コロナ後の世界を語る の商品レビュー
2020年夏に刊行された本。コロナ後の社会の変化について。 人間、生命、歴史、国家、くらしと文化をテーマに21人の知性が語る。 インタビューと寄稿された文で構成されている。コロナが蔓延し拡大していた頃の見解なので、現在の視点で読むとやや違和感がある意見もあるけれど、総じてコロナを...
2020年夏に刊行された本。コロナ後の社会の変化について。 人間、生命、歴史、国家、くらしと文化をテーマに21人の知性が語る。 インタビューと寄稿された文で構成されている。コロナが蔓延し拡大していた頃の見解なので、現在の視点で読むとやや違和感がある意見もあるけれど、総じてコロナをきっかけに、今後社会が大きく変化すること、先が見通せない不安がつきまとうことで一致している。コロナ発生から1年が経って、ワクチン接種が進んでいるが、なかなか終息しないのが心配。 経済活動は悪化しているが、でもマクロレベルでの指標と実態の乖離は、それほど危機的ではないように思う。 影響が出てくるとすれば社会構造の変化、人間の付き合い方の問題だろう。 この本は、賞味期限が短いと思うので、読むなら早めがよい。 5年から10年経って、彼らの予想がどうだったのか検証には使えるかもしれない。
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コロナ後の未来のお話が1年経った今も現在進行形の状況でもフィットする内容でした。専門分野の方達がそれぞれの違った視点で社会とパンデミックの関わり合いがとても参考になりました。今後さらに深掘りしたいですね。
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ラジオ「荻上チキセッション」が夕方に移ってから聞くようになり、荻上チキさんとはどういう人かと探していて行きあたった本。読みたいと思った人の章のみ読みました。 養老孟司:「不要不急とは」という、今回もまた若干ずれた感のある内容なのだが、この用語への同氏の違和感は、医者でありながら...
ラジオ「荻上チキセッション」が夕方に移ってから聞くようになり、荻上チキさんとはどういう人かと探していて行きあたった本。読みたいと思った人の章のみ読みました。 養老孟司:「不要不急とは」という、今回もまた若干ずれた感のある内容なのだが、この用語への同氏の違和感は、医者でありながら現場ではなく解剖をやっている自分、また現在の老人で公職にもない自分の存在は不要不急なのではという根本から生まれている。そこからさらに、人間自体不要不急なのではという話。この辺りは、前回読んだ氏のインタビューで、老人はコロナ禍を乗り切ったところで生き甲斐はあるのかという疑問と相反するようで通じるところがあり、面白いなあと思った。それにしても毎回若干ずれてるのに毎回養老先生が出てくるのは、よっぽど好かれているということなんだろうなあ。 五味太郎:絵本作家だからなのか子供にあたたかい視点。そもそもの教育が、子供の権利のはずなのに子供に失礼だというところから発し、不安だったのはコロナ禍のせいなのか、収束して非日常から戻った際の「日常」は(特に子供にとって)そもそもよかったのかという議論。学校はありがたいけれど、現行の教育に対する疑問や批判が帳消しにされるべきではないということなのだろう。これまたコロナ云々を超えた根本的議論。 荻上チキ:検察庁法改正(定年延長)が見送られたことに見る世論の動きの分析。良くも悪くも議論が単純化されることで世論が盛り上がるというところに、なるほどなと思った。 ブレイディみかこ:息子が受けた、コロナ禍でのアジア人蔑視発言から、各人が自分のなかにある偏見に気づくきっかけになったという話。分析する息子さんも、その発言を注意した級友も、なんとも冷静ですごいなあと思う。またキーワーカーへの拍手の要不要論も、それが次世代に残すであろう影響から反対はできないというブレイディさん、現在がそうこうで終わらせずコロナ後に続いていく、次世代を育てていくという先を見据えた視点にハッとした。 (お名前を失念):会うことが暴力という言葉になるほどなあと思った。だから「あつ森」のように会わなくて良い平和なゲームが人気になると。裏を返せば、会うことの暴力に対峙できない人の中に、その分の暴力をネット上で振るう人がいるのではないかと思わないでもなかったが、生身とバーチャルの違い=暴力・重力という視点が面白いと思った。
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読みたいところだけ、読みました。 このような中だから、考えること、豊かさについて色々考えました。 一年たって、また著者の皆さんのご意見を聞いてみたいです。
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期待した内容ではなかった、、、 タイトル負け な感じかな。。。 各コラムが書かれてから1年経ってしまったので、答え合わせ(経済も壊れてないし、コロナも欧米に比べて日本では大したことなかった)ができてしまうからかな。。
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新型コロナウイルスは瞬く間に地球上に広まり、多くの生命と日常を奪った。この危機にどう向き合えばよいのか。各界で活躍する精鋭たちの知見を提示し、アフターコロナの新たな世界を問う。『朝日新聞デジタル』連載を書籍化。 もう少し突っ込んだ話を読みたい。
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後の世界の事は書いてない本。 養老孟司、福岡伸一、角幡唯介の話は興味深かったけど、他は本が発売されて半年後の今となっては古いし、朝にぼーっと読む新聞コラムとしては良いかもだけど本としては面白いとは思えなかった。
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あくまでも途中経過、もしくは現在進行形の新型コロナの世を語っている。見通しが立たない中で共通するのは、コロナ後の世は前と決してイコールにはならないこと。世界はこれを繰り返してきたということ、だろうか。スピード感を持ってひとまずまとめられた評論を読めたのはよかったと思う。
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これは出版社が売らんがための企画を練って安直に出した本の感が否めない。もっと企画者が汗をかかなければどんな立派な方々を登場させてもいい本とはならない。
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それぞれの識者の考察。すべて読んだわけではないが、それぞれが置かれている環境や仕事に絡めてあって興味深かった。ブレイディ、斉藤の記事が印象に残る。前者は子供を通じての差別や思い込みの話、後者は人と接することはそれだけで暴力だったのだということ。人と対面してやりとりすることが繊細な...
それぞれの識者の考察。すべて読んだわけではないが、それぞれが置かれている環境や仕事に絡めてあって興味深かった。ブレイディ、斉藤の記事が印象に残る。前者は子供を通じての差別や思い込みの話、後者は人と接することはそれだけで暴力だったのだということ。人と対面してやりとりすることが繊細な人には暴力にも感じられるし、刺激にもなる。この刺激が同じ時期に読んだ暇倫の増補分とオーバーラップする。
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