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先端技術と米中戦略競争 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2021/10/11

兵器に関する先端技術から見る米中関係。 技術的な話はほぼないので、読みやすい。 昨今話題に上がる新領域や新技術が具体的にどう戦場や米中関係に影響を及ぼすのかの理解に資する。

Posted byブクログ

2021/01/01

ASBR、宇宙、AI、極超音速兵器といった先端技術の戦略的価値とそれに対する米中の開発競争の現状について記した著書。後瀉氏の『海洋戦略論』の影響を受けている。防衛大学大学院で学んだ筆者による専門的な安全保障理論による分析でありながら、図解も豊富で素人にも非常にわかりやすい内容。『...

ASBR、宇宙、AI、極超音速兵器といった先端技術の戦略的価値とそれに対する米中の開発競争の現状について記した著書。後瀉氏の『海洋戦略論』の影響を受けている。防衛大学大学院で学んだ筆者による専門的な安全保障理論による分析でありながら、図解も豊富で素人にも非常にわかりやすい内容。『海洋戦略論』があくまで空母や駆逐艦、潜水艦といった伝統的な海軍兵力に限定したのに対し、例えば実際の戦闘において米軍の空母打撃群の運用に対する大きな障壁となるであろうASBRをはじめとする先端兵器を絡めた総合的な分析はより現実に即した考え方のように思われ、今の安全保障環境の現状認識のために非常に役に立つ一冊。

Posted byブクログ

2020/08/03

米中の戦略的競争が始まったと警鐘を鳴らす。 近年の中国の海洋進出は著しく、南シナ海はもとよりオホーツク海にも活動範囲を広げている。以前から言われているA2/ADに米軍がいかに対抗できるか。 宇宙ドメインでは、中国が宇宙への依存を深めており、逆にそれが弱みにもなりうる。月・地球間で...

米中の戦略的競争が始まったと警鐘を鳴らす。 近年の中国の海洋進出は著しく、南シナ海はもとよりオホーツク海にも活動範囲を広げている。以前から言われているA2/ADに米軍がいかに対抗できるか。 宇宙ドメインでは、中国が宇宙への依存を深めており、逆にそれが弱みにもなりうる。月・地球間であるCislunarでのラグランジュ点やSSAの話も面白い。 AIや極超音速兵器など、最新の軍事技術やトレンドを幅広く網羅していてとても勉強になった。

Posted byブクログ

2020/07/24

タイトルから、技術が戦争のありように及ぼす影響を解き明かす内容かなと思って買ったが、良い意味でその期待は裏切られた。 タイトルのうちの「米中戦略戦争」の比重が大きく、その観点での米国の争いを、技術領域を含めて解き明かしている内容である。 著者のまとめ方が非常にうまく、文章が非...

タイトルから、技術が戦争のありように及ぼす影響を解き明かす内容かなと思って買ったが、良い意味でその期待は裏切られた。 タイトルのうちの「米中戦略戦争」の比重が大きく、その観点での米国の争いを、技術領域を含めて解き明かしている内容である。 著者のまとめ方が非常にうまく、文章が非常に頭に入りやすいとともに、引用図ではあるものの、非常にわかりやすい図が適宜挿入されており、全般的に内容をクリアに理解できるように工夫されている。 昨今の米中の、主に軍事(技術)に関する争いについて整理して理解するのに非常に有益な1冊であると感じた。 以下、各章感想。 1章は「米中戦略戦争」の一般情勢的な背景であり、ここ数年の米国による中国に対する対抗的な取り組みの内容とその理由が非常にクリアに理解できた。 2章は、主として西太平洋における、米中の海上における戦争のありように関する、昨今の米軍の報告書、シンクタンクの論考等を基にした解説である。1章同様、各種の公開情報をつなげて、非常にわかりやすく整理されている。 3章は、宇宙に関する米中の取り組みとその意図に関する解説である。 宇宙に関する取り組みは類書でも読んでいたが、シスルナに関する米中の取り組みの話は本書で初めて知り、非常に興味深かった。2060年という、自分が生きているかどうかもわからない先に実現性が議論されるような話ではあるが、衛星を攻撃したり守ったりといった卑近な話だけではなく、長期かつ広範囲に関する宇宙での争いを米中が見据えていることは驚きである。 4章と5章は、AIと極超音速兵器に関する争いの話であるが、ここは類書でも読んだ話が多いと感じた。 6章は、5章までの米中競争の実情を踏まえた、日本の今後の取り組みに関する著者の主張である。ミッドキャリア・シニアレベルでの教育や研修機会が少なく、その層が学び直せていないことが日本の問題だという主張は意外で、一理あるなと感じた。政治家、官僚、自衛隊の高級幹部、そして民間企業の執行部・上級管理者といった、日本の将来について重大な意思決定をなす層が、最新の情勢を正しく理解し、日本の今後のありようについて、前動続行にとらわれない将来に希望を持てる判断をして欲しいなと感じた。

Posted byブクログ