隣人X の商品レビュー
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面白かった。人間は異質なものを排除する性質があるからできるだけみんなと同じように行動しがち。理解できないものの存在は怖い。普通だと思い込んでた自分がまさか宇宙人だったという結末。それもそれで怖い。
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人種や性別、ステータスや血縁より大切にしたいのは誰と一緒にいる事が幸福なのか。 SNSやマスゴミに翻弄される人間の狂気さ、そして優しさと強さ。それらが日常感溢れる文章にバランスよく配置されていて読み易くドライブ感がある。ただ惑星難民Xという強烈な具材をクライマックスでしか活かせて...
人種や性別、ステータスや血縁より大切にしたいのは誰と一緒にいる事が幸福なのか。 SNSやマスゴミに翻弄される人間の狂気さ、そして優しさと強さ。それらが日常感溢れる文章にバランスよく配置されていて読み易くドライブ感がある。ただ惑星難民Xという強烈な具材をクライマックスでしか活かせてない感じには勿体無さを感じてしまう。
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アメリカが『惑星生物X』 を『惑星難民X』として受け入れることを発表した。『惑星生物X』の原型は無色透明で、対象物の見た目から考え方、言語までスキャンするように取り込むことが可能である。友好的な彼らを日本も受け入れすることになった。 紗央は新卒で派遣社員となって1年半。正社員との...
アメリカが『惑星生物X』 を『惑星難民X』として受け入れることを発表した。『惑星生物X』の原型は無色透明で、対象物の見た目から考え方、言語までスキャンするように取り込むことが可能である。友好的な彼らを日本も受け入れすることになった。 紗央は新卒で派遣社員となって1年半。正社員との差を感じつつ大手企業で働いている。ある日、飲み会の帰りに本の趣味が合う男に出会い、カラオケボックスへ行く。ビー玉のような不思議な目の彼。しかし彼の様子がおかしくなり…。 派遣社員で働き方に疑問をもつ紗央。男の「一度だけ」の言葉に弱く傷ついた過去を持つ良子。良子と同じコンビニで働くベトナム人留学生リエン。 疎外感や差別感を感じて生きる女性3人が、惑星難民のニュースと身の回りにいる人-隣人X—を通して生き方を変えていく物語。SF要素が入った人間ドラマです。全体的に共感するところが多くて、3時間で一気読みしました。 リエンがライブでギターを弾く恋人を見て『すごい』から『あいしてる』まで、勉強中の日本語でありったけの言葉を並べるところにキュンとなりました。 途中まではよくある人間ドラマなのかな、と思っていたところ、後半ぐんぐん面白くなっていきました。この人が惑星難民Xだったとは、と、びっくり。 私ももしかして惑星難民Xかもしれません。
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映画が気になったので原作本を。 なかなかXが出てこなくて、普通の日々を過ごす女性たちの小説かと思いきや、そー絡ませてきたかという感じ。 異星人をどう受け入れるかという問題もそうだけど、ジェンダーとか異国の人に対する態度とかいろんな社会問題も折り込まれてて面白かった。 リエンのXに...
映画が気になったので原作本を。 なかなかXが出てこなくて、普通の日々を過ごす女性たちの小説かと思いきや、そー絡ませてきたかという感じ。 異星人をどう受け入れるかという問題もそうだけど、ジェンダーとか異国の人に対する態度とかいろんな社会問題も折り込まれてて面白かった。 リエンのXに対するずるいという気持ちが、一番しっくりした。
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身内が映画制作に関わったとのことで読んでみた。 はあ、そうですか、という読後感。 SFのようで何気ない小説のようでミステリーのようで、それらが混ざり合ったような、もやっとした感覚。 外国人の存在も含めて、純粋な何かなんてない、意味もない。そんな風に思った。 くじ、当たってるといい...
身内が映画制作に関わったとのことで読んでみた。 はあ、そうですか、という読後感。 SFのようで何気ない小説のようでミステリーのようで、それらが混ざり合ったような、もやっとした感覚。 外国人の存在も含めて、純粋な何かなんてない、意味もない。そんな風に思った。 くじ、当たってるといいな。
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惑星難民XってSFぽい中、登場するのは 3人の女性。 読みやすく、それぞれの境遇が想像できる。 そして、難民問題、移民問題。 問題ってよく言うけど問題ってつくから 難しく考えなきゃいけなくなっちゃうのでは。 Xのように、 自国が住めない状態で、そこにいると命の危険に晒されるんだよ...
