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働き方改革の世界史 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/07/25

労働・雇用の二大巨頭といえる濱口桂一郎氏と海老原嗣生氏の共著。 といっても、本文の7割程度は労働思想の古典からの引用で占められている。 内容は「働き方改革の世界史」ではなく、「労働組合世界史」「労働思想史」。売れそうなタイトルにしたのは出版社の意向だろうか。 予備知識が必要で難解...

労働・雇用の二大巨頭といえる濱口桂一郎氏と海老原嗣生氏の共著。 といっても、本文の7割程度は労働思想の古典からの引用で占められている。 内容は「働き方改革の世界史」ではなく、「労働組合世界史」「労働思想史」。売れそうなタイトルにしたのは出版社の意向だろうか。 予備知識が必要で難解、議論レベルが高く、僕を含めた普通の人は、要旨だけつかむのがやっとで、一読では消化できないと思う。

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2023/08/01

タイトルは「働き方改革の世界史」だが内容は組合ばっかり。 正しくは「産業革命以降の組合史」。 日本特有の一企業内にある労働組合が左翼思想と親和性を持つ理由など書かれており興味深い。

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2022/09/02

タイトルは、「働き方改革の世界史」であるが、内容は、「資本と労働の対立と協調の近代史」、もっといえば「経営と組合の関係の近代史 国際比較」みたいな感じで、タイトルと内容はかなり違うかな? 本を買うまえに、いわゆる「働き方改革」の本ではないことを確認していたので、とくにそこについ...

タイトルは、「働き方改革の世界史」であるが、内容は、「資本と労働の対立と協調の近代史」、もっといえば「経営と組合の関係の近代史 国際比較」みたいな感じで、タイトルと内容はかなり違うかな? 本を買うまえに、いわゆる「働き方改革」の本ではないことを確認していたので、とくにそこについては違和感はなかった。 が、驚いたのは、近代史が歴史的な流れを通じて描かれるわけではなくて、この分野の「古典」の議論を紹介しながら、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、いわゆる欧米型の制度や現実の歴史が議論される。 そうした欧米型のもつ問題点を考えたときに、なぜか理想として浮かんでくるのが日本型の雇用制度というのが驚き。 たしかに、日本型の雇用制度はいわゆる「日本型経営」の重要なパートということで、70~80年代には世界の注目を浴びたのだが、その後の日本経済の凋落にともなって、忘れられていく。 と言っても、世界的にこれがよいという制度があるわけではなくて、結果的には、新自由主義的な個人と企業との関係というところに帰着しつつあるのかな? 今となっては、なんだったかわからない日本型の経営というものがあって、バブル崩壊後、それは否定され、欧米的な経営への転換をずっと模索して、一部の会社はなんとかなったのかもしれないが、日本企業の大勢は良くも悪くも日本型雇用のシステムのなかでもがいているのが現状かな。 歴史とか、国の文化、企業文化のなかでできあがったものは、なかなか変えることは難しいわけで、「過去の栄光」へのノスタルジックな退行になってしまうリスクはありつつも、なんらかの形で「日本型経営」を今のコンテクストのなかで再活用しているのが大事なのかな?と思っている。 そんな日頃の考えを、労働、雇用関係という視点でもう一度確認できるような本だったな。 歴史的な記述がもう少し欲しい気はするが、「古典」を通じて、問題にアプローチすることで、理論的に問題を理解できたと思う。 ちなみに、ここで紹介されている古典は、読んだことのないもの、というか、そんな本があることも知らなかったもの。 結構、なるほど感はあった。

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2021/03/30

労使関係の歴史について、主に欧米の古典を紹介しながら概説した本。 数年前に「ジョブ型」に触れた時も新鮮で仕方なかったが、本テーマも初耳な事ばかり。しかしまたもジョブ型/メンバーシップ型に接続する議論になるとは(考えてみれば当然だけど)意外だった。また欧米のジョブ型と一口に言っても...

労使関係の歴史について、主に欧米の古典を紹介しながら概説した本。 数年前に「ジョブ型」に触れた時も新鮮で仕方なかったが、本テーマも初耳な事ばかり。しかしまたもジョブ型/メンバーシップ型に接続する議論になるとは(考えてみれば当然だけど)意外だった。また欧米のジョブ型と一口に言っても歴史的経緯や背景から色々な違いや時代毎の変化があって、単純に良し悪しは語れない事も痛感した。 日本の労使関係論は切れ味鋭い渾身の一冊のみ紹介となっているが、連載は更に継続中の様なので、続編にも期待したい…。

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2020/11/13

ジョブ型雇用や労働組合に関する課題がなぜ生じているか、を歴史的経緯を踏まえて知れる1冊。 専門家チックな論説になりがちなテーマだが、平易に噛み砕いて説明してもらってる部分も多く、腑に落ちる内容も多いように感じた。 【オススメできそうな方】 ・組合に入ったばかりの会社員の方。 ※...

