まさにあたたかな春を感じる本。 土地の件はうまくいきすぎ?感はあるけど、...
まめ子(真芽〕が認知症で入院したおばあちゃんの庭を再生しながら、夢や希望を叶えていく。 食べること、庭の草木を愛でること、季節を感じること、人と触れ合うこと、大切なことを穏やかにゆっくりと感じることができる、まさにあたたかな春を感じる本。 土地の件はうまくいきすぎ?感はあるけど、ハッピーだからいいか。 この先の未来も楽しみな終わり方。
Posted by
はらだみずきさんと言えば、 サッカーというイメージがあった。 「サッカーボーイズ」シリーズの鮮烈なデビュー、 その後しばらくはサッカーやスポーツを テーマにした物語が多かったように思う。 本作にはそうした話題は出てこない。 手痛い失恋で突発的に会社を辞め、 目下やることなしの村...
はらだみずきさんと言えば、 サッカーというイメージがあった。 「サッカーボーイズ」シリーズの鮮烈なデビュー、 その後しばらくはサッカーやスポーツを テーマにした物語が多かったように思う。 本作にはそうした話題は出てこない。 手痛い失恋で突発的に会社を辞め、 目下やることなしの村上真芽さん。 自分の行く先も見えないけれど、 それと同じくらい心配なのは家族のこと。 久しく会ってない祖母が骨折して入院、 認知症の疑いもあるという。 真芽さんは祖母が一人暮らす家を訪れる。 かつて子ども時代、自身も暮らしていた家だ。 そこから物語は展開する。 スポーツの健やかさや上昇感と異なり、 停滞からの緩やかな再生や老いがテーマとなる。 両極ともいえるテーマだけど、 こぼれ落ちる眩しい日差しや、 足元の大地をしっかり踏みしめる感じは 引き継がれ共通している。 季節に四季があるように人生にも四季がある。 春や夏の身体が軋むような激しさに対し、 秋や冬には陽だまりのようなやわらかさが似合う。 いつか終わりも来る。 これからも、はらだみずきさんの作品が見逃せない。
Posted by
植物がいくつも出てくるところ、年齢層が幅広くつながっていくところが好きなんだなぁ。 小さなまめ子がつぶやいた一言でまかれた種が少しずつ根をおろし、広がっていく。いいなぁ。 このタイトルにこめられた意味は最後にわかる。こういう世界観、空気感、ほっとする。たとえ現実では無理かもし...
植物がいくつも出てくるところ、年齢層が幅広くつながっていくところが好きなんだなぁ。 小さなまめ子がつぶやいた一言でまかれた種が少しずつ根をおろし、広がっていく。いいなぁ。 このタイトルにこめられた意味は最後にわかる。こういう世界観、空気感、ほっとする。たとえ現実では無理かもしれないと思っても。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【一万円選書】西の魔女が死んだ、や、リトルフォレストを彷彿とさせるお話だけど、まず舞台が千葉というのがいいな。東京経済圏に飲み込まれて、いつでも帰れる距離感故に帰るのが億劫になる距離。。鎌倉とか横浜みたいに知られた観光地でもない目立たない、都会でもなければ田舎でもないそんな土地。きっかけから再発見。物語の先が幸せであればいいけど山あり谷ありで進んでいくんだろうなと思わせる引き。静かで心地よい心休まる読書でした。
Posted by
人は必ず老いる。 自分が老いることは当然だと思って そこまで衝撃は受けないけど、 身内が老いるのはこたえる。 でも、老いは受け入れるしかない。 老いていく相手に自分に何ができるか、 最適解を求めながら、 頑張ることで、 自分も人生を切り拓いていけるのだろうな。
Posted by