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なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2023/03/21

図書館で何気なく手に取った本。 ストレスなく生きるための信条、ロックダウンされたフランスでの日常やコロナ禍で得た教訓などについて書かれている。 その中で特に胸に響いたフレーズ。 一生は誰のものでもない、自分に与えられたいちばん尊いものだ 相手がどんなに偉い人であっても、同...

図書館で何気なく手に取った本。 ストレスなく生きるための信条、ロックダウンされたフランスでの日常やコロナ禍で得た教訓などについて書かれている。 その中で特に胸に響いたフレーズ。 一生は誰のものでもない、自分に与えられたいちばん尊いものだ 相手がどんなに偉い人であっても、同じ人間なので、自分を貶めることは、相手にも失礼である。 他人の人格を否定しないところがぼくらしい生き方だと思っている。それは自分にも返ってくるのだ。 クリストフ(カフェの店員) 「嬉しいな、また会えて、嬉しいな。ぼくは嬉しいんだ。ここに戻って来れて。またみんなのためにコーヒーを淹れたり、料理を運んだり出来ることが 3ヶ月、家で漫画ばかり読んでいた。最初はロックダウンも良かったけれど、働かないでも国から補償してもらえたし。でも、そうじゃないんだ、そうじゃなかった。 こうやって、働いて、大変でも、きつくても、食事をサーブして、皿を洗って、みんなと天気のことやスポーツの話をして、終わったらビールを飲んで、常連のあなたたちとこうやって握手をして、そういうことが自分の幸福だったことに気がつくことができたんですよ。 ああ、今が最高だよ。人生が楽しい。僕は今、人生が楽しくてしょうがないんだ。 クリストフに肩を抱き締められて、店の中へ入り、常連たちの真ん中でビールを飲んだ。とっても美味しいビールだった。クリストフがいて、オーナーのジャンがいて、給仕のステファニーがいて、名前は知らないけれど、この辺の常連たちがいて、そこは僕の場所もあって。そうだ、その時、ぼくは幸せだった。 幸福とはこういうものだ、とぼくは思った。

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2023/02/20

3年に及ぶコロナ禍、自分でも気がつかないうちに疲弊し、心がささくれ立っていた時、書店でふと手に取ったこの本。 「なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない」というタイトルにどうしようもなく惹きつけられた。 テレビもネットニュースもコロナの情報に溢れ、Twitterでは陰...

3年に及ぶコロナ禍、自分でも気がつかないうちに疲弊し、心がささくれ立っていた時、書店でふと手に取ったこの本。 「なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない」というタイトルにどうしようもなく惹きつけられた。 テレビもネットニュースもコロナの情報に溢れ、Twitterでは陰謀論が飛び交い、ワクチンやマスクの是非で意見を異にする者たちが互いを蔑み、罵り合う言葉溢れた状況に知らず知らずのうちに精神を蝕まれていたように思う。 そんな中、辻さんのツイートやブログは、疲れた心をそっと毛布で包んでくれるような暖かさに溢れていた。 異国の地での子育て、ロックダウン下のパリで鬱状態になりながらも息子と共に前向きに、毎日を丁寧に暮らす辻さんの言葉に力をもらう。 「地道に生きている中で得られる喜びは、そうやって生きたことのある人にしかわからないものだと思う」 なぜ生きているのか。幸せとは何か。そんなことを考えてみるのが今かもしれないというメッセージがしっかりと届きました。

Posted byブクログ

2023/02/11

優しく繊細だけど、時に強い…辻さんのエッセイが好きだ。キレイに創られたInstagramみたいなエッセイ本が多いので、生きることの辛さ、弱さを見せて貰えるのは嬉しい。 父として、男として、時には誰かの友人であり、ひとりの悩める日本人である。息子さんとの料理教室は微笑ましい中にも...

