えにし屋春秋 の商品レビュー
人と人の縁を結ぶ、または縁を切る、という生業の『えにし屋』に、依頼を持ち込んだ2つの家族のお話。その1の「花曇り」はすったもんだありながら2人の娘が逞しく己の意思を貫く結末が良かったけれど、その2の「夏の怪」はホラー?と思わせられたり真相が重かったり最後までドロドロだった。悪にま...
人と人の縁を結ぶ、または縁を切る、という生業の『えにし屋』に、依頼を持ち込んだ2つの家族のお話。その1の「花曇り」はすったもんだありながら2人の娘が逞しく己の意思を貫く結末が良かったけれど、その2の「夏の怪」はホラー?と思わせられたり真相が重かったり最後までドロドロだった。悪にまみれた過去から這い出してきたえにし屋のお頭と初は今も不穏な空気を感じて怯える。またシリーズ化するのかな。
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浅草・浅草寺の裏手にある、ひっそりと建つ仕舞屋。 それが「えにし屋」 『人と人との縁を結ぶ。或いは、縁を切る』を生業としている。 えにし屋には、お初、お頭(才蔵)、太郎丸、そして、通いの女中、お舟の4人が居る。 お初とお頭は、裏社会での生活から抜け出した過去があり、絆が有った...
浅草・浅草寺の裏手にある、ひっそりと建つ仕舞屋。 それが「えにし屋」 『人と人との縁を結ぶ。或いは、縁を切る』を生業としている。 えにし屋には、お初、お頭(才蔵)、太郎丸、そして、通いの女中、お舟の4人が居る。 お初とお頭は、裏社会での生活から抜け出した過去があり、絆が有った。
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あさのさんの時代モノ。 人と人との縁を結び、あるいは縁を切る・・・縁(えにし)を生業とする〈えにし屋〉を巡る物語。中編二話が収録されています。 お見合いの前日姿をくらました奉公先のお嬢様・お玉の身代わりとなった奉公人・おまいと、〈えにし屋〉の“お初”との出会いから、お玉の失踪...
あさのさんの時代モノ。 人と人との縁を結び、あるいは縁を切る・・・縁(えにし)を生業とする〈えにし屋〉を巡る物語。中編二話が収録されています。 お見合いの前日姿をくらました奉公先のお嬢様・お玉の身代わりとなった奉公人・おまいと、〈えにし屋〉の“お初”との出会いから、お玉の失踪騒動の顛末を描いた、その一(第一話)「花曇り」。 妻女の恐ろしい一面を見てしまい、〈えにし屋〉に縁切りを依頼してきた武家・吉野作之進の末路と、彼の妻女・孝子の闇を描いた、その二(第二話)「夏の怪」。 第一話は“縁結び”につながる人情噺だったのに比べて、第二話は様相がガラッと変わって”“縁切り”がテーマのサイコサスペンス的な展開の話で、まさに“陰と陽”という二面性を楽しむことができました。 決められた安全な道ではなく、困難かもしれないけど、自分の選んだ道を歩むことを決意したお玉と、玉の輿を断って奉公を継続することを選択したおまいの前向きなラストの第一話も良かったですが、 第二話のダークさは、“弥勒シリーズ”を彷彿とさせるものがあって、“人の心に潜む鬼”の部分をうまく描いているなぁとゾッとしつつも感心した次第です。 さらに、この第二話では吉野家の顛末と併せて〈えにし屋〉のお初と才蔵の壮絶な過去も描かれていて、彼らの抱えてきたものや、彼らの複雑な関係性の上に成り立つ絆の描き方が絶妙で、読ませるものがありました。 お初(初)、才蔵、お舟、太郎丸・・〈えにし屋〉メンバーの活躍をまた読みたいな・・と思ったら、最近続編が出た模様です。 今度はどのような“縁(えにし)”の物語なのか、是非そちらも読んでみようと思います~。
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これまた昏い宿命を負う連中が、縁(えにし)を生業にするとは。「男だ女だと言う前に、人は人としての定めを生きております」と、当世にようやく到達しようとせん価値観を、近世に振りかざすのが愉快だ。結婚は家と家とを結ぶもの、女は子を成し家を継ぐのが務め。二話ともに当時の常識に抗う女たち。...
これまた昏い宿命を負う連中が、縁(えにし)を生業にするとは。「男だ女だと言う前に、人は人としての定めを生きております」と、当世にようやく到達しようとせん価値観を、近世に振りかざすのが愉快だ。結婚は家と家とを結ぶもの、女は子を成し家を継ぐのが務め。二話ともに当時の常識に抗う女たち。一途な娘であったり、鬼と化した女房であったり。初は、すんでのところで殺戮家業の連中に囲まれることなく、才蔵に救われて人心を保っている。と思いきや、迫る悪党をあっさりと転がす(殺める)達者ぶり。ただ、弥勒シリーズの魅力には及ばんか。
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縁を結んだり切ったりするえにし屋という商売。前半は一人の女の子を呪いから解いたという解釈をしました。爽やかな後味だったのに対して後半の話は可愛らしい装丁からかけ離れた怖い話だった。吉野さまは可哀想な結末だったけど孝子の気持ちもわかる。初さんとお頭の過去の因縁も含めてとても闇を感じる。
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人の縁を結んだり、断ち切ったりする事を生業とする「えにしや」。その店のお初は人目を引く程の佳人であるが、実は男である。「えにしや」の主人であり、初の育ての親である才蔵の指示のもと様々な仕事をこなしている。女中をその店のお嬢様の替え玉にしてお見合いをさせたり、妻が化け物だから離縁し...
