古代の食生活 の商品レビュー
文献史学者の視点から明らかにする、奈良&平安時代の食と生活。 ・古代の食生活を復元するために―プロローグ ・米と飯 ・酒の醸造と経済 ・饗宴・共食と労働 ・乞食の風景 ・あとがき 参考文献有り。 “食”は食べると、そのものは無くなってしまう。 だが、史料や木簡に残る断片から...
文献史学者の視点から明らかにする、奈良&平安時代の食と生活。 ・古代の食生活を復元するために―プロローグ ・米と飯 ・酒の醸造と経済 ・饗宴・共食と労働 ・乞食の風景 ・あとがき 参考文献有り。 “食”は食べると、そのものは無くなってしまう。 だが、史料や木簡に残る断片から、“食”を探ることが出来る。 史料の「延喜式」等で定める食、説話や日記等に登場する食、 絵巻に描かれた食の様子、そして木簡など。 主に解き明かされているのは、米と飯、酒。 官人や職員への、米や飯の支給の量。 女性が“刀自”として酒の醸造に取り組む、時代。 造酒司が醸造する酒の種類。 院宮王家や富裕層の経営する酒の店と、貧富の差の拡大。 どんちゃん騒ぎと無礼講。 乞食への施行と門を閉めない慣習。 そして時代の変遷により明確になる、差別。 長屋王邸宅跡から発掘された木簡(廃棄物)に、 多くの情報が残っていることに、驚き。 何とも下層の民の生活の厳しさが滲み出るような、印象でした。
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古代の農村では、女性が酒の醸造などを行っていた。刀自(とじ)と呼ぶ。杜氏の語源という説もある。杜氏が男性に限定されるのは江戸時代以降。 奈良平安時代の村では、有力者は酒の販売や貸付で財を成した。 中国では、塩、鉄以外に酒を専売としたことがあったが、生産者生産地が限られないことから...
古代の農村では、女性が酒の醸造などを行っていた。刀自(とじ)と呼ぶ。杜氏の語源という説もある。杜氏が男性に限定されるのは江戸時代以降。 奈良平安時代の村では、有力者は酒の販売や貸付で財を成した。 中国では、塩、鉄以外に酒を専売としたことがあったが、生産者生産地が限られないことから大商人の反対で廃止された。 労働の報酬は魚酒が報酬。粗食しか提供できない貧農との品部の差が広まる。 給与として酒が受給対象となる職種の代表は運輸労働従事者(舟のこぎ手など)。 土佐日記は文学的脚色が濃厚。話を盛っている。漕ぎ手が釣った鯛を米や酒で買い取っている。 皇族貴族などの居所の門が開いているのは普通のこと。
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