中国・SF・革命 の商品レビュー
日本・中国のSF作家を中心にしたアンソロジー。だけど小説よりも、後半に収録のエッセイのほうが印象深い。 特に、ジェニー・ザンの白人男性主体の文壇についてのエッセイ。 自分が白人男性だからチャンスに恵まれないと考えた作家が、中国人風ペンネームで作品を発表して受賞した話に端を発する...
日本・中国のSF作家を中心にしたアンソロジー。だけど小説よりも、後半に収録のエッセイのほうが印象深い。 特に、ジェニー・ザンの白人男性主体の文壇についてのエッセイ。 自分が白人男性だからチャンスに恵まれないと考えた作家が、中国人風ペンネームで作品を発表して受賞した話に端を発する。 アジア人の成功を本人の実力によるものと認めず、それはオリジナリティのある出生のため別枠として与えられたもので、そのために本来自分達が得るはずだった場を奪われている、自分たちは損をしているという思うような白人男性が多くを占める文壇への、挑戦状的な内容。 攻撃的な文章の連続だけど、このくらい覚悟を決めた攻撃的な文でないと、世に出てこないのだと思う。 アジア人差別に限らず、ジェンダー・障害者・少数民族などがテーマの場で、日本国内でもあらゆるところで見られる話なので考えてしまった。 近代中国の動乱の中生き延びた祖父の半生を綴る「食う男」、当時の熱気が伝わる藤井太洋さんの「三体が変えた中国」も面白い。 小説の中では「阿房宮」「村長が死んだ」が面白かった、あと王谷晶さんが好きなので、短編が読めてうれしい。
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中華SFと、日本人作家による中国をテーマにした作品のアンソロジーです。 何と言うか・・・このアンソロジーがどのような考え方で編まれて、何を伝えようとしているのかが理解できなかったのが残念です。 『三体』がキッカケで中華SFに関心が集まっているのはわかるのですが、『中国・SF・革命...
中華SFと、日本人作家による中国をテーマにした作品のアンソロジーです。 何と言うか・・・このアンソロジーがどのような考え方で編まれて、何を伝えようとしているのかが理解できなかったのが残念です。 『三体』がキッカケで中華SFに関心が集まっているのはわかるのですが、『中国・SF・革命』というタイトルが、これが本著の本質を表すものだとはあまり思えず。初出の作品も3編あったのですが、順番がその3編→「文藝」2020年春季号に載ってた作品5編→「文藝」2020年春季号に載ってたエッセイ4編となっていて、意味的な流れはあまり無いんでしょうか。 個人的に面白かったのは、王谷晶氏の「移民の味」でした。移民が構えた小さな店『林家餃子』の跡取りが主人公で・・・という話なのですが、途中でツッコミを入れたくなるコト確実です(笑 確かに冒頭、ちょっとした違和感はあったんですが、それにしてもこのネタをキッチリ綺麗に纏め上げてきたなぁ!という感想です。 あと、ジェニー・ザンのエッセイ「存在は無視するくせに、私たちのふりをする彼ら」は、アメリカの文壇におけるポリティカル・コレクトネスの現状・・・と言うか惨状をレポートしたものです。 本著のメインの流れが「中華SF凄いよ!」だと仮定すると、このエッセイのテーマはSFですらないん(文学界全体、あるいは詩?)ですが、課題提起としては非常に良くわかるし、時間の問題で何らかの波及があるかもしれません。本著にこのエッセイが入っていたのは意外ではありましたが、読めて良かったというのは正直なところです。 (アラキヤスサダ氏の話とか、私は初めて知りました) 単品として面白い作品は入っているものの、パッケージングの趣旨は私にはわからず残念でした。中華SF読みたい!という方には別の作品をオススメします。
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2022年1月5日読了。中国にまつわる短編小説・エッセイを集めたアンソロジー。『SF』をテーマにした作品ばかりではないが、結果的に現代の中国を小説で語ろうとするとそれは『SF』にどうしてもなってしまうのが面白い。作品も作家も雑多で全体を貫くテーマ・思想もなく、そもそも作家陣にも普...
2022年1月5日読了。中国にまつわる短編小説・エッセイを集めたアンソロジー。『SF』をテーマにした作品ばかりではないが、結果的に現代の中国を小説で語ろうとするとそれは『SF』にどうしてもなってしまうのが面白い。作品も作家も雑多で全体を貫くテーマ・思想もなく、そもそも作家陣にも普通に日本人が混じっているような本だが、それだけに内と外から見た中国のリアルが立ち上ってくるように感じられ興味深い…。現代を生きる中国人にとっての「文化大革命』は、中国を語る上で避けて通れないイベントで、日本人にとって最近では東日本大震災・過去で言うと原爆や満州国設立に相当するような、民族のアイデンティティを揺さぶる出来事だったのだろうな、と想像する。
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なんとも評価しにくい本である。 中国出身の作家のSFと 中国を舞台にした日本人作家のSFと中国出身作家のエッセイと日本人の中国SFに関するエッセイ。雑誌みたいな本である。 内容は これといって推したい短編がなかったので星二つ。 藤井大洋氏のルポにある2023年世界SF大会ワールド...
なんとも評価しにくい本である。 中国出身の作家のSFと 中国を舞台にした日本人作家のSFと中国出身作家のエッセイと日本人の中国SFに関するエッセイ。雑誌みたいな本である。 内容は これといって推したい短編がなかったので星二つ。 藤井大洋氏のルポにある2023年世界SF大会ワールドコンは成都で開催するのだろうか?
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「中国SF革命 ケン・リュウ、柞刈湯葉、郝景芳、王谷晶等 河出書房新社 2020年」 図書館で借りた。少数民族に支配される漢族の官僚の心情や、移民先での世代間の葛藤など面白いと思って読んでいたら、日本人作家だったw阿房宮は西安に行った事あるのでイメージつきやすかった。日本人作家...
「中国SF革命 ケン・リュウ、柞刈湯葉、郝景芳、王谷晶等 河出書房新社 2020年」 図書館で借りた。少数民族に支配される漢族の官僚の心情や、移民先での世代間の葛藤など面白いと思って読んでいたら、日本人作家だったw阿房宮は西安に行った事あるのでイメージつきやすかった。日本人作家がなぜ混ざっていたのか。
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阿房宮、冒頭の父母を想いながらも白痴じみた語り口にやられる。 移民の味、餃子百合SFという良くわからない概念のテーマに圧倒される。 藤井太洋と立原透那の、中国でのSF状況のレポートが大変興味をそそられる。政府の政策としてSFが振興されているようだ。中国凄い。
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