惑星難民XってSFぽい中、登場するのは 3人の女性。 読みやすく、それぞれの境遇が想像できる。 そして、難民問題、移民問題。 問題ってよく言うけど問題ってつくから 難しく考えなきゃいけなくなっちゃうのでは。 Xのように、 自国が住めない状態で、そこにいると命の危険に晒されるんだよ。ただそれだけだよね。 別にその国を乗っ取りたい訳じゃなく、 ただ安心して暮らしたい。 人間は、あくまでも自分のテリトリー内のことは自分ごとだけど、それ以外は他人事だよ。 自分にも戒めていきたい。 ニュースで見た、ガザとイスラエルの戦争で、 ガザのテロリストがイスラエルに侵攻成功したことを祝うパレードがヨーロッパ(国名は忘れた)であったみたい。難民や移民を受け入れると言うことは、戦争が身近になるということだし 関係ないとは言えなくなるんだなと思った。
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異星人が人間社会に分からないように溶け込んでいて、それを概ね人類も受け入れている世界。完全に人間をコピーしているので誰にも分からない。そして異星人は人間を傷つけるつもりも支配するつもりもない。 さて、自分の世界に異星人が紛れ込んでいるとしたら。もはや自分だって異星人の末裔かも。 ...
異星人が人間社会に分からないように溶け込んでいて、それを概ね人類も受け入れている世界。完全に人間をコピーしているので誰にも分からない。そして異星人は人間を傷つけるつもりも支配するつもりもない。 さて、自分の世界に異星人が紛れ込んでいるとしたら。もはや自分だって異星人の末裔かも。 とても興味ぶかい本でした。
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映画館で予告を見た。宇宙人がわらわら登場するのだろうと期待しながら、原作を手に取った。 「惑星難民受け入れ法案がアメリカで可決、日本でも」という、かなりセンセーショナルな舞台設定。 その派手な背景とは裏腹に、物語には不思議な静けさが漂う。 一流企業の若い女性派遣社員、 過去のある40代独身女性、 ベトナムからの留学生の女の子。 今いる場所に存在することに自問自答を続ける登場人物たち。彼女たちに共通するのは、世間からの疎外感、消えない不安、孤独。 (え、惑星難民出てこないじゃん、と、戸惑いながら読み進める。) 「透明になることが社会に適合することだと思っていた」p123 「(辞めたら意味がない、の)意味とはなんだったのか」p21 「ここにいていいのだろうか」p200 頑張っても頑張っても、目指すものの手前に引かれる見えない境界線。「暗黙の了解」の中で、自然に成立する「棲み分け」。p15 ああそうだった、と自分のこれまでの人生を痛みと共に思い出す。彼女たちの痛みがそのまま重なる。 「人間を傷つけるのはいつの世も人間」p213 透明な姿を、スキャンした対象に変えて、ただ平和を望みながらその一生を終えるX。 地球という星では、誰もが在るがままに生きるのは難しい、ということを改めて気づかされる。せめて自分の隣の人の痛みくらい、想像できる人間でありたいと思う。 捕捉 本当によくできた小説だと思うけれど、紗央と良子、二人ともが父親に関する物語のため、少し混乱する。(映画ではその辺りが整理された形になっているのかも?)
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もし宇宙人が難民認定されたらあなたは受け入れることができますか??? ✳ 本書の主な登場人物はみんな女性です。 派遣社員やフリーター、語学留学生…。 三人とも普段から疎外感を感じながら生きるキャラとして登場します。その姿はどこか惑星難民Xに重なります。 「むしろ自分たち外国人は...
もし宇宙人が難民認定されたらあなたは受け入れることができますか??? ✳ 本書の主な登場人物はみんな女性です。 派遣社員やフリーター、語学留学生…。 三人とも普段から疎外感を感じながら生きるキャラとして登場します。その姿はどこか惑星難民Xに重なります。 「むしろ自分たち外国人は惑星人と共に排除されてしまうのではないか」 「惑星難民Xは、二十六歳の平凡な自分と何が違うというのだろう」 ✳ こういう状況をなかなか想像できませんが、たとえば自分が海外に留学生として住むことを想像するとわかりやすいのでしょうか?? 「──私も惑星隣人Xだ」p111 確かにそう思うかも。 今日の教訓:隣人には優しくしよう
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淡々と進むヒューマンドラマ。 惑星難民X受け入れを進める社会や各登場人物が丁寧に描かれているからか、斬新な設定をすんなりと受け入れ一気に読むことができる。
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