大分断 の商品レビュー
教育と知性が分離してしまった、という指摘には唸らされる。 過激でびっくりするような考え方も多かったけど、歴史家という視点だとそう見えるんだなあと新鮮でもある。
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高等教育の格差が社会的な格差を生んでいる。一方で高等教育を受け上級階層を作っている人びとの知的レベルは劣化している。自国フランスだけではなく、日本に対しても他国と比較しながら論評している。 生き残るのは中国か、ドイツか・・ はたまたアメリカやロシアの反撃も? 日本は結局のところア...
高等教育の格差が社会的な格差を生んでいる。一方で高等教育を受け上級階層を作っている人びとの知的レベルは劣化している。自国フランスだけではなく、日本に対しても他国と比較しながら論評している。 生き残るのは中国か、ドイツか・・ はたまたアメリカやロシアの反撃も? 日本は結局のところアメリカの傘下で生き延びるしかないのでしょうか。
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民主主義とはマジョリティである下層部のひとが力を合わせて上層部の特権階級から社会の改善を手にしようとすること。 現在の教育は自らの成熟のためでなく、他を押しつぶすために学んでいる。 退屈は成長のために必要。 ポピュリズム不在の日本。
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ちょうど社会に出るころ、日本では小泉、アメリカではブッシュが政権を取っていたということもあり、深く考えもせずに自由貿易に対する肯定的な思いを持ってきていた。 しかし、現実にはニュースで日々報道されるような状況となっていて、そのねじれについてイマイチ理解できずにいた。 トッドは一...
ちょうど社会に出るころ、日本では小泉、アメリカではブッシュが政権を取っていたということもあり、深く考えもせずに自由貿易に対する肯定的な思いを持ってきていた。 しかし、現実にはニュースで日々報道されるような状況となっていて、そのねじれについてイマイチ理解できずにいた。 トッドは一貫して自由貿易には反対の立場をとってきているが、それはあくまで自国での民主主義を守ることを一義に考えていたからだと理解した。 民主主義にしても自由貿易にしても、すべてが同じ条件で、プレイヤーは合理的な判断を行うという、非現実的な前提のうえになりたっている以上、現実に落とし込むにはどこかでカスタマイズが必要ということなのだろう。 自由・平等が絶対善であるところに固執しすぎると、かえって思考停止に陥ってしまい、絶対に到達できなくなるということがよくわかった。
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フランスの知識人による一味違う社会のものの味方を教えてくれる一冊。この本はエッセイ集のような感じなんだけど,主な論考は,表紙にも書かれている教育による格差,そこから引き出されるエリートの問題についての話と,著者の専門の人口についての話がメイン。背景が読みきれないところはちょっと読...
フランスの知識人による一味違う社会のものの味方を教えてくれる一冊。この本はエッセイ集のような感じなんだけど,主な論考は,表紙にも書かれている教育による格差,そこから引き出されるエリートの問題についての話と,著者の専門の人口についての話がメイン。背景が読みきれないところはちょっと読みにくい部分もある。正しいかどうかはさておきとしても、日本だと安倍か反安倍か,トランプか反トランプかで凝り固まった論調しかないけれど、0か1かの話ではなく,そこから距離を取った論考なので面白い。著者の立ち位置を確認しながら読むとそのユニークさがわかる。まぁ,ドイツへの論考とかは,フランス人ならではの視点のような気がしてならない(著者はフランスの中では少数派のようだけれど)。 そりゃ教育も一様ではないから差があるのは仕方ないと思っていたけれど,日本で格差が広がっている感じが欧米ほどではない理由が,格差に反対している人たちげ毛嫌いしていそうな家父長制に求めたりするのはとっても意外。逆に言うと,フラットな関係が当たり前になればなるほど格差に対して抗議が起こるようになるとも言えるわけで,興味深い。著者は生産よりも出産と著者は言っていたけれど,自由恋愛や婚外子などの積極的な策をとったときにどうなるのか。自由には格差はつきもので,経済以外の部分でも格差が広がるどうなるのか,それを埋める方法があるのかを考えたい。結局は「国家の経済圏で人々が豊かになれ、皆が利益を得られる方法が何かを考えることでしょう」(p164)に尽きるのだろうけれど。「皆」の中に自分が入っているか。そこが大切。エリートの話はとっても面白いし,格差感は無いかもしれないけれど,エリートの問題は残念ながら日本にも当てはまっていると思う。最後に紹介されている「絶対値による会話分析法」は「法」というのが適当なのかは議論がありそうだけど,とっても分かる。小学生高学年とかの会話からでも体感できる。この本が正しいかどうかと言うよりはに,そこから自分でどう考えるのかを知るヒントになる本だと思う。
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初トッド。多分他にも持ってるけどまだ読んでない。インタビューをまとめたものなので内容はやや散漫だが、著者の基本的な思考枠組みは見て取れる。人口と家族構成をメインにするアナール学派やね。あと、地政学の匂いも。興味は持てたのでメインの著作にも挑戦してみようと思う。
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間違いなく現代の知性の最高峰だと思う。 発生している事象分析の切口がユニークだが直感的にも根拠を伴った総合的にも確かなものと感じる。 自分も含めて世間は民主主義というものを正しく理解出来ていないのだなと思った。皆がわかりやすくまた反応しやすいワードが充てられることで本来の意味と...
間違いなく現代の知性の最高峰だと思う。 発生している事象分析の切口がユニークだが直感的にも根拠を伴った総合的にも確かなものと感じる。 自分も含めて世間は民主主義というものを正しく理解出来ていないのだなと思った。皆がわかりやすくまた反応しやすいワードが充てられることで本来の意味と異なるものまで包括して認識されてしまうのだろう。
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