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クオリアと人工意識 の商品レビュー

3.9

23件のお客様レビュー

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2024/09/03

茂木健一郎の本書での主張は「人工知能の今の研究アプローチでは意識の謎は明らかにならないのでないか?」ということかと思う。 この本の良いところは、人工知能でどこか浮ついた人々を、もう一度、人間の王道に引き戻そうとしているところ。そのために彼は、先人たちを何人も召喚している。彼らが...

茂木健一郎の本書での主張は「人工知能の今の研究アプローチでは意識の謎は明らかにならないのでないか?」ということかと思う。 この本の良いところは、人工知能でどこか浮ついた人々を、もう一度、人間の王道に引き戻そうとしているところ。そのために彼は、先人たちを何人も召喚している。彼らが言っていたこと、誤ってしまったこと、まだ続いていること、今見れば真実なこと、何度も代わる代わる呼び出しては語る。 その姿勢に、グッとくる。

Posted byブクログ

2023/03/15

意識とは何なのかということと 命とは何なのかということは ずっとずっと解決できないでいる気がかりなこと 意識という現象を読み解いたものであるとか (脳のここがこういう物理的な反応をしているときに意識ではこういう知覚ないし感情が起きているとか、そういう意識と物質の対応関係みたいな...

意識とは何なのかということと 命とは何なのかということは ずっとずっと解決できないでいる気がかりなこと 意識という現象を読み解いたものであるとか (脳のここがこういう物理的な反応をしているときに意識ではこういう知覚ないし感情が起きているとか、そういう意識と物質の対応関係みたいなもの)、 命という現象を読み解いたものはあるけれど、 意識とはそもそも何なん? 命ってそもそも何なん? ということについては皆目わからない。 それがわからないことには、 死んだらこのわたしの意識がどうなるか 全くわかれへんやん意味ないやん。 この辺の感覚はどうやら茂木さんと共通するらしく、ペンローズの『皇帝の新しい心』が至る所に顔を出す。この題名を見て若かったわたしは「わたしの知りたいことはきっとこの中に書いてある」と確信を持ちその重い本を買った。だけど、茂木さんのようにその本を読みこなせるだけの頭の出来がわたしにはなかったことから、この本は未だに本棚に死蔵されたままになっている。 余談だけど、本の中で話題になっていた小ネタでわたしが思ったことを幾つか書いておく。 ☆AIが意識を持つのはいつなのか?意識を持つようになるのか? 処理する情報量が閾値を超えたら持つんじゃないか、とはわたしも思うが、なんつーか腑に落ちなさが半端ない。意識とはそういうものなのか?という疑念が払拭できない。 しかし一方で、人間に意識があるかどうかは実は外からはわからない(怖い)ということを示した本をつい最近読んだこともあって、機械に意識があるかどうかは実は外からわからないのでは?とも思う(怖い)。 ☆脳をAIにコピーすることで永遠の命を得る、ということを考えている科学者がいるそうだが、茂木さんと同じく「それは全く違う!」と声を大にして言いたい。だってDNAが全く同じな一卵性の双子が同じように育たず双子はお互いに相手を別人だと思っているように、わたしの脳をコピーしたAIが出現したとしても、わたしと同じように同じことを考える別人が出現したとしか思えないだろう。それが「わたしという意識」の本質だろう。 ☆そういう頭のいい茂木さんが、雑談的にではあるものの、神秘主義的な解決法を持ち出していたのには衝撃を受けた。頭よくても頭のあまりよくないわたしみたいに、そういう考え方をすることあるねんな〜。神秘主義いいよね〜。結局仏教の密教って神秘主義的な行為の行き着いた果を力業でもたらそうというものじゃないん?とわたしは思っている。

Posted byブクログ

2022/05/15

テーマは面白い(興味深い)。 賛同できるかどうかは別にして。特に人口意識は必要か?は意見がわかれるところだろう。暗いところで落とした鍵を明るいところで探す。理由は「明かりがあるから」は、このテーマに限らずあるある。

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2022/02/26

とても面白かった。人工知能研究の現在。研究者達の考えていること。意識とは。知性とは。生命とは。自己意識とは。自由意思とは。身体性について。人工意識について。興味深い議論満載でエキサイティングな一書。人工知能、馬鹿にしたものでもないし、また恐れることもない、ということが良く分かった...