ジョブ型雇用や労働組合に関する課題がなぜ生じているか、を歴史的経緯を踏まえて知れる1冊。 専門家チックな論説になりがちなテーマだが、平易に噛み砕いて説明してもらってる部分も多く、腑に落ちる内容も多いように感じた。 【オススメできそうな方】 ・組合に入ったばかりの会社員の方。 ※「なぜ、どっちつかずの立場で立ち回らないといけないんだろう?」と感じている方。 ・新しく人事制度を構築することになった人事担当者の方。 ※「そもそもジョブ型とメンバーシップ型ってどういう経緯で差異が出たの?」と不思議に思う方。

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2020/11/10

労働政策の専門家と雑誌編集長による、労働運動の特徴を国別に述べた本。労働者の団結や労使交渉、ジョブ・コントロールなど労働組合の運動について、その考え方を歴史的な著作を紹介するといった形で話を進めている。労働運動について体系的にまとめられているわけではないので、わかりにくかった。ま...

労働政策の専門家と雑誌編集長による、労働運動の特徴を国別に述べた本。労働者の団結や労使交渉、ジョブ・コントロールなど労働組合の運動について、その考え方を歴史的な著作を紹介するといった形で話を進めている。労働運動について体系的にまとめられているわけではないので、わかりにくかった。また、労働組合の国別の違いもあまり大きくは感じられず、専門家として研究する意義はあるのかもしれないが、残念ながら知識として得られたことはほとんどなかった。 「多くの国では、労働組合は企業横断的に作られており、それは職業別に組織されたり、もしくは産業別に組織されたりしています。たとえば、工場で働く工員さんは、他の会社の工員さんたちと一緒に技能工組合に加入し、店舗で販売やサービスに携わる店員さんたちは、販売員組合に入る、といった形で、社外の同職の人たちと一緒に労働組合を作っているのです。海外では当たり前なこんな形での企業横断型の労働組合だと、団体交渉も労働争議も、日本よりかなり合理的に行えるのです」p16 「海外の場合、1つの組合がストライキを行ったとしても、その組合員は企業横断的に存在するわけだから、広く多くの企業が休業状態に入ることになる。これなら、1社だけの失速とはならず、労使とも落ち着いて交渉ができるわけです(日本の場合、1社のみでストを行えば、自社の業績は落ち、顧客は他社に持っていかれてしまい、業績が悪化するから(自分で自分の首を絞めてしまう))」p17 「労使関係は所得の分配問題であるばかりではなく、人間の権利と尊厳に関する問題でもある」p125 「サッチャー、メージャーの保守党政権18年の間に、かつて猛威を振るったイギリス労働運動は見る影もないほどに力を失い、今では賃金決定はほとんど産業レベルでは行われなくなり、企業レベルに、いやむしろ個人レベルに大きくシフトしたといわれています」p133 「労働組合がある企業は次第に、若い大学卒労働者の最良部分を惹きつけることができなくなり、代わって組合不在企業が、より望ましく感心深い働き場所だと見られるようになってきたのです」p163

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2020/10/13

集合取引と共同決定を軸に欧米の著作11冊と日本の著作1冊が紹介されている。 それぞれの国の文脈で労使関係が構築されてきたことを再認識した。 取り上げられていた本を読んだことはないけど,うまくエッセンスが説明されているように感じた。この本を入り口にして,本書で紹介された本や関連...

集合取引と共同決定を軸に欧米の著作11冊と日本の著作1冊が紹介されている。 それぞれの国の文脈で労使関係が構築されてきたことを再認識した。 取り上げられていた本を読んだことはないけど,うまくエッセンスが説明されているように感じた。この本を入り口にして,本書で紹介された本や関連する本を読んでいきたいけど,なかなか。。。 自分の入っている組合のことを考えると,組合員が減ってきて団体交渉で何も勝ち取れず,経営側の決定を一方的に押し付けられるだけで協議からも排除されていて,中途半端というか,グダグダになってるなと思って,少し暗い気分になった。。。

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2020/10/03

メンバーシップ制から最近話題のジョブ制度に変えるにも、制度の成り立ちや歴史を知らないと失敗するかもと感じた。本当に困っている人向けではなく、スキルのある人の組合成立の話なので、ある程度既得権益のある組合の人は役立つかもしれない。

Posted byブクログ