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送り火 の商品レビュー

2.9

13件のお客様レビュー

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2023/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

都会から田舎に引っ越してきた少年。彼は地元の学校の悪友らと一緒に万引きしたり危険な遊びに興じる。 美しい自然描写の一方、物語全体にかかる不気味さがあり、終盤でそれは先輩の熾烈ないじめと、いじめられっ子から少年へ執拗な追跡という形で明示される。 後味は悪い。

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2023/05/07

収録されている短編のうち「あなたのなかの忘れた海」が好きなバンドの曲のタイトルだったので気になって購入した。表題の「送り火」のラストが衝撃で今もよく分かってない……。田舎の穏やかな空気の中にずっと緊張感が漂ってて怖かった。そういう不気味な空気感の描写がすごかった。

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2023/04/04

津軽地方の片田舎,転校した歩は息詰まる暴力に巻き込まれる.いじめを超えた快楽のための暴力ははけ口のない社会の澱なのだろうか.

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2023/01/06

第159回芥川賞受賞作。 「あなたのなかの忘れた海」、「湯治」の三作。 表題作は、終わり方も含めて、受賞作っぽいなと感じた。比較的鮮明にイメージできる文章に思われた。その他の2作品は、同じようにイメージはつながりやすかったのだが、内容はなんとなく、日常の断片が切り取られただけの感...

第159回芥川賞受賞作。 「あなたのなかの忘れた海」、「湯治」の三作。 表題作は、終わり方も含めて、受賞作っぽいなと感じた。比較的鮮明にイメージできる文章に思われた。その他の2作品は、同じようにイメージはつながりやすかったのだが、内容はなんとなく、日常の断片が切り取られただけの感じがした。もっと長い作品が読んでみたい。

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2022/07/26

話の展開の速さについていけない、、。 途中までは表現の美しさ、描写の的確さに魅せられたが、ラストで置いていかれる。

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2022/09/20

後味がスッキリしないそして子供の世界の話だが考えさせられる作品。 一度だけでは理解できなかったので、しばらくしてから2回目を読もうと思う。 読めない漢字が多かったので勉強になった。

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2021/11/17

第159回芥川賞受賞作。 中学3年生の歩。 中学生というだけで危うさがありそうだが、 景色も、友達との関係も、全てのところにどこか後ろ暗い感じを醸造させている。 なんでもできそうで、なにもできないような年頃の、 なにも起きなさそうで、なにか起きてしまう、そんなお話。

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2021/07/18

閉じられたコミュニティでの虐め、暴力 傍観者としてのいじめ 最後はハラハラするし文章力がすごかった 2021/7/18 ☆3.7

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2021/07/03

読書開始日:2021年6月23日 読書終了日:2021年7月1日 所感 学生の頃の、悪いとは思うが周りに流されてやってしまう感じ。自分にも覚えがある。 そんな時は決まって文章中の一文「その冷たい響きに反して、胸中には甘い微熱を覚えた」の感覚を味わっていた。 田舎の年功序列、悪のサ...

読書開始日:2021年6月23日 読書終了日:2021年7月1日 所感 学生の頃の、悪いとは思うが周りに流されてやってしまう感じ。自分にも覚えがある。 そんな時は決まって文章中の一文「その冷たい響きに反して、胸中には甘い微熱を覚えた」の感覚を味わっていた。 田舎の年功序列、悪のサイクル、刺激が少ないが故の渇望、よくない部分が全て写ってた。 恐らく稔は、東京からやってきた主人公の中途半端な優しさがムカついたのだと思う。余ったコーラを情けでやるなんて最たるもの。 全ての行動に弱者を庇う自分が色濃く残っていた。 そしてポッと出が晃の右腕ポジションになり自分の罰を見物しているとなれば相当心にくる。 こういった本人らがいじめと認識しないようないじりに関しては関係性が大事だ。 最後の灯籠流しの部分や藁人形の部分など解釈できないものが多かった。 途中から難易度が増した作品 風が咲いた 学級会の成功はね、僕の出番がないことだからね 水のような汗が頬を伝う ハジの赤味ではなく。鬱血による紅色が顔面に広がる

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2021/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

無知な子供たちの悪戯という印象で始まるが後半は痛々しく生々しいが惹きつけられてしまった。 実際中学生ぐらいまでは学校と家が世界の全てになってしまっているので恐怖を感じた。更に田舎という場所がより狭さを感じる。 そんな狭い世界で生きる学生は地元や集団の中でひとつでも選択を誤ると取り返しのつかない事になるという自らの学生時代を思い出した。 そんな感想とは別に、晃や稔の心情をもっと深く読み取りたいと思った。 一度読んだだけの自分は終盤の心情がよく分からなかった。 晃の時折見せる正義感や真面目さは? 稔は歩が自分より弱そうで器用だからムカついたのか? 登場人物の背景も少ないので細部までは分からなかった。 しかし恵比寿顔と鬼の二つの顔をもつお面のように薄ら笑いを浮かべている稔の本心は鬼の様になっていた事は分かった。 知らない地元ルールに巻き込まれる怖さはエグい。 湯治という作品が非常に好みだった。古傷を治す為、民宿で湯治しに行く話だが過去の悲しみは古傷と同じで、いつまで経っても治らない。意外と人間は繊細で脆いのだと気付かせてくれる。

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