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メイドの手帖 の商品レビュー

3.7

23件のお客様レビュー

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2024/05/18

これは…考えるね… 他人のトイレや浴室を磨き続ける日々…それってどんなふうに自分を変えると思う? 「幽霊になったよう」って、ステファニーは言ってる。物凄く自己肯定感が下がるってことだよね。 だけど、最低賃金で清掃の仕事をする(メイド)ことを放棄したら、彼女と娘は生きてゆけない。...

これは…考えるね… 他人のトイレや浴室を磨き続ける日々…それってどんなふうに自分を変えると思う? 「幽霊になったよう」って、ステファニーは言ってる。物凄く自己肯定感が下がるってことだよね。 だけど、最低賃金で清掃の仕事をする(メイド)ことを放棄したら、彼女と娘は生きてゆけない。 好きでそうなったわけではない。 ただ、タイミングが悪く、掛け違えたボタンのように、一度生じたズレがずっとずっと続いてしまう…。 この物語りは、決して特別なんじゃない、2つの意味で。ひとつめは…事故や病や、不慮のアクシデントで誰でも「貧困」になる、ということ。安泰に思える生活が破綻するのは…パンデミックを経験したら、或いはもっと遡ればリーマンショックを経験したならわかるはず。簡単に世の中も暮らしも破綻する可能性があるってこと。二つめは…誰にでも、チャンスがあるってこと。底の底から這い上がるチャンスはある。だけど、簡単じゃない。それは、ステファニーのこの物語り…実話を読めばわかる。ともすれば、全てを投げ捨てて諦めてしまいたくなるだろう、過酷な日々を彼女は闘い抜いた。 凄いこと… 本当に…。 今はモンタナで夫と娘2人と暮らしているそうだ。 彼女のインスタには現在の様子が日々、更新されている。良かったよね、本当に。 この作品は何より、自分の全てを捧げて守った娘さんのミアちゃんに…母親としての愛の全てを注いだ彼女への宝物になると思う。 自分では得られなかった肉親や家族からの愛を、大きな夢を見ることと、それに果敢に挑み、不屈の魂で勝ち取った彼女に、幸あれ! Netflixでドラマ化されているから見てみた。 ドラマはドラマとしての構成があって、原作とは少し違うけれど、それはそれでとても良かった。

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2023/11/20

この本を読む前にルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』を読んでいたのだけど。 解説を読んで、アメリカにおけるメイドの立ち位置がわかった。

Posted byブクログ

2023/11/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

途中で投げ出しそうになったけど、なんとか読み終えました。 並行して茂木和哉の掃除術の本も読んでたので、なんというか「掃除」というものへの向き合い方が全く違うのだな、と強く思いました。 ま、自分の家のではなく他人の家のトイレなど、借りることはあっても掃除することはなく、普通イヤでしょうけど、それしか仕事がないってんだからさ。ってな、ヒロインの心構え的なものにも共感できない一方、本の内容もとりとめがなく、「何がいいたいん?」という感想に終始する内容でした。ほぼ全編、仕事の愚痴。 ただ、アメリカの低所得者から見たアメリカ社会の実像が垣間見えて、そこは興味深かったです。フードスタンプとか、医療支援とか。フードスタンプを使うとオーガニックのミルクが買えないって、ヒロインが嘆く件があるのですが、イヤ、そこは仕方なくね?って感じるにこは冷酷なのでしょうか?あと、ヒロインはシングルマザーなんですが、けっこう元旦那が育児に協力的で、週末はほぼ自由なんですよね。元旦那が預かってくれるから。なのに、愚痴アンド不満タラタラで、あげくは子どもとられちゃうんじゃないかって、不安になったり。ま、予期せぬ妊娠で望まぬ子だったにも関わらず、きちんと育児に取り組んでるだけでも、今日では偉いのでしょうけど。しかも、苦学して大学でライティングを学び、メイドから抜け出せたのだし。シングルマザーで最低賃金とはいえ、日本の女性よりも権利が確立され尊重されているようで、羨ましかったです。

Posted byブクログ

2022/07/05

本書の最たる特徴は、自由の国アメリカのシングルマザーの底辺の生活もさることなが、それでも失わない著者の向上心かと。 私だったら娘第一で、ここまでハードな生活の中で自分の学業をまっとうしたいとは思わなくなりそう。 幼い我が子を別れた旦那に預けるのも、すごいなと…。電話で「パパは今...

