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夜の声を聴く の商品レビュー

3.6

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2021/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伏線回収をきちんと行っているミステリー。もっとホラーやイヤミスと思ったら、怖い方には振れず青春小説系に振れているのが意外だった。 ミステリーと青春小説は相性が良いがこの作品もその相性を上手く使っている…というかその特性を生かしている。 キャラクターの中に少々ザツな個性の人(結局、リスカの女性は主人公の定時制高校入学のきっかけになっただけ?とか、堅物執事とか)もいて、物語上大きな瑕疵ではないけど、もうちょっとエエとこに当てはめてあげたら生き生きしそうやのになぁ、 など少々の難癖はつけれないこともないが、些末なこと。きちんとまとまった良い青春ミステリーだと思う。

Posted byブクログ

2021/04/22

やはり宇佐美まことはいい。ボニン浄土が良かったので、これも読んだが期待以上だった。この作品も着地がいい、単なるミステリーとは違う読後の爽快感がある。自分の思い込みだったのだが、ボニン浄土を読んだとき作者は男性だと疑わなかった。愛媛県在住の女性と知って驚いている。

Posted byブクログ

2021/04/04

話が長い分、登場人物に感情移入ができて、みんなハッピーエンドでよかったなって、ハル高の関係者にでもなった気分。でも、全体を通してちょっと回りくどいのと、優秀な人たちがすごく先を読むことができすぎることに違和感を感じる。

Posted byブクログ

2021/03/04

IQが一般のレベルより高く、優秀な頭脳を持っている隆太。それ故学校の先生や生徒に馴染むことが出来ずに不登校になる。ある日公園で本を読んでいると、突然若く美しい女性が彼の目の前に立ち、いきなり手首を切ってみせた。そんな彼女に興味を持った隆太は、彼女が通う定時制の高校に自分も通ってみ...

IQが一般のレベルより高く、優秀な頭脳を持っている隆太。それ故学校の先生や生徒に馴染むことが出来ずに不登校になる。ある日公園で本を読んでいると、突然若く美しい女性が彼の目の前に立ち、いきなり手首を切ってみせた。そんな彼女に興味を持った隆太は、彼女が通う定時制の高校に自分も通ってみることにする。 自分の居場所が見つけられない世の中に嫌気がさし、死んでしまいたいと思っている隆太と、手首を切るという自傷行為を繰り返すことで、生を実感することができるという百合子。生きるということに相反する形で向かい合う二人は、やがて恋愛とはかけ離れた場所でお互いによい影響を与え合うようになっていく。 その定時制高校には様々な環境で暮らす個性的な生徒がたくさんいて、隆太はそこで初めて友人と呼べる存在に出会う。 大吾と、大吾が働くさびれたリサイクルショップ『月世界』。 大吾とその場所は、隆太に更なる世界への繋がりと隆太自身の未来の可能性や希望をもたらしてくれた。と同時に、人々の心の中に静かに居座り続ける哀しみと、自分以外の誰かについて心を砕く苦しさと切なさを教えてくれることになる。 リサイクルショップでありながら便利屋も兼ねている『月世界』に持ち込まれる小さな依頼が、やがて色々な人を巻き込み、過去の悲惨な事件へと隆太を導いていく。 読み始めてからすぐに感じたのだが、これは小学生とか中学生向けのような気がする。周りの人たちはみんな優しくていい人だし、自分から勇気を出して踏み出せば、受け止めてくれる場所は必ずある。夢を持って努力すれば、それは必ず身を結ぶ。そういうメッセージが込められた話のような気がする。ミステリーではなく、ひとりの孤独で気難しい(といってもそれほどじゃないけど)少年の成長を描いた青春小説だ。後味の爽やかないい話だけど、わたしには都合が良過ぎる物語に思えて、物足りなさを感じてしまった。 夜の声。 わたしにはもう、その夜の声は聴こえないのかもしれない。