とても面白かった。人工知能研究の現在。研究者達の考えていること。意識とは。知性とは。生命とは。自己意識とは。自由意思とは。身体性について。人工意識について。興味深い議論満載でエキサイティングな一書。人工知能、馬鹿にしたものでもないし、また恐れることもない、ということが良く分かった。

Posted byブクログ

2022/02/20

脳科学の教科書。 情報工学、生物学、文学、哲学などの多面的な知識を交えながら「(自己)意識」を考察する。 クオリアというのは知覚の仕組みのようなものだと思った。 脳は脳でもハードウェアなのか、VHDLなのか、ソフトウェアなのかといったところなのだと思う。

Posted byブクログ

2022/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

P.107 …外界の事物を直接表現する「感覚的クオリア」と、志向性を内包した「志向的クオリア」がある。 …認識のメカニズムは、感覚的クオリアによって外界の基本的な様子が表現されて、それに対して志向的クオリアで「解釈」や「意味づけ」が行われていくというかたちで成立している。 感覚的クオリア ボトムアップ 志向的クオリア トップダウン 空間的志向性 signifié signifiant 意識は生命の「随伴現象」である コンファビュレーション 口からでまかせの嘘、フィクションを発話するプロセス

Posted byブクログ

2021/11/18

意識とクオリアについて、人工知能を切り口に説明がされています。クオリアって何かよく分からなかったのですが、現在のAIの抱える問題と対比しながら全編にわたり記述されており、だいぶわかってきたような気がします。クオリアを理解したい人の助けになるのではと思います。

Posted byブクログ

2021/11/12

意識と脳の関係については、意識は脳と独立した非物理的な存在であるとする二元論と、意識は脳内の物理法則と生化学ですべて説明できるという一元論の2つの考え方がある。 現代の科学者の殆どが一元論の立場を取り、茂木氏も意識は科学的に説明できるという立場を取っている。 しかし、茂木氏は、現...

意識と脳の関係については、意識は脳と独立した非物理的な存在であるとする二元論と、意識は脳内の物理法則と生化学ですべて説明できるという一元論の2つの考え方がある。 現代の科学者の殆どが一元論の立場を取り、茂木氏も意識は科学的に説明できるという立場を取っている。 しかし、茂木氏は、現在の人工知能研究などのアプローチで意識やクオリアを解明するのは無理だと言いつつ、それに代わる具体的な方法を示しておらず、実質的には二元論に非常に近い。 結局、意識やクオリアは、現代の科学で説明することは難しいと言っているに過ぎないように見える。

Posted byブクログ

2021/11/09

人間性とは何で、私たちは何をもって人間とするべきで、将来的に私たちの手元に残るものは何なのか。 茂木健一郎先生の著書を読む際は、いつもそういう根源的なことを考えさせられる、それがとても心地いい時間だと感じる。 やはり私が読んでも内容の一割も理解できなかったと思うけど、それでも...

人間性とは何で、私たちは何をもって人間とするべきで、将来的に私たちの手元に残るものは何なのか。 茂木健一郎先生の著書を読む際は、いつもそういう根源的なことを考えさせられる、それがとても心地いい時間だと感じる。 やはり私が読んでも内容の一割も理解できなかったと思うけど、それでもすごく面白かった。 これから生活に人工知能が馴染んでいく様子を想像すると恐ろしくもあり、けれども何がどう変わるのだろうという単純な好奇心も湧く。 茂木先生はよく「日本語の情報だけでなく、英語の情報もインプットして」ということを言っているように思う、本当にそれが大切なのだと思う…結局私はまだ英語には着手してないけど。 この人の知的好奇心を見習いたい。

Posted byブクログ

2021/11/07

漠然としたAIへのイメージでしたが、人工知能を考えるには、人間探求に他ならないとのこと。 確かに、今、この瞬間を感じている意識は自分しかないのだから。

Posted byブクログ