本書の最たる特徴は、自由の国アメリカのシングルマザーの底辺の生活もさることなが、それでも失わない著者の向上心かと。 私だったら娘第一で、ここまでハードな生活の中で自分の学業をまっとうしたいとは思わなくなりそう。 幼い我が子を別れた旦那に預けるのも、すごいなと…。電話で「パパは今どこにいるの?」と聞いて「わからない」と娘に答えさせるような男には絶対預けたくないと思うけど、そうもいってられないのがシングルの現実なんだろうな…。 家族仲がもっと良ければ避けられた悲劇もありそうでつらい。 最低賃金でトイレ掃除をする女性の話を読んだ後では、ハウスメイドを雇って暮らす人は本当に「優雅」なのか?と疑問を抱かずにいられない。 後書きも興味深く、トイレ掃除なんて下賤な人間のすることだという考えが子供にまで浸透している社会はおかしいのでは?と思わずにいられない。

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2022/02/23

不法入国した人たちは食料の支援を受けることもなければ、税金を払っているのにもかかわらず還付されることもないのだということも。彼らは政府からの援助を一切受けることができない。それを受けることができるのは、アメリカで生まれた人たちだとか、書類を提出して在留する許可を得た人たちだけだ。...

不法入国した人たちは食料の支援を受けることもなければ、税金を払っているのにもかかわらず還付されることもないのだということも。彼らは政府からの援助を一切受けることができない。それを受けることができるのは、アメリカで生まれた人たちだとか、書類を提出して在留する許可を得た人たちだけだ。私がこのことを知っているのは、私が何度も移民たちと並んで政府機関の庁舎の待合室に座ったことがあるからだ。 ガラスの向こうのケースワーカーと、言語の壁を超えることができずにいる彼らの会話を聞いたことがある。

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2022/01/12

予定外の妊娠で貧困に陥った作者は、向上心と知的好奇心を失わずに努力し続けて貧困から脱出。 向上心を持ち続けられたのは愛されて育った子供時代で得られた自己肯定感が大きいのではないかと感じた。 彼女が戦う困難の記録と、メイドして観察したワシントン州の家庭を覗き見する感覚でも読める。 ...

予定外の妊娠で貧困に陥った作者は、向上心と知的好奇心を失わずに努力し続けて貧困から脱出。 向上心を持ち続けられたのは愛されて育った子供時代で得られた自己肯定感が大きいのではないかと感じた。 彼女が戦う困難の記録と、メイドして観察したワシントン州の家庭を覗き見する感覚でも読める。 彼女が憧れてたどり着くモンタナに行ってみたい。

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2021/11/08

とにかく重い。 心が追いつかず、読了までかなりの時間を要した。 これでもかという過酷な人生の中、よく生きていてくれたなと思う。それだけでも価値のあることだと思う。 時々、リボンをかけたキラキラしたプレゼントのような出来事が、自分がこうなたいという希望が、書くことによってより自...

とにかく重い。 心が追いつかず、読了までかなりの時間を要した。 これでもかという過酷な人生の中、よく生きていてくれたなと思う。それだけでも価値のあることだと思う。 時々、リボンをかけたキラキラしたプレゼントのような出来事が、自分がこうなたいという希望が、書くことによってより自覚的に受け止められ、生きる糧になったのかもしれない。 シングルマザーであろうと、無かろうと、悲しみや苦しみはある。それにどう向き合うか、乗り越える一つの術を見せてくれた。

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2021/10/10

貧困問題や不十分な社会保障などに対して声をあげる要素が詰まった一冊。 誰の援助も得ることができず、シングルマザーでホームレスをしメイドとして働く彼女の回想録。 生きるために日々踏ん張り闘っているその熱量に凄さを感じた。 書くことによって何とか今の状況を変えていく…という意志の...

貧困問題や不十分な社会保障などに対して声をあげる要素が詰まった一冊。 誰の援助も得ることができず、シングルマザーでホームレスをしメイドとして働く彼女の回想録。 生きるために日々踏ん張り闘っているその熱量に凄さを感じた。 書くことによって何とか今の状況を変えていく…という意志の強さが伝わってきた。

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2021/09/19

シングルマザーにより低賃金での仕事、自治体の援助や住居を探すのも一苦労。 国によっては清掃業とは背景も変わってくるのかな、この本ではメイドと言う言葉。 トイレ清掃の描写では、各家庭は汚れたまま掃除をさせる事が当たり前の様子。 シングルマザー、シングルファザー適度に頑張って下さい。

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2021/05/09

この本に出会えて良かった。 それは断言できる。 ハッピーエンドで良かったねと手放しで喜べるサクセスストーリーではない。 その過程で、ステファニーとミアがいつ終わるか分からない地獄を味わい続けたことは事実だから。 収入を中途半端に上げると支援が手薄になり、かえって生活が苦しくなる...

この本に出会えて良かった。 それは断言できる。 ハッピーエンドで良かったねと手放しで喜べるサクセスストーリーではない。 その過程で、ステファニーとミアがいつ終わるか分からない地獄を味わい続けたことは事実だから。 収入を中途半端に上げると支援が手薄になり、かえって生活が苦しくなるというのは、まるで蟻地獄のようだと思った。 明日は我が身。 消化にはまだまだ時間がかかりそう。

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