森の文学館 緑の記憶の物語 の商品レビュー
森と山に関する物語・エッセイなどのアンソロジー。 面白いものもあれば さほどではないものも。 個人的には 「谷」 古井由吉 「森と言葉」 辺見庸 「遺跡訪問ー或いは牧歌の領域」 中村真一郎 「エーデルワイス」 串田孫一 が興味深かった。
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森というより山の、それもエッセイが多かったです。 森の物語があまり無かったのが、タイトルから期待してたのとは違ってたのでちょっと残念。個人的な感覚です。 それでもいくつかは面白く読みました。初めて読んだ中里恒子さん、他のお話も気になります。
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異界のメタファーとして山と森は同質か。 現実世界では山頂に到達するには森を通過せねばならず、なるほど山と森は一体化している。 本書でもテーマは森から山へ谷へ高原へと自在に行き来する。 しかし山には「今ここ」を侵蝕する怖さはない。 隣り合い重なり合う気配はやはり森のものだ。
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- ネタバレ
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宮崎駿「もののけ姫」で俄かに森を思い、たたら製鉄を見学するなどしていた矢先に本書刊行。 すわとばかりに読んだが、うーんやはり登山への興味は薄く、「お話」への耽溺だったんだなー、と。 また山と森は似て非なるものだ、と。 素晴らしいと思ったのは、 ・谷 古井由吉……「杳子」を思い出す。 ・森と言葉 辺見庸……《熊笹が群れて、よからぬうわさにざわめくのも知らぬ気に、鉄砲百合がぽんと一輪、ねっとりと汗かき、生あくびしてはあだっぽいにおいを吐いている。》文体のすばらしさ。そしてラストは中上健次の初期作品に似ている。 ・遺跡訪問ー或いは牧歌の領域 中村真一郎……ロマンとはこういうものだ。 ・森の孤独 高田博厚……ある娘。 ・森の魅惑ーエルンスト 大岡信……鳥の王者ロプロプという面白いものを知った。 ・森の中 中里恒子……少女小説「その後」! これはいいものだ。 ・森を歩く 稲葉真弓……手押しポンプというもの。 ・アルプスの少女 石川淳……これは不思議。教科書に採用されているとか。「おとしばなし集」収録という。これはいい。
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