優しく繊細だけど、時に強い…辻さんのエッセイが好きだ。キレイに創られたInstagramみたいなエッセイ本が多いので、生きることの辛さ、弱さを見せて貰えるのは嬉しい。 父として、男として、時には誰かの友人であり、ひとりの悩める日本人である。息子さんとの料理教室は微笑ましい中にも人生論があり、哲学者との会話は正確な情報を取捨選択した上で自分できちんと考えることの大切さを教えて貰った気がする。 コロナ禍で辻さんの言葉に、言葉の持つ力に助けて貰った人は少なくないと思う。

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2023/01/21

2023年2冊目。 新型コロナの足音がハッキリと聞こえてきた2020年2月1日の日記から始まる。 あの頃の日常をこうして本で読む事が出来るとは。もう3年も前なのかぁ。 未曾有の危機に日々怯えながら、息子を一生懸命に守ろうと奮闘しているけれど、どんどん精神的に追い込まれていく。 き...

2023年2冊目。 新型コロナの足音がハッキリと聞こえてきた2020年2月1日の日記から始まる。 あの頃の日常をこうして本で読む事が出来るとは。もう3年も前なのかぁ。 未曾有の危機に日々怯えながら、息子を一生懸命に守ろうと奮闘しているけれど、どんどん精神的に追い込まれていく。 きっと、あの時世界中の人々が同じ状況だった。それでも、辻仁成の愛情深さだったり、パリの人々の温かさだったり、決して絶望だけでは終わらない一冊。

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2022/06/20

ブログがタイムリーなフランスを知れて興味深く、辻氏に興味を持った。 とても繊細で正直な裏表のない、それでいて笑いのセンスもあり、誰も傷つけない一貫した話しぶりに好感がもてる。 暮らしぶり自体をこんなにも面白みを持って書けるなんていいなぁと思う。

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2021/10/23

フランスの街並みを想像するのが楽しくて、素敵だなぁっと思った。いつかギュウギュウに詰め込まれるカフェ、行きたいな

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2021/10/11

辻仁成さんの、感情だだ漏れな文章が好きです。 感慨とか心配とか、そういうのがたっぷり含まれていて、Twitterとかもついつい覗いてしまいます。 新型コロナの世界的流行とともに変化する、パリでの生活の様子をしたブログを書籍化した本です。 哲学者アドリアンと交わす、井戸端会議的...

辻仁成さんの、感情だだ漏れな文章が好きです。 感慨とか心配とか、そういうのがたっぷり含まれていて、Twitterとかもついつい覗いてしまいます。 新型コロナの世界的流行とともに変化する、パリでの生活の様子をしたブログを書籍化した本です。 哲学者アドリアンと交わす、井戸端会議的な深い会話が好きでした。 【本文より】 ・「いいかい、自分に負けなければ誰にも負けないのだよ。」 ・なんとかなるし、なんとかやってきたじゃん、と楽観的な気持ちを捨てさらないこと。 ・攻撃された時に成長が始まる、と自分に言い聞かせてことは効果的である。 ・誰にも支配されない芸術家になりなさい。 ・息子よ、右と左に道が分かれていたとする。どっちに行くかで迷ったら、自分を大事に生きることができそうな道を選びなさい。

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2021/06/10

コロナ禍の中、辻さんのTwitterとブログから興味を持ち最初は構えて読みましたが、辻さんと息子さんの試行錯誤の毎日と美味しいご飯と会話に和みます。 1番好きになったのはアドリアンと言う近所に住む大学の哲学の先生、コロナ前から日本人はマスクをして一人ロックダウンをしてると皮肉と...

