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ミドルマーチ(3) の商品レビュー

4.4

7件のお客様レビュー

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2024/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語は更に佳境になってきた。カソーボンとドロシアの1年半の結婚生活の結末は?彼が最後にかました内容は?複数の真実を知ったラディスロー、彼は全ての思いを捨ててミドルマーチを去るがその矜持は感服した。リドゲイト夫妻は金銭的窮地に。フレッドとメアリの恋愛は進展、フレッドが借金を背負わせたケイレブ氏との関係再構築、でもケイレブ氏の性格良すぎ。訳者の読書ガイドは秀逸。登場人物の関係図がやっと3巻で見れた。最初から見たかったがネタバレ含みで無理。バルストロードの偽善の処置が最終巻で語られるとのこと。読書の愉しみ満開。

Posted byブクログ

2023/03/27

19世紀イギリスの架空都市ミドルマーチ。運命によって翻弄されるいくつもの愛の模様。第5部と第6部を収録。 個人的に共感していたカソーボン氏が悪者になってしまう第5部にガックリ。しかし、彼の気持ちにはやはり共感するものがあり、残念ではあるが仕方なかったとも思う。逆に評価が爆上がり...

19世紀イギリスの架空都市ミドルマーチ。運命によって翻弄されるいくつもの愛の模様。第5部と第6部を収録。 個人的に共感していたカソーボン氏が悪者になってしまう第5部にガックリ。しかし、彼の気持ちにはやはり共感するものがあり、残念ではあるが仕方なかったとも思う。逆に評価が爆上がりするのが、ケイレブ・ガース。この物語世界の良心ともいうべき魅力な人物像が明らかになり、彼を通じて当時の時代社会背景も見えてくる。また、フレッドとの出来事と絡んでガース夫人の複雑な心境を見事に描き出しているのも読み応えがあるところだ。よくぞここまで微細な心理が書けたものだとひたすらに感心する。また、このガース夫妻の関係性も素晴らしい。 青春の放浪を続けるおぼっちゃまフレッド君が、メアリの態度表明によって変わっていくのが心強い。牧師はかませ犬だったか……しかし彼の人柄がいっそう映え、フェアブラザーの親族たちもわずかな登場ながら魅力的だ。 心は次第に近づいていくドロシアとウィル。しかし表面上は離れていく立場になり、互いの本心を探り合うのがもどかしいが、そこが恋愛ものの面白さでもある。ウィルの姻族事情も複雑であり、バルストロードから衝撃の秘密を明かされるが、これによりさらにウィル・ラディスローという青年の屹立した精神力が際立っていくところに要着目だ。そしてバルストロード自身の欲望と信仰がせめぎ合う複雑な人間性も興味深い。 本巻最大の見どころは、若い二人のロマンスの結末にはっきりと亀裂が入るシーン。医者という職業を尊敬できず、リドゲイトの崇高な理想も理解しないロザモンドは、高い身分への憧れのままに我を通すことしか頭にない。いっぽうで研究に没頭したいリドゲイトは、プライドの高さのため借金がかさみギリギリになるまで窮状を言い出せない。彼はロザモンドの薄っぺらい言葉を前に、いつかのドロシアの深い魂からの声を思い出すのだった。 「お教えください。私に何ができるか、お教えください。主人は生涯ずっと苦労して、自分の研究に前途をかけてきたのです。主人は、そのことだけを気にしているのです。私もただそのことだけが、気になるのです」 そしてロザモンドの「私に何ができるかしら、ターシアス?」という冷たくよそよそしい言葉(この台詞は声の調子によって様々な意味にとれるがと作者は断りを入れつつ)が、ドロシアと同じ言葉ながら全く逆の想いを表明する、このコントラストがあまりにも印象的だ。魂の内奥ではぴったりと適合するドロシアとリドゲイトがカップルであったなら……と夢想してしまうこのシーン。実際にはこの二人は深く絡むことなく、それぞれの過酷な運命と対峙していくのを読者は見守ることになる。 トリックスター的な立場にあるラッフルズという人物が今後どう動くのか、主人公たちの愛のゆくえはどうなっていくのか、最終巻も目が離せない。

Posted byブクログ

2023/03/08

心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興...

心理描写等ジェイン・オースティンから多くの影響を受けているところもあるだろうが,それよりもさらに地域社会の観察に特化した書と言える。人々の変化はそれなりに大きかったが地域としての変化は少ない,と感じたことは覚えておく。訳者については,解説にある「〈分別〉と〈多感〉」という視点が興味深い。

Posted byブクログ

2022/01/03

ドロシアとリドゲイト、2組の夫婦の変化。ドロシアは未亡人となりラディスローとの恋の障害に、リドゲイトとロザモンドの愛のない生活に目が離せない。 眼が離せないことは他にもあるが特に後半不穏な空気に囲まれたバルストロードにヤキモキする。 解説の人物相関図は頭の整理に役だった。

Posted byブクログ

2021/07/04

 全8部のうち本巻は、折り返しを過ぎ第5部、第6部収録の巻。  結婚であったり遺産相続を巡るドタバタなど、それなりの展開はあったものの、ここまで登場人物たちの生活や考え方が比較的平穏に描かれ、その人物像や関係性が明らかにされてきたが、本編では、各人物に様々な変化が生じ、物語全体が...

 全8部のうち本巻は、折り返しを過ぎ第5部、第6部収録の巻。  結婚であったり遺産相続を巡るドタバタなど、それなりの展開はあったものの、ここまで登場人物たちの生活や考え方が比較的平穏に描かれ、その人物像や関係性が明らかにされてきたが、本編では、各人物に様々な変化が生じ、物語全体が大きな転回を見せる。  先ずはドロシアとカソーボン夫婦。自分亡き後、妻ドロシアが従弟ウィル・ラディスローの意のままになってしまうのではないかと恐れたカソーボンは、自分の死後夫たる自分の希望に従うことを誓ってくれと求める。煩悶するドロシアが答えをしようと夫のところに向かったとき、もはやその答えが夫に届くことはなかった。  野心に燃えてミドルマーチに来た医師リドゲイトは、美しい妻ロザモンドとの結婚生活のため身の丈以上の出費を重ね借金に苦しむことになってしまう。節約を求めても妻は我慢が出来ず、他方妻は、そんなことを求める夫に不満を持つ。お互いの気持ちのすれ違い。    そしてもう一つ。宗教的情熱に燃え、理想的な病院を作ろうとする銀行家バルストロードの前に、彼の過去を知るらしき無頼漢ラッフルズが現れる。何か秘密を握っているらしき素振り。  その秘密に関して、バルストロードは、ウィルに対し、ある提案をするが、ウィルはキッパリと拒絶する。  といったように、ストーリーがかなり動き出して面白さが一気に高まってきた。乞うご期待の最終巻。  

Posted byブクログ

2021/05/08

物語は激しく動き始める。突然の死、職業の変更、過去の所業の大きさ。 それにしてもこの時代のイギリスの身分というものをここまであからさまに感じられたことは、大きな収穫である。

Posted byブクログ

2021/09/07

下巻はリドゲイトの話が主であり、最後の方にドロシアが出てくる。そして、その後の話が終曲としてまとめられている。藤井元子の、訳であり、わかり易かった。

Posted byブクログ