明るい覚悟 の商品レビュー
コロナ禍に書かれたエッセイ。 著者の落合恵子さんの年齢、お母様を見送ったこと、コロナ禍という時期などが重なったせいかもしれないが、社会課題や人の死などにまつわるエッセイも多かった。 一方で、植物や着たい服を手作りするなど、自分の好きなことをしながら、日々暮らしている様子も綴られ...
コロナ禍に書かれたエッセイ。 著者の落合恵子さんの年齢、お母様を見送ったこと、コロナ禍という時期などが重なったせいかもしれないが、社会課題や人の死などにまつわるエッセイも多かった。 一方で、植物や着たい服を手作りするなど、自分の好きなことをしながら、日々暮らしている様子も綴られている。 作中で紹介されていた本や詩もよかった。
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落合恵子さんの本を手に取るのは何十年ぶりだろうか。思ってたより生真面目な本で、スッと読み飛ばすことはできなかった。 「でんでんむしのかなしみ」を思い出させてくれたのが大きな収穫だった。
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コロナ禍初期あたりのエッセイ。 世代は違いますが、同じ時間を生きている人の話に触れることができて、良かったです。 こんな時代だから、しなやかに生きていこうと思います。
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著者が75歳の時の作品ということで、”終わり”を意識した作品となっていた。 仲の良い友人や母の死など、死が迫るなかでのエッセイが、作中で紹介される絵本とリンクする。 著者自身の政治に対する主張も比較的色濃く出ている作品でもあり、前情報を持たないで読むことが多い私は少し圧倒され...
著者が75歳の時の作品ということで、”終わり”を意識した作品となっていた。 仲の良い友人や母の死など、死が迫るなかでのエッセイが、作中で紹介される絵本とリンクする。 著者自身の政治に対する主張も比較的色濃く出ている作品でもあり、前情報を持たないで読むことが多い私は少し圧倒されてしまった。著者の政治的主張に賛成反対に関わらず、少し読む人を選ぶ作品かもしれない。 ただ、著者の言うようにニュースが元号が変わるニュースだけを報道しているからといって他の事件や原子力発電問題が消えるはずもない。ニュースが選ばれたものだけを報道していること、選ばれたものだけを受け入れて考えることを放棄した結果に何があるのか、自分で判断して生きていかないといけないと感じた。 あとがきにもあるように、タイトル「明るい覚悟」は『自分にとって大事なほんの僅かなものを握りしめて暮らすことであり、自分が望む自分になっていく過程を惜しまず、省略しない、自分との約束』と著者は書いている。素敵な言葉だと思う。 自分が望む自分がどんな自分なのか、本当に大事なものは何か、を意識して過ごしていきたい。 著者からの朝の電話を、著者の友人が「朝の句読点」というのは素敵な表現だなと感じた。
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明るい覚悟、という言葉に惹かれて買った。そういう覚悟が欲しいなと思っていたので。 否応なしに老いということを感じる本で、両親の老いと、自分もこのまま何にもなくて歳をとっていくのかなということにじんわり直面している最中なので、時々暗い気持ちにもなった。キレイな言葉で飾るだけでは乗り...
明るい覚悟、という言葉に惹かれて買った。そういう覚悟が欲しいなと思っていたので。 否応なしに老いということを感じる本で、両親の老いと、自分もこのまま何にもなくて歳をとっていくのかなということにじんわり直面している最中なので、時々暗い気持ちにもなった。キレイな言葉で飾るだけでは乗り切れないものがあるのだと感じた。 でもそれを受け入れて立つことが、明るい覚悟、なんだろう。
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エッセイのような本だった。作者のこれまでの経験から感じたことを、動詞を題にしてまとめられている。経験から感じること、感性、引用する本が秀逸でとても面白かった。ただ政治のことについて読みたいわけではなかったので作者の政治思想が見え隠れするのが個人的に読む上であまり好きではなかった。
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梨木氏の後、『明るい覚悟 -こんな時代に-』(朝日新聞出版:落合恵子著)読んだ。二人が「社会における最も声が小さい側」から理不尽な社会に対して声を上げているのが共通している。この随筆には亡くなられた母親、愛犬、友人、デモに行くこと、いつくしんでいる庭の植物やご飯の楽しみなど落合さ...
梨木氏の後、『明るい覚悟 -こんな時代に-』(朝日新聞出版:落合恵子著)読んだ。二人が「社会における最も声が小さい側」から理不尽な社会に対して声を上げているのが共通している。この随筆には亡くなられた母親、愛犬、友人、デモに行くこと、いつくしんでいる庭の植物やご飯の楽しみなど落合さんの方が暮らしと考え方がよくわかる。少し閉じている小説家と開いている発言者の個性の違いなのだろう。 落合氏を読もうと思ったのは、『解説「意志的な楽観主義」をタイトルに借りて』(大江健三郎著『定義集』の解説)を読んで、異論が排除される息苦しい現在(2015年だが)を指摘し「壁も倒せば橋になる」という楽観性に立ち止まったからだ。昔、高校の教室で「昨夜のラジオ聞いたか、レモンちゃんはすごいぞ」という話あったが本を読んだことは無かった。少し軽いと誤解していた。 今回、文中の「明るい覚悟」とは、「自分にとって大事なほんの僅かなものを握りしめて暮らすことであり、自分が望む自分になっていく過程を惜しまず、省略しない、自分との約束」にホーッと立ち止まった。大江氏の「意志的な楽観主義」と「明るい覚悟」は同意だが、白昼公然と「赤狩り」(実は「リベラル狩り」)を行うようになった現在、副題の「こんな時代に」を強く思う。落合氏が立つ位置は昔も今も「人間らしい生き方・考え方」だと思うが、それがだんだん左側にずれたように感じるのは全体が右側に右側に映しだされてきているからだろう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2021年東京オリンピックの女子サッカー・予選。選手たちが片膝立ちで試合開始を待った。その瞬間、瞼に熱いものがこみ上げて観戦どころではなくなってしまった。ブラック・パワー・サリュート。本書では、男子200m走が取り上げられているが、片膝立ちでNBA/NFLを追われた選手の姿が瞼に過っていた。 「表彰台とは無縁な人生ではあるが、あと何度、わたしは拳をあげるだろうか。その機会は、」落合さんの姿が目に浮かぶ。 悔しいことに、悲しいことに、彼女ほど憤りに拳をあげられない。あげきれない。けど、…。 なにか、ふと、背中を押してもらった気がした。
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親の比護の下生きてきて、夫と子供達と家族になり、子供が独立して、夫婦になり、 夫が逝って一人になる。 私の周りにいる大概の年寄り。 私も、そうなるけど、親や姉弟、いとこ達、同級生との別れを経験していく中で、やんわりと覚悟していくのよね。 先輩の覚悟に勇気もらいた。
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「大人の始末」を読んでこれからの生き方の参考になったので楽しみに読んだが、時を経て読んだせいか?あれ〜って感じでちょっと新鮮さに欠けて前本程の心に響かず時間をかけずななめ読みとなってしまった。
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