みちづれはいても、ひとり の商品レビュー
結婚はしているけれど、子供はいない。しかも夫と別居中で、ちょっと前まで契約社員で今は職を探している弓子39歳。 男とすぐに付き合ってしまうけれど、二股をかけない、既婚者とは関係を持たない、というルールがある、独身で休職中の楓41歳。 弓子の夫は島で生まれたのだが、その島で夫を見...
結婚はしているけれど、子供はいない。しかも夫と別居中で、ちょっと前まで契約社員で今は職を探している弓子39歳。 男とすぐに付き合ってしまうけれど、二股をかけない、既婚者とは関係を持たない、というルールがある、独身で休職中の楓41歳。 弓子の夫は島で生まれたのだが、その島で夫を見かけた人がいると聞いて弓子と楓は島へ出かける。 夫を探すことが目的だったけれど、島での生活にも小さな出来事はあって・・・
Posted by
ポンコツ夫と別居中、職探し中の39歳弓子と独身、休職中の41歳楓が主人公。 ひょんなことから、弓子の逃げた夫を探しに島へ渡る物語。 人生観、普通とは何ぞやという価値観の描き方が寺地さんは絶妙。島にいたシズがサイコパスなのは初めからなんとなく分かっていたが、あそこまで暴挙に出るとは...
ポンコツ夫と別居中、職探し中の39歳弓子と独身、休職中の41歳楓が主人公。 ひょんなことから、弓子の逃げた夫を探しに島へ渡る物語。 人生観、普通とは何ぞやという価値観の描き方が寺地さんは絶妙。島にいたシズがサイコパスなのは初めからなんとなく分かっていたが、あそこまで暴挙に出るとは思わなかった。 うまくいかず、行き場のない思いを抱える2人だが、最後にはやはり、前向きな気持ちになっている終わり方が素敵。
Posted by
島に着いてから急激にサスペンスめいてきたからドキドキしていたけど、ちゃんと救いのあるラストでよかった。 みんな結局は1人きりだということが救いとして描かれていることに、本当に慰められる。 特に人間関係に疲弊してる時とか、自己犠牲に酔ってる時とかに。今だ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
主人公が36歳と40歳台ということで、自分の年齢より年上だったこともあり、内容の理解はできても少し入り込みにくいところはあった。 再婚した夫が、前妻の元にいる娘の支えになろうと奔走したり、遁走されてしまったり。はたまた、大好きだった男性と、別れの予感がしていたからとあっさり別れてしまったり。 人生経験豊富な女性2人が、「綺麗に生きる」物語ではなく「泥臭く生きる」ことを描いた物語だった。明るい希望というより、暗雲から差し込む光を感じるストーリー展開だった。読破にちょっぴり体力がいりました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
個人的にこの物語の重要な部分は、登場人物の弓子と楓がともに失業中であるということに感じる。普通なら、40前後で職がないとなると旅などしている余裕もないはずなのにこの2人は旅している。そこに私は励まされた。普通という言葉に、悩み苦しんできたからこそ。人と違うところに劣等感も感じなければ誇らしさも感じない。そこが凄くいいなと思った。
Posted by
実際にこの物語の登場人物が近くにいたとしたらまず、皆好きにはなれない。 だけど、皆寂しい人達で何かがそれぞれ異なる部分が欠けている。だからひとりなのかもね。 けど、人間ってそんなもん。そんな気がする。
Posted by
主人公の女性2人、39歳と41歳。 年齢ほどには、達観した大人でもない、だがしかし、高校生や20歳そこそこの頃のような考え方ももう出来ない。しないんじゃなくて、できなくなるんだよな。 主人公の弓子が幼い尚太君に言った、大人はいつも正しい事を言うわけじゃない、大人になったって何にで...
主人公の女性2人、39歳と41歳。 年齢ほどには、達観した大人でもない、だがしかし、高校生や20歳そこそこの頃のような考え方ももう出来ない。しないんじゃなくて、できなくなるんだよな。 主人公の弓子が幼い尚太君に言った、大人はいつも正しい事を言うわけじゃない、大人になったって何にでもなれるわけじゃないし、何でもできる様になれるわけじゃない。 だけど、少なくとも、自分の食べる物を自分で用意できる。 自分で、ひとりでだって、生きていける、歩いて行ける。 依存体質の人や搾取しようと近寄ってくる人や、色んな人がいますが、取り込まれない様自分の足で立って歩いて、生きていきましょう。
Posted by
読んでいくうちに弓子と楓の印象が変わっていった。 弓子:どっちつかずの優柔不断➔虐待する母親も、無責任な宏基のことも、面倒くさいシズのことも恨んだりせず受け止めている。かなり強い人? 楓:自由奔放な女性➔ヒラツカさんのことをずっと好きで一途?弓子や周りの男性に甘えてもいる。 ...
読んでいくうちに弓子と楓の印象が変わっていった。 弓子:どっちつかずの優柔不断➔虐待する母親も、無責任な宏基のことも、面倒くさいシズのことも恨んだりせず受け止めている。かなり強い人? 楓:自由奔放な女性➔ヒラツカさんのことをずっと好きで一途?弓子や周りの男性に甘えてもいる。 シズの言動がいちいちムカついたけど、この人もいろいろ葛藤があったんだなあ。 ムカつくと言えば、中沢さん以外の男性陣も腹立たしい! 「みちづれはいても、ひとり」の真意。すごくいい。
Posted by
題名の「みちづれはいても、ひとり」 って一見寂しい感じがするけれど、読んでみると凄くいい意味でのひとりで、前向きな良い終わり方だった。 弓子と楓の会話 「やさしいね、楓さん」 「そうでしょ。でも際限なく甘えないでね」 「甘えないよ」 ってところ好き。
Posted by
ー私の道を、ひとりで歩く。 〈あらすじ〉 夫と別居中の弓子は、アパートの隣人楓と時折食事をする仲だ。失踪した夫が地元の島にいるかもしれないという情報を知り、ふたりは休息と気分転換を兼ねて島へ旅行に出かけることにした。 〈感想〉 「みちづれはいても、ひとり」という言葉が、等身大...
ー私の道を、ひとりで歩く。 〈あらすじ〉 夫と別居中の弓子は、アパートの隣人楓と時折食事をする仲だ。失踪した夫が地元の島にいるかもしれないという情報を知り、ふたりは休息と気分転換を兼ねて島へ旅行に出かけることにした。 〈感想〉 「みちづれはいても、ひとり」という言葉が、等身大にストンと自分の胸の中に落ちてくる感じがしました。価値観が違う2人の旅行は散々なこともありつつ、少しずつ自分を見つめ、取り戻していきます。 でもこの2人と私もまた価値観が違うなあ、と思うのは、私にとっては「ひとりでも、みちづれがいる」という考えになることです。これってすごく大きな違いなんだろうなあと、読んでて弓子と楓のことを不思議に思う気持ちもありました。 爽快感もありつつ、私には不思議な感覚でもありつつ、また歳を重ねたらきっと読み方が違うのだろうなと思いました。
Posted by