Posted byブクログ

2021/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

帯と裏表紙とこの著者であることから、おどろおどろしいミステリーを想定していました。一家惨殺事件の真相が明らかになる段は確かに恐ろしいけれど、そこを除けば意外にも青春小説。そして長編の体を取りながらも、主人公の隆太が冴えた謎解きを見せる短編の趣もあります。 お調子者に見えて凄惨な過去を持つ大吾、彼を住み込みで雇うリサイクルショップオーナーの老女、何の用だかそこにしばしば顔を出す刑事。物語が進むにつれて皆に惹かれる。ここに描かれた1年を彼らと共に過ごした気持ちになりました。切ない。「君は水面を動かした小さな水滴」。 P.294に出てくるディアトロフ峠事件は、『死に山』を読まなくても結論全部書いてあるやんと笑いました。『死に山』を未読の方にはぜひ読んでもらいたいし、レニー・ハーリン監督のトンデモ映画『ディアトロフ・インシデント』もぜひご覧いただきたいです。 映画『ディアトロフ・インシデント』の感想はこちら→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/67a1ed30b9f2411011616ea6713dca5d

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2021/02/16

中学二年の時からIQが高すぎ、母親も亡くしている隆太は家の窓から飛び降りたことがあります。 そして引きこもりになります。 18歳の時公園でいきなり手首を切った23歳の女性百合子にとてつもなく魅かれ百合子と逢うために百合子の通っている県立春延高校定時制課程に入学します。 そこで、...

中学二年の時からIQが高すぎ、母親も亡くしている隆太は家の窓から飛び降りたことがあります。 そして引きこもりになります。 18歳の時公園でいきなり手首を切った23歳の女性百合子にとてつもなく魅かれ百合子と逢うために百合子の通っている県立春延高校定時制課程に入学します。 そこで、その後の隆太の人生をすべて変えることになる重松大吾と出逢います。 そこで起こった1年間のできごとは多くの人物の人生を変えるものでした。 家族のいない16歳の大吾は勤め先のリサイクルショップ『月世界』の二階に住んで、そこを営む70代の社長の野口タカエと二人で暮らしています。 『月世界』は便利屋もやっていて、そこにいろいろなことを頼みにくる客の問題を僕は持ち前の頭の良さで解決していきます。 そして、客の問題から大吾の抱えているとても大きな問題が発覚します。 以下ネタバレしているのでお気をつけください。 大吾は11年前に起きた有名な一家惨殺事件でたった一人生き残った男の子で、野口タカエは自殺した事件の容疑者の母親だったのです。 ハル高で出逢ったちゃらけた同級生、重松大吾。彼が真の姿を隠していたことに僕はおののきます。 僕は客の家族で大学教授の廣紀さんとともにその事件をも解決しようとします。そして、今までの事件の線とすべてがきれいに繋がって、事件は解決するのです。 ミステリーの部分もありますが、この物語は主人公の僕の成長を書いた青春小説です。 ハル高の卒業生たちが18年後に再会する賑やかな場面は大吾だけは姿をみせませんが、とてもよかったです。

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2021/02/14

02月-12。3.5点。 引きこもり高校生が、定時制高校に通い出す。 親友も出来、身近な事件を解決していくが、過去の事件の関係者が出てきて。。 展開に無理なく、面白い。ラストも良かった。

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2021/02/04

宇佐美さんの作品2つ目。素直に面白かった。これ、いつか、ドラマになるのでは? 冒頭は、この系のお話?と思いきや、連作推理ドラマとなり、最後に全部繋がって、再生。良くあるパターンかもしれませんが、私の大好きなパターンです。 これから読まれる方へ。読んでてちょっとだけ違和感を感じる部...

宇佐美さんの作品2つ目。素直に面白かった。これ、いつか、ドラマになるのでは? 冒頭は、この系のお話?と思いきや、連作推理ドラマとなり、最後に全部繋がって、再生。良くあるパターンかもしれませんが、私の大好きなパターンです。 これから読まれる方へ。読んでてちょっとだけ違和感を感じる部分、そこ大事ですよぉ。

Posted byブクログ

2021/01/28

伏線がわかりやすかったが、それぞれの登場人物のキャラが立っていて、読後、前向きになれる小説だった。読んでよかった。

Posted byブクログ

2021/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この作品も善悪で単純に語れない人間の複雑な内面の襞に胸が震える。 心に苦しみを抱えた隆太は入学した定時制高校で気さくで明るい人柄の大吾に出会い、彼が住み込みで働くリサイクルショップ「月世界」に出入りすることに…。外からの刺激に少しづつ動いていく隆太の気持ち。すっかり定時制高校の青春小説のノリの前半が、後半は過去の一家殺人事件の解決に迫っていくミステリーに一転して「月世界」を通じて広がった人々の関係性がスルスルと繋がっていく様が素晴らしい。 長いトンネルの旅が終わって静かにそれぞれの居場所に散る余韻もよかった。

Posted byブクログ