コロナ禍の中、辻さんのTwitterとブログから興味を持ち最初は構えて読みましたが、辻さんと息子さんの試行錯誤の毎日と美味しいご飯と会話に和みます。 1番好きになったのはアドリアンと言う近所に住む大学の哲学の先生、コロナ前から日本人はマスクをして一人ロックダウンをしてると皮肉とユーモアで思わず笑いました。 フランス人は日本人のように陰口、告げ口はしない、悪口は面と向かって言うだけあってマクロン大統領が病院を訪問した時、看護士さんが面と向かって不満を爆発させ、マクロン仏大統領も否は認めながらも言い返す文化に驚き日本ではありえない事だと思い、いつかコロナが終息したら1番行きたい国になりました。

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2021/05/23

コロナ禍を生きることは、まさに命を生きることだ。一歩一歩、出口の見えないトンネルをただただ前に進む。出口が見えないことに気を落とすこともあろう。でも一歩ごとに新しい気付きがあるかもれしない。足元の小さな発見、周囲の変化…。自分だけだと思っていたら実はみんな同じトンネルを進んでいた...

コロナ禍を生きることは、まさに命を生きることだ。一歩一歩、出口の見えないトンネルをただただ前に進む。出口が見えないことに気を落とすこともあろう。でも一歩ごとに新しい気付きがあるかもれしない。足元の小さな発見、周囲の変化…。自分だけだと思っていたら実はみんな同じトンネルを進んでいた。暗すぎて、明るいところから急に暗いところに入ったがために、まわりが見えなくなっていただけだった。 友人との語らい、買い物、ご飯作り、嫌なことも含めて、生きていることはそういうことなのだ。それを2020年4月の緊急事態宣言が教えてくれた。なのにこうも簡単に忘れてたしまった。辻親子はそんなことを再び呼び起こしてくれた。感謝感謝。

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2020/11/14

パリ在住の作家、辻仁成の、新型コロナウイルス発生後の2月1日から6月18日までの日記をまとめた本。 いわゆる地方都市である私の地元では、都会よりだいぶ遅れた10月半ばに新型コロナの患者が初確認されて、そこから一気に200人規模のクラスターになってしまった。 発生元が繁華街のスナ...

パリ在住の作家、辻仁成の、新型コロナウイルス発生後の2月1日から6月18日までの日記をまとめた本。 いわゆる地方都市である私の地元では、都会よりだいぶ遅れた10月半ばに新型コロナの患者が初確認されて、そこから一気に200人規模のクラスターになってしまった。 発生元が繁華街のスナック•クラブだったため、市内の飲食業には突如2週間の休業依頼が出たので、私にも2週間のお休みが舞い降りた。 だからと言って浮き足立つ状況ではなく、色んな意味での不安もあって、そんな時にこの本を手に取ってみた。 結果としてその2週間のお休みのうちに自分の考えをまとめて気分を落ち着けることができたので、この本を読んでとても良かった。 パリは3月にロックダウンになって、この本を読んでいた10月の終わりに再びロックダウンになった。 息子と2人パリに暮らす辻さんの、日々のことが綴られているのだけど、格好つけてなくとても正直。負けずに頑張ろうと気持ちを奮い立たせて張り切る日もあれば、どうしようもなく気持ちが沈んで寝ていることしかできない日もある。 疫病なんて無くても人間の日々はそういうものだと思うけれど、状況が気持ちを揺さぶるのだからそれは尚更だ。 フランス人の基本明るく細かいことは気にしない気質はこういう疫病を防ぐにはあまり向いていなく、そのことが気になってしまう日本人である筆者は自分が気にし過ぎなのかとまた悩んだりする。 中国由来の疫病であるため、アジア人を一緒くたにされて差別を受けることもある。 そういう揺れる日々の中で、筆者の高校生の息子の存在がとても頼もしい。 年齢的にはまだまだ子どもなので彼も気持ちが揺れる日々なのだけど、そんな中で悩む父親にかける「いいんだよ、人間なんだから」という言葉が筆者を救う。 そして読んでいる私もその言葉に救われた。遅れた第一波にこの先のことを憂いていたけれど、悩みながら考えながら、進んでいくしかないのだと思わされた。気をつけながらも普通に暮らしていこうと、その時に心に決めた。 恐らく今現在も辻さんは日記を更新し続けていると思うので、再びフランスがロックダウンになった今、たまに覗いてみたいと思う。

Posted byブクログ