人の縁を結んだり、断ち切ったりする事を生業とする「えにしや」。その店のお初は人目を引く程の佳人であるが、実は男である。「えにしや」の主人であり、初の育ての親である才蔵の指示のもと様々な仕事をこなしている。女中をその店のお嬢様の替え玉にしてお見合いをさせたり、妻が化け物だから離縁したいと言ってきた武士の訳ありの話を聞いたり。そんな初と才蔵にも人には決して言えない過去があった。 「えにしや」の仕事の話と言うよりは初の来し方の話がほとんどで、えにしやの話をもっと読みたかった私としてはちょっと肩透かしかな。
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人のご縁を結んだり切ったりする「えにし屋」 艶やかで粋な「お初」と、主人「才蔵」が営む一風変わった仕事を描いた時代小説 前半はお見合い編 芯が通った清々しい物語 …と言っても一筋縄ではいかない 後半は、お初と才蔵の過去がドロリと語られる 運命、縁、人の情を深く感じる作品です...
人のご縁を結んだり切ったりする「えにし屋」 艶やかで粋な「お初」と、主人「才蔵」が営む一風変わった仕事を描いた時代小説 前半はお見合い編 芯が通った清々しい物語 …と言っても一筋縄ではいかない 後半は、お初と才蔵の過去がドロリと語られる 運命、縁、人の情を深く感じる作品です
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「人と人との縁」を商いとする「えにし屋」には、さまざまな依頼が寄せられる。「えにし屋」を取り仕切っているのは才蔵。お初は化けるのが得意な従業員。
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えにし屋なるもの、縁結びの仲人屋のようなものなのか?と、あさのあつこ氏の本を手にとった。 2話からなる。 浅草の油屋 利根屋の一人娘 お玉の縁談に、見合いの前にお玉が、家出を・・・ 利根屋としては、娘大事、お店大事で、身代わりに奉公人のおまいを化けさせるのだが、・・・・ そのえ...
えにし屋なるもの、縁結びの仲人屋のようなものなのか?と、あさのあつこ氏の本を手にとった。 2話からなる。 浅草の油屋 利根屋の一人娘 お玉の縁談に、見合いの前にお玉が、家出を・・・ 利根屋としては、娘大事、お店大事で、身代わりに奉公人のおまいを化けさせるのだが、・・・・ そのえにしの鍵を持つのが、えにし屋のお初。 男なのだが、見事な女装で、誰にも気づかれない。 設定が、上手い! しかし、蝶よ花よ!と、大事にされていたお玉が、連れ子のある作蔵と一緒に生活が、本当に出来るのだろうか? そして、惣之助が、思い描いていた女性 利根屋の奉公人のおまいとを見つけだし、求婚するのだが、それをおまいは、はねつけるのだが、・・・・ 惣之助の傲慢さが、少し、弱い感じがする。 物語りとしては、めでたしめでたし!なのだが、親の身になれば、可愛い娘を コブ付きの長屋住まいの男と、一緒にするのに、一瞬で、気持ちを替えられるのだろうか?と、・・・・ 2話は、もっと複雑な、人間関係が、・・・ 妻と縁を切りたい、武士の吉野作之進が、妻は、化け物だと・・・・ お初が、その化け物になったと、思われる節を語ると、作之進は帰っていくのだが、殺されてしまった。 なぜ?そうなるのか?と、思いながらも、お初が、男から女形の格好になった背景とお頭の才蔵の過去が、語られている。 自分の両親と兄も殺され、家も焼かれて財産も全て亡くしたのに、恨みも持たずに居られるのだろうか? 怪我をしたお初、重荷も苦労も、役目も務めも背負わねばならぬのは、人の定め。男だ 「女だという前に、人は人としての定めを生きないといけない。 どのような形をしていても、我は我でしかない。」と、お初は、作之進の妻孝子へ、この言葉を投げかける。 今の時代でも、通用する言葉であると思う。 少し、話が複雑であったけど、シリーズものになりそうな・・・気配がする。
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人と人の縁を繋ぐ、えにし屋とその客人たちの物語2編。 1つ目はまるでシェイクスピアの喜劇的展開。おまいちゃんの成長がめざましいし、自分を大切にできてよかった……。対して2つ目は人間のダークなところが多い。お初や老人の正体や過去も1つ目からは想像出来ない。孝子様が一番怖くて、ド...
人と人の縁を繋ぐ、えにし屋とその客人たちの物語2編。 1つ目はまるでシェイクスピアの喜劇的展開。おまいちゃんの成長がめざましいし、自分を大切にできてよかった……。対して2つ目は人間のダークなところが多い。お初や老人の正体や過去も1つ目からは想像出来ない。孝子様が一番怖くて、ドキドキした。でもそうなってしまった悲しい過去なんだよなあ……。
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