『こち亀』社会論 の商品レビュー
1976年から2016年まで約40年間、少年 ジャンプで連載された「こち亀」。 ギャク漫画というジャンルでくくられてし まいますが、内容はその時代時代の世相が 反映されていて、当時の流行や生活スタイ ルを知ることができる一種の学術的な要素 も併せ持っています。 この本では、そ...
1976年から2016年まで約40年間、少年 ジャンプで連載された「こち亀」。 ギャク漫画というジャンルでくくられてし まいますが、内容はその時代時代の世相が 反映されていて、当時の流行や生活スタイ ルを知ることができる一種の学術的な要素 も併せ持っています。 この本では、そんな要素を浮世絵と同格に とらえています。 現代の日本は浮世絵を通して江戸時代の生 活用式を知ることができます。それと同じ です。 今では「サブカルチャー」でとして地位が 確立されたアニメなどが、この40年間で どのように扱われていったのか、スマホと いう小型のコンピューターがどういう歴史 を経て我々の必需品となったのか、などが 「こち亀」で知ることができるのです。 昭和、平成の風俗史を振り返ることができ る一冊です。
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あとがきのあと『こち亀』社会論 稲田豊史氏 昭和から平成の世相重ねる 2020/10/3付日本経済新聞 朝刊 「『こち亀』は現代の浮世絵だ」。1976~2016年、「週刊少年ジャンプ」に一度の休載もなく連載された秋本治著「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、一貫して庶民の目線で、飾...
あとがきのあと『こち亀』社会論 稲田豊史氏 昭和から平成の世相重ねる 2020/10/3付日本経済新聞 朝刊 「『こち亀』は現代の浮世絵だ」。1976~2016年、「週刊少年ジャンプ」に一度の休載もなく連載された秋本治著「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、一貫して庶民の目線で、飾ることなくその時代の空気を描き続けた。「下町文化啓蒙的な役割ばかりが強調されがち」な大作を改めて読み解き、昭和~平成の日本社会を追う力作だ。 いなだ・とよし 74年愛知県生まれ。DVD業界誌編集長、書籍編集者を経てフリーの編集者・ライター。著書に『ぼくたちの離婚』『セーラームーン世代の社会論』など。 いなだ・とよし 74年愛知県生まれ。DVD業界誌編集長、書籍編集者を経てフリーの編集者・ライター。著書に『ぼくたちの離婚』『セーラームーン世代の社会論』など。 主人公の警官、両津はバブル期には地価狂乱で9億円をせしめ、90年代半ばにはパソコンを徹底的に解説、毛嫌いしたこともあるアニメなどのサブカルも00年代には存分に楽しむ。 経済、都市論、最新技術、両津のビジネス――。語るべきテーマを決めた後、所持していたコミックス全巻を読み返し、採り上げる場面をテーマごとに分類、執筆に際して該当箇所を読み返す。数カ月にわたる気の遠くなりそうな作業を経て作り上げた。「原典は200冊。そこに必ず"答え"があると思ってやり切りました」と笑う。 全盛期に600万部を誇った人気少年誌に載り続けた影響力を鑑みて、こち亀の「ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)」も検証した。90年代に至っても両津はのぞきをし、00年代でも女性警察官が「結婚のポイントは料理」といった発言をする。「糾弾する気は一切無い。それが当時の一般的な男性の感覚だったということ。ただ、自分で気づいて矯正している人はいいが、そうでない人もいるので指摘はしておかないと」 「美少女戦士セーラームーン」や「ドラえもん」を扱った過去の著書では作品ファンからの反響が大きかったが、今回は異なるという。「大学の研究者など、いわゆるホワイトカラーの人からの反響が大きい。全巻を通読している人は意外と少なくとも、子供の頃に読んだこち亀で世の中の仕組みを学んだ人にとっては、普段は意識しない精神的なインフラになっているのかな」(イースト・プレス・1700円)
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ジャンプ初登場時、まさに漫画少年(読者として)だった。ただ、当時のお目当ては『サーキットの狼』であり、ギャグ漫画系ではチャンピオンの『ガキデカ』や『マカロニほうれん荘』の印象が強い。 いつしか漫画雑誌も読まなくなり、しばしの時が過ぎたのち、幼稚園頃の子供と一緒に見たのが、国民的ア...
ジャンプ初登場時、まさに漫画少年(読者として)だった。ただ、当時のお目当ては『サーキットの狼』であり、ギャグ漫画系ではチャンピオンの『ガキデカ』や『マカロニほうれん荘』の印象が強い。 いつしか漫画雑誌も読まなくなり、しばしの時が過ぎたのち、幼稚園頃の子供と一緒に見たのが、国民的アニメ主人公と化した両さんだった。 それからさらに15年ほどの連載を重ね、コミック200巻をもって連載終了となる。 一度も稿を落とすことなく40年書き継がれた同作を、庶民目線という定点観測で世情を写した定点観測として、その意義を問うのが、本書の趣旨である。その主張は極めて多岐に渡るため流石にサマリーでたお伝えできないが、「両さん」になんらかの思い入れのある人なら、きっと一気読みできる内容だ。 「#『こち亀』社会論」(イースト・プレス、稲田豊史著) Day251 https://amzn.to/371tbwL
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