夜フクロウとドッグフィッシュ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
(放送原稿より) 原題は、To Nightowl From Dogfish。この原題からもわかるのですが、この本は、ほとんどが だれだれから、だれだれへ といった手紙、というかメールの文章で、お話が進んでいきます。 そして、その最初のメールが、「件名:そっちは、あたしのこと知らない」で、 内容が「わけだけど、とにかくメールを書きます」で始まって、 「そっちのお父さんと、うちのお父さんがつき合ってるんだけど」という衝撃的なんです。 それに対して「何か勘違いしてると思います」という返事が行き、二人のやりとりが始まります。 このやりとりを始めたのは、12歳の女の子たち。 一人はカリフォルニアの田舎に住んでいる動物好きでサーファーなベットと、 ニューヨークに住んでいる夜更かしして読書をするのが好きで、ちょっと潔癖症なエイヴリーという対照的な二人です。 二人は、お互いの父親たちが、二人を同じサマーキャンプに入れ、仲良くさせたいともくろんでいることに反発し なんとかして父親たちを別れさせようとしますが…。さて? 二人が押し込まれたキャンプ中、二人の父親が中国旅行でトラブルにあったとのメールが届いたり、 法律事務所やキャンプの管理人、エイヴリーのおかあさんや、ベッドのおばあさん、などなど、 いろんなメールや手紙が次々に届き、 途中で読むのを止めることができないくらいでした。 趣味も性格も正反対な二人が、メールをかわしていくうちに少しずつお互いをわかりあっていく様子も楽しく、 最後にはちょっとふふっとなる展開が待っています。 横書きなので読みやすく、アメリカの中学生の生活も垣間見えて、夏休みにぴったりのとてもわくわくする小説です。 また、「普通の家族」ってなんだろう、友達ってなんだろう、という重い問いに軽やかに答えてくれているように 思いました。
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再婚したいのが、それぞれの父親同士 っていうところが現代だなぁ。 でも話の基本は、性格の違うふたりの少女が お互いの長所と短所を知って だんだん仲良くなるってところと 芽生え出した自意識と親との関係性。 そこは昔の子も今の子も 同じように悩んだりするんですね。 あと、全編メー...
再婚したいのが、それぞれの父親同士 っていうところが現代だなぁ。 でも話の基本は、性格の違うふたりの少女が お互いの長所と短所を知って だんだん仲良くなるってところと 芽生え出した自意識と親との関係性。 そこは昔の子も今の子も 同じように悩んだりするんですね。 あと、全編メールのやりとり中心で進むので 最初ちょっととまどいます。横書きだし。 そうか、ケータイ小説がそうだったな。
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2人の女の子のメールだけで(時々他の人のメールとか手紙とかもあるけど、地の文は一切ない)お話が進む。 展開がスリリングだし、メールのやり取りだからこその親密感がよい。 家族とか、好きなこととか、出会いや縁、偶然とかの色々なことも考えさせられる。 一気に読んでしまった。
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ニューヨーク在住のベイヴリーへ知らない人からメールが届く。カリフォルニアに住む同じ12歳のベッドから。 「そっちのお父さんとうちのお父さんは、付!き!合!っ!て!い!る!!!」 お父さんたちは娘たちを同じサマーキャンプに送り込み仲良くさせようとも目論んでいる。 そんなの絶対いや!...
ニューヨーク在住のベイヴリーへ知らない人からメールが届く。カリフォルニアに住む同じ12歳のベッドから。 「そっちのお父さんとうちのお父さんは、付!き!合!っ!て!い!る!!!」 お父さんたちは娘たちを同じサマーキャンプに送り込み仲良くさせようとも目論んでいる。 そんなの絶対いや! それから二人のメール交換がはじまった。 本文はメールのやりとりで構成されている。 だから横書き。 父親たちの思惑を阻止しようと協力する中で、意に反して仲良くなっていく2人。それなのに…! ベットとベイヴリーがすごい。子どもは大人の都合の中で生きている。だから与えられた状況の中で最善に向けて努力し、大人への配慮をし、適応力もある。いじらしいくらいだ。 それは本来どの子どもが備えている資質なのではないか。 登場する大人それぞれが、自分の人生(恋愛も)を楽しみながら、親として、祖母として、家族が繋がっている。同性愛、家族の在り方はこれほど多様なのだ。 日本でこの設定のお話があったら、もっと重く暗い話になってしまうのではないか。同性愛への容認だけでなく、家族の在り方の文化の違いだろう。 底抜けに明るく、ホロっとする優しい家族のお話しだった。意外な結末も素敵。
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アメリカの長くて色々な経験ができる夏休みを感じられる。家族の多様性、形よりも気持ちが大事であることを感じられる。 全編メール、手紙、ショートメールなどで綴られていて、テンポがいい。 第一話にあたる「4月上旬のある日」が少し長めだが、その後は展開も早くて一気に読めてしまう。
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おもしろかったー! 全編、書簡体(メール体)小説。 父親同士がいきなり恋人としてつきあいはじめたふたりの少女、エイブリーとベット。性格も好みも何もかもが正反対なふたりは、はじめ、なんとかして父親たちを別れさせようとするが、互いに顔を合わせていやいやながら交流するうちに、すっか...
おもしろかったー! 全編、書簡体(メール体)小説。 父親同士がいきなり恋人としてつきあいはじめたふたりの少女、エイブリーとベット。性格も好みも何もかもが正反対なふたりは、はじめ、なんとかして父親たちを別れさせようとするが、互いに顔を合わせていやいやながら交流するうちに、すっかり仲よくなってしまい、姉妹になる日を楽しみに待つようになる。ところが……。 途中から、話がワイルドに展開して、ゲラゲラ笑いながら読んでいたかと思ったら、うわーと息をつめてページをめくったり。最後にもまたびっくり。ストーリーそのものも面白かったし、「どういう形が家族で、どういう形がそうでないかは、だれにも決められないこと。……聞かなければならないのは、自分の心の声だけだから」という、エイブリーとベットの(あらゆるワイルドな経験を経たあとにたどりついた)見解もよかった。 ふたりの距離感が変わるにつれて、メールの文体も変化していく。そこらへんの訳は、いつもながらみごと。 あと、ガガおばあちゃん、最強。とってもすてきでした。
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新しいタイプのお話だった。 ほばメールだけのやりとり。会ったことのない2人の女の子。お父さんたちの計画。意外な終わり方。 文体は慣れるまで読みにくかったけど、途中から一気に読んでしまった…。ベットとエイヴリーの関係も、家族の形も素敵。家族ってなんなのか、恋愛って難しい、色々考えさ...
新しいタイプのお話だった。 ほばメールだけのやりとり。会ったことのない2人の女の子。お父さんたちの計画。意外な終わり方。 文体は慣れるまで読みにくかったけど、途中から一気に読んでしまった…。ベットとエイヴリーの関係も、家族の形も素敵。家族ってなんなのか、恋愛って難しい、色々考えさせられる。
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他人と違っていてもいい。友達でも言いたいことは言ってもいい。絶対やらないことをやってしまうこともある。だから、人生は何が起こるか分からない。 12歳の時に、この作品と出会いたかった。その頃、メールは無かったのだけどね。
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