ラブセメタリー の商品レビュー
人に軽くオススメできないけど読んでほしいと思った。小児性愛に対しての自分の偏見、そして当事者の葛藤と沼ってしまった人の転落…理解したくなかった感情が少しずつ分かってきてしまって、それがとても心地悪い。嫌なのに読み進めてしまうし、最近読んだどんな本よりも重たい。木原先生はこういう人...
人に軽くオススメできないけど読んでほしいと思った。小児性愛に対しての自分の偏見、そして当事者の葛藤と沼ってしまった人の転落…理解したくなかった感情が少しずつ分かってきてしまって、それがとても心地悪い。嫌なのに読み進めてしまうし、最近読んだどんな本よりも重たい。木原先生はこういう人間の奥底にある見えていない感情を凄まじい熱量で書くのがとても上手なので、今回もやられたなという感じ。皆さんが言っているように、読み返す自信が全くありませんが、本棚には大切に置いておこうと思いました。
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望郷の道の下巻がなかなか届かなかったので、雪見酒さんの「天球儀の海」の感想のところで、おびのりさんが私におすすめ下さった一冊を先に読むことに(^^) BLの話をしていたので、きっとBLというジャンルなのだろうと思い込んで読み始めた。 とある精神科。 ある日受診に来た男の相談を...
望郷の道の下巻がなかなか届かなかったので、雪見酒さんの「天球儀の海」の感想のところで、おびのりさんが私におすすめ下さった一冊を先に読むことに(^^) BLの話をしていたので、きっとBLというジャンルなのだろうと思い込んで読み始めた。 とある精神科。 ある日受診に来た男の相談を、看護師の男は忘れられずに気になっていた。 男は、 「僕は大人の女性を愛せません。僕の好きな人は、大人でも女性でもないんです。」 と精神科医に話していたのだ。 ほうほう。。。 この看護師さんと、患者さんの愛の物語が始まるのだと思って読み進めると、ぜーんぜん違う(笑) え!?BLってそういうヤツじゃないの!? そういうヤツじゃなかったです。 この物語は、2人の小児性愛者が描かれる。 普通じゃない性癖。私には全く理解出来ないのだが、好き好んでそのような性癖に生まれたわけではない者の苦しみが妙にリアルに描かれていた。 クソ生意気な小学生を襲うシーンは、やってしまえ!と怖い妄想をする自分もいた。 私も十分いかれているのかも知れない。 自分の好みとは全く違う本だったが、これはこれで結構読ませますなぁと思った(笑) そのうち、「箱の中」もいってみようかなぁ。。。
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誰にも言えないタブーとされるマイノリティを持った二人の男性を軸にした話。覗いてはいけないものを覗いているようなそんな感覚にさせられる。
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最近はブクログでお世話になっている皆さんのオススメを読ませて頂く事にハマっております私、今回もみんみんさんのお勧め作家さんの木原さんです。 木原さんは人を選ぶと仰っていましたが、まだ木原さんは始まったばかりなのに、そうかも、と思いました。 みんみんさん、ご想像通り私は大好物…と言...
最近はブクログでお世話になっている皆さんのオススメを読ませて頂く事にハマっております私、今回もみんみんさんのお勧め作家さんの木原さんです。 木原さんは人を選ぶと仰っていましたが、まだ木原さんは始まったばかりなのに、そうかも、と思いました。 みんみんさん、ご想像通り私は大好物…と言って良い内容か分かりませんが好みでした! 大好物と言い淀む理由。テーマが小児性愛だからなのです。わざわざ言い訳せずとも良いとは思うのですが念の為。大好物なのは小さい子に、あっちの林の奥に行こうねえ…という行為ではなく、木原さんの文体とこれこそ芥川賞に入っていてもおかしくないと思う内容に対してです。 あれ、内容と書くとまた林の奥へ…になる?!難しい! 図書館で借りたのですが表紙に初めて見た注意書きが。「この本は自動貸し出し機が利用できませんので、カウンターでお借りください」 え…検閲が必要な内容?!とビビりつつカウンターへ。 無事通過。何のための検閲?!教えて下さい司書様!!(まあ年齢制限だと思うのですが) 今までペドフィリアを扱った作品は何作も読んでますし、子供に酷い事をするな!!と怒りを覚えた事もありましたが、こんな気持ちになったのは初めてです。 子供しか愛せなかったら、確かに辛いよね…。 『ラブセメタリー』というタイトルが秀逸です。世間からしたら犯罪者としか思われないこんな気持ちは墓場に持っていくしかないし、報われないし、結婚して結ばれる事も出来ない。だって大人になった相手には興味が持てないから。 朝井リョウさんの『正欲』も安易に人にお勧めは出来ない頭を抱える内容でしたが、あちらが可愛く思えてしまいました。 先ずは百貨店の外商の管理職をしている美男子で好感度の高い久瀨から始まり、ホームレスの伸さんへと話が繋がって行きますが、共通するのは2人とも子供しか愛せないと言う事。 違うのはそれぞれの愛し方。 久瀨は自分の性癖が世間では犯罪と見なされる事を理解しており、でも初恋の男の子(当時12歳)の事を引きずって苦悩しています。眠れなくなって精神科にやってくる程に重症。 一方、故あってホームレスになってしまった伸さんはこちらも好きになった女の子(当時11歳位?)とお互い愛し合っていましたが(女の子が好きになる気持ちも分からないでもない状況でした)、一悶着あって別れて以来、欲望を別の形で発散させてしまっています。 2人とも世間的には人当たりが良く人望もある人物です。 作中のほとんどが、この伸さんの謎を追っていく形となっているのですが話の流れが非常に良く出来ていて、かなり重たい内容なのにスルスル読めてしまいます。最後に明かされる伸さんの真実が、いつもならば、なんつう変態!逮捕!逮捕!となる所を、気持ちは分からないながらも妙にこちらまで何が正しいのか分からなくなって来ます。 こんな読書体験は初めてです。 「同性愛者は十年、二十年後には世間の偏見も無くなる日が来るだろうが、ペドフィリアはいつまで経っても犯罪者扱いされる」という久瀬の言葉が重たく響きます。確かにその通りかも知れない…。 私には何故、子供をそういう意味で愛する大人がいるのか全く理解出来ないし嫌悪感も確かにあります。一方同性愛者に対しては嫌悪感は一切有りませんし、なんなら疑問も持たずに、あー、そうなの、と思うタイプです。 ですが、久瀬達のように真剣に子供しか愛せずその事に対して本気で悩んでいる人達もいるのでは、と言う事には気付きもしませんでした。 だからと言ってこれに対しては、あー、そうなの、とは思えないわけで…。 悪いけどこっそりセメタリーまで持って行って貰うしかないなこれは…。 本作の凄さはエピローグにあります。 子供を愛する顔を隠した美男子、高級時計を腕に巻いた久瀬は傍から見れば家族を養う事に必死で老け込んでしまった親戚からも嫉妬をされる程に完璧な人生。 けれど久瀬は精神科医にしか話せない葛藤を抱え続けて生きていかねばなりません。 非常に余韻の残るラストでした。 木原さん一発目でガツンとやられました。この内容をこんな風に書き上げる勇気と筆力、他の作品も期待大です! 私信になりますがみんみんさん、ナイトガーデン完全版到着待ちです( ̄^ ̄)ゞ
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面白かった‥というのは憚られるけど、小児性愛という性癖に葛藤する苦悩が生々しくて引き込まれた。 文章もスッと入ってきて読みやすい。 誰にも救いがないし報われない。 明確な答えもなくて読後感は重いけど、こういう作品好きです。
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胃のあたりがギュン…と重くなりっぱなしだった。自分を正当化して堕ちていくのと、ただただ苦しく自分を律していくのと。二者択一それしかないということなんだろうか…。(絶望) 読み終わっても色々な感情が入り混じり、ちょっと吐きそう。
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Cemetery 墓場ですか。 ★は、どうしようか、まだ悩んでる。 小児性愛者の鎮痛な心情を 抉ってくるんです。 「子供に欲情する人間になりたいと願ったことはない。」と、神さえ怨みながら、自分の性嗜好を隠して、正しい社会人として生活する美しい男。 彼は、自分の欲情を抑えながらも...
Cemetery 墓場ですか。 ★は、どうしようか、まだ悩んでる。 小児性愛者の鎮痛な心情を 抉ってくるんです。 「子供に欲情する人間になりたいと願ったことはない。」と、神さえ怨みながら、自分の性嗜好を隠して、正しい社会人として生活する美しい男。 彼は、自分の欲情を抑えながらも、本能は変えられない。 そして、自分の性嗜好に気が付かないまま、小学校教師になり、勤め認められながら、過ちを犯しホームレスとなった元教師。一度犯した過ちは、抑制がなくなり、罪を重ねた。 神のイタズラか遺伝子の錯誤か、自らは望まない抑えられない欲望は、絶望感があります。 木原さん異端児すぎる。ハッピーエンドは何処へ。 あまりに解決策がなくて、痛みがあるけど、★4で。
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初めて★の数から悩んだ。★4にしたが果たして4なのか。気持ち的には5をつけたいが、5で良いのか。 面白かったと簡単な感想では片付けられないしんどさがあった。おすすめも簡単にはできない。はっきり言ってどこにも救いがない。でも、少しでも興味をもって、しんどさに耐えられる人。あるいは、...
初めて★の数から悩んだ。★4にしたが果たして4なのか。気持ち的には5をつけたいが、5で良いのか。 面白かったと簡単な感想では片付けられないしんどさがあった。おすすめも簡単にはできない。はっきり言ってどこにも救いがない。でも、少しでも興味をもって、しんどさに耐えられる人。あるいは、自己コントロールができている人。読んでみてもらいたい。 解説や帯にもあった、読書というのは危険な行為だということを今の時代に思い出させてくれる数少ない作家でー。とある。 本当にその通り。心の準備ができてからじっくり読む必要のある作品だった。 ちなみにエピローグが良い。あのエピローグがあるのと無いのでは、読み終わった時の気持ちが全く変わってくると思う。
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普通の人が意識しなくてもいいことを一生頑張らなければいけないなんて生き地獄だよなと思う。 木原先生の本は毎回現実味があってほんとに面白い。 エピローグ最後おもしろすぎてわらった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ある意味タブーとされている「小児性愛」について触れた本。いいとか悪いとかの二元論で語れる話じゃないなと思った。エピローグで、小児性愛を抱える久瀬の表層だけを捉えてその従兄弟が「羨ましい」と言っていたけれど、「羨ましい」なんて感情は結局主観でしかなくて、「普通」っていうのも主観でしかなくて、みんながみんな何かしらを抱えて生きているんだろうな、と思った。 朝井リョウの「正欲」を去年読んだけれど、この本のテーマに惹かれた人はハマると思う。
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