ノモンハン秘史[完全版] の商品レビュー
潜行三千里に続いて、またも辻政信の本が復刊している。毀誉褒貶のある著者だが、ブームが生じているのだろうか。 関東軍参謀としてノモンハン事件に従軍した著者の主張がどれだけ正しいか、誤っているかはよく分からないが、ソ連・外蒙の満州国への侵入・挑発が本事件の直接の原因であることは確かな...
潜行三千里に続いて、またも辻政信の本が復刊している。毀誉褒貶のある著者だが、ブームが生じているのだろうか。 関東軍参謀としてノモンハン事件に従軍した著者の主張がどれだけ正しいか、誤っているかはよく分からないが、ソ連・外蒙の満州国への侵入・挑発が本事件の直接の原因であることは確かなようだ。また、日本軍が質の面では勝っていたとしても、人員・兵器・弾薬などの量の面で圧倒され、相手方にも相当の損害を与えつつも、戦闘では負けていたことも間違いない。 中でもひどいと思ったのは、関東軍が敵の兵力を過少に見誤ったというのに、前線に送られた部隊が壊滅的な打撃を受けたということで、師団長や連隊長という部隊指揮官が戦死することを望んだり、軍法会議にかける(直前に当該指揮官は自決)という陸軍の姿勢であり、現場のみに責任を負わせるというそのような姿勢が組織として誤っており、第二次大戦でも無理を重ねて無謀な作戦を強行した理由であるように